乳がんと絵本『ママはかいぞく』カリーヌ・シュリュグ
この絵本の表紙を見た時、
「ママが海賊のお話だなんて!どうやって宝を見つけるのだろう、どのように船の中で暮らしているのだろう?」
と思っていたが、乳がんと戦うママのお話だった!
読んでいるうちに、子どもは気づかないかもしれないが、親は
「このお母さん、病気なんだ」
と気づくしかけ。
私が、絵本の途中で気づいたのは以下のページ↓
光文社「ママはかいぞく」より
「海賊のようにバンダナを巻いているのは、髪が抜け落ちているからなんだ。薬も出てきているし…。」
きっと、もっと最初のページで気づく親もいると思う。
光文社「ママはかいぞく」より
船の上にママと一緒に戦っているのは、お医者さんだと気づくからだ。
しかし、この絵本の中にはいっさい「病気、がん」などの言葉は出てこない。
「乳がん」を「海賊」に置き換え、(戦った)胸の傷跡、バンダナ、船酔いと紹介している。
重くなりがちな「乳がん」というテーマを明るく、しかも現実に近いカタチで表現している。
日本ではこのような病気や社会問題、環境問題を扱っている絵本が少ない気がする。海外の絵本には、日本のものとは違った視点があり、今後も注目していきたい。