「写真することが楽しい」美術館と日本海の山陰旅行記〜島根編①
2023年の長い長い夏の終わりがやっと見えてきた10月下旬、島根県から鳥取県にかけて旅行しました。私の住む熊本からは、新幹線と特急を乗り継いで向かいました。
私の旅のスタイルは次のようなものです。
一人旅
閑散期の平日
車の運転はできるが、あまりしたくない
身体が不自由ではないが、体力はあまりない
お金はなくはないが、贅沢できるほどではない
自然を見るよりは、歴史と文化を楽しみたい
旅行するから写真を撮るのではなく、写真を撮るために旅行する
一番行きたかった場所は「植田正治写真美術館」です。大山の麓で12月から2月末の冬期間は休館するというので秋のうちに行きました。
ここを中心に行きたい場所をリストアップしたところ、美術館を中心に歴史も巡る今回のコースになりました。
写真は全てRICOHコンパクトデジカメGRⅢで撮影しました。
新山口駅(山口市)
熊本駅から新幹線で新山口駅に行きました。新山口駅発の特急列車「スーパー隠岐」の時間までランチしたり構内をウロウロ撮り歩きました。
構内の船方農場カフェFUNAKATA FARMでランチしました。おしゃれな店内で軽い食事をとるにはぴったりの場所です。チーズケーキは絶品です!
俳人・種田山頭火の出身地の近くということで銅像やパネルがありました。43歳のときに出家してからは行乞しながら俳句を作っていたそうです。なんとなく破天荒な生き方なのは知っていましたが調べてみると、59歳で句会が開かれているときに亡くなったそうです。前日は酒を楽しみ、当日は脳溢血の症状でいびきをかいていたそうで、人生は波乱万丈だけど終わり方は最高だなぁと思いました。
出発時間が近づいたので改札に入って、スーパー隠岐の指定席に座りました。2両編成で車両ごとに自由席と指定席に分かれています。事前に「海を見るならD席」ということを調べていたのですが益田市までは海が見えず(笑)、それはそれで日本の里山の風景を楽しめました。
島根県芸術文化センターグラントワ(益田市)
益田駅から一旦ホテルにチェックインしてからグラントワまで歩きました。グラントワは建築家の内藤廣さんの設計で島根県立石見美術館と島根県立いわみ芸術劇場の複合施設です。内藤さんの過去最大規模の個展「建築家・内藤廣BuiltとUnbuilt」の開催期間に