「中小企業診断士、ヴァイオリンとワインに囲まれた暮らし」 40代からは、仕事も趣味も楽しもう!
プロフィール 石川知穂さん(51歳)経営コンサルタント、中小企業診断士
1969年東京都新宿区生まれ。法政大学大学院社会科学研究科卒業後、製菓メーカー系の財団研究所で、約20年間にわたりマーケティング・CSR分野の調査・分析を担当。2013年、中小企業診断士の資格取得とともに独立。現在は、マーケティング調査や、経営コンサルティングを行う。ヴァイオリンと醸造酒(日本酒とワイン)好き。
いつでもニコニコ。やさしい声質で丁寧な話し方をされる石川さん。筆者(アラフォー)の子どもは、来年度小学校に入学する。そろそろ、家事と仕事ばかりの生活から、仕事に生かせる学びや趣味を充実させたいと思っている。石川さんは、43歳の時に独立。趣味は、ヴァイオリンとお酒と美術館めぐり。まさに筆者の憧れである。中小企業診断士のお仕事と趣味の続け方などについてインタビューした。
キャリアチェンジをした40代、中小企業診断士の仕事
筆者:中小企業診断士は、中小企業を支援するお仕事をする人だと思うのですが、ずっとやってみたかったのですか?
石川:そうですね。前職でマーケティングの仕事をしていたのですが、そこでは、調査をしてアンケートの数字などを統計したあと、データをまとめて納品していました。でも、そのあとのことが見えなくて。自分のした仕事が、みんなの役に立っているという実感が湧きませんでした。だったら、現場に出て、経営者さんに直接お会いして、分析結果などをどうやって生かしていけるかを一緒に考える仕事に就きたいと思いました。
筆者:「中小企業診断士」という言葉は知っているのですが、具体的にはどんなお仕事をされるのですか?
石川:基本的には、中小企業~中堅企業の経営者さんに対して、経営上のアドバイスを行っています。
最近は、コロナの影響で自治体関係の仕事が増えてきています。補助金を申請したい時に事業計画書を提出しなければならないので、その書き方をアドバイスしたり、金融機関からお金を借りる時に、資金繰り計画の内容のご相談があったりしています。補助金や金融機関の融資の審査は、見ているポイントがいくつかあるので、そこをお伝えしながらアドバイスしています。
筆者:相談に来られる方は、どんな方が多いですか?
石川:30代、40代の男性、女性の方もいますし、20代後半で開業したいという方もいらっしゃいます。若い方の相談も増えてきている傾向があります。私は割と女性向けの商品やサービスの会社さんのご相談を受ける場合が多いです。ファッション・アパレル系会社、生花店、雑貨・アクセサリー販売店、エステサロンなどのマーケティングや事業計画のお手伝いをしてきました。
筆者:お仕事で大切にされていることは何ですか?
石川:中小企業診断士というと、上から目線でアドバイスというイメージを持つ方も多いと思うのですが、私はそういうスタンスでは臨まないようにしています。まずは、お客様のお話をしっかり聞く。客観的な視点でアドバイスすると、実は相談者の方もご自身で薄々気づかれていたもので、「やっぱり、そこですよね!」と問題点が浮き彫りになり、具体的に何をすればいいのかが見えてくるケースがあります。つねに相談者さまの目線でいようと、新人時代は、生花店さんのバックヤードの掃除をして整理する仕事から始めたこともありました(笑)他には、無理にこちらの意見を押しつけようとせず、最終的に判断されるのはお客様なので、あくまでアドバイザーという立場を大切にしています。
筆者:お仕事のやりがいはどんなところですか?
石川:やっぱり、同じ相談者様が、相談を重ねていくうちに、みるみる表情が明るくなって、輝きだす瞬間に立ち会えることです。最初は、重たい雰囲気でご相談に来られるケースが多い中、一緒に問題点を考え、改善していくうちに「背中を押してもらった!」「こんな風に考えればいいのですね!」と前向きになっていく姿を見られることが何より嬉しいです。自分の仕事が役立っているなと直接感じることができます。
スズキ・メソードで習ったヴァイオリン
筆者:ヴァイオリンを始めたきっかけを教えてください。
石川:4歳の時に、実家の隣に住んでいたヴァイオリンの先生がよく練習している音が聞こえて。母はピアノを習わせたかったようなのですが、私はピンときていなかったらしくて。でも、その先生のヴァイオリンが始まると、外へ出ていって先生の家の前でジーっと音を聴いている子だったらしいです。実際、音を初めて出した時の衝撃は今でも覚えています。ピアノは、ポーンっと音を出したら消えてしまいますが、ヴァイオリンは馬の毛をこすって音を出すところや、楽器自体は小さいのに、音の幅がものすごくあるところに惹かれました。「スズキ・メソード」の教室で、高校2年生まで続けていました。
筆者:厳しい先生で辞めたいと思ったことは、ありましたか?
石川:先生が厳しいところはありましたが、サボると同じ先生から習っている近所の子もいたので、アリバイがなくなるぞと。(笑)あとは、親がいい感じに見守ってくれていました。ニンジン作戦で、この教本が終わったら好きなものを買ってもらえるとか。
筆者:大人になってから、お仕事もお忙しい中で、続けるコツはありますか?
石川:今は、アマチュアのオーケストラに所属していて、定期演奏会が年2回あります。それに向けて、週2回は30分~1時間ほど練習しています。気持ちの切り替えができ、リフレッシュになります。幼馴染に聞くと、音楽教室に通って週1回でも習いに行ったり、お子さんが学校に行っている間に練習しているそうです。
筆者:続けるために「定期的」なものを組み込むことは大事ですよね。私も、土日や夕食後など、少しずつでもピアノを弾きたいです。ワインについても知りたいです。以前は、ワインについての資格取得も目指されていたとか。私の夫は、下戸で全く飲めず、私も子育てや授乳もあり、ほとんどお酒は飲んでいませんでしたが、おすすめのワインを教えてください。
石川:ワインの魅力は、同じ品種のぶどうでも産地や畑によって全く味が違います。飲み比べるとよくわかります。私は割と、イタリアやスペインのワインが好きです。フランスはすごく王道系のワインが多い中、イタリヤやスペインは果実の香りが強い品種が多いので、気に入っています。スペインのリオハ産のワインは美味しいと思います。
筆者:私のような、ほとんど初めての人におすすめするとしたらどんなものがありますか?
石川:初めてだったら、飲み比べができるのであれば、ワインは750mLが普通サイズなのですが、375mLの方を買えば、ひとりでも飲みきれる量だと思います。
赤ワインなら、「カベルネ・ソーヴィニヨン」と「メルロ」の組み合わせ。
白ワインなら、「シャルドネ」、「ソーヴィニヨン」、「ブランソーヴィニヨン」の組み合わせ。カルディ、イオンリカー、成城石井などでも売っていますよね。750mLで1500円ぐらいのものであれば、いいものが買えると思いますよ。
筆者:ありがとうございます。美術館にも足を運ばれるとか。
石川:はい。仕事で独立した頃、もうちょっとゆっくり休む時間が欲しいと思うようになり、仕事の合間に上野の美術館に訪れたりしています。あとは六本木の森美術館、清澄白河の東京都現代美術館、渋谷にも色々ありますよ。
筆者:最近、好きなアーティストの方はいらっしゃいますか?
石川:江藤玲奈さんです。もともと日本画を勉強されていて、現代アートというか。作品を作る時に、針金などで立体モチーフを作ってから作品を作られていて。恐竜の骨などがモチーフで、それが絵になったり。星座を描かれたり。面白くて、強烈に引き込まれます。
筆者:最後に、40代の女性で、これから仕事や子育て、趣味を楽しくやっていきたいという方へメッセージをお願いします。
石川:キャリアチェンジを考えている方は、「今だ!」と思ったらその時だと思うんです。転職や独立には期限がないのでズルズルしてしまうこともありますが、やりたいと思えば実現できるものです。私自身、独立当初は大変でしたが、何とかなりました。そのためにはまず、自分のための時間をキチンと確保するところが大事です。そして、ご家族の協力も大切なことですので、日ごろからよくご家族の皆さんとコミュニケーションを取って、協力を得られる体制を作っていってください。
筆者:今後の目標は何ですか?
石川:そうですね、仕事やヴァイオリンやワインのことなどをウェブでもっと情報発信していきたいです。これだけコロナで直接お会いすることが難しい中、情報を発信する力は大事になってくると思います。
筆者:今日のお話の中で、私自身も調べたり、試してみたいことが増えました。貴重なお時間、どうもありがとうございました。
石川:ありがとうございました!
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後日、筆者はさっそくワインを購入。
近くのスーパーで探したが、375mLはなかなか売っていなかったので、Amazonで調べて、
「ヴァルグラン プレミアム メルロ アルディッシュ [ 赤ワイン ミディアムボディ フランス 375ml ]」と
「ヴィッラヨランダ モスカートダスティ / サンテロ」を購入。
以前、宣伝会議主催の編集ライター養成講座で、ウェブライダーの松尾茂起氏がワインのメディア『美味しいワイン』を紹介されていたことを思い出し、そのサイトも参考に購入した。
メルロは、辛口とあったのですこし苦みがあったが、「ヴィッラヨランダ モスカートダスティ / サンテロ」は甘くて、すぐにハマってしまった。毎日でも飲みたい。Momaのグッズも素敵。ピアノも子どもがハマっている鬼滅の刃のオープニングを練習中。少しずつでも続けたい。
今回、新しい発見をたくさん教えてくれた石川さん、ありがとうございました。
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石川さん写真:カメラマン・平野徹さん
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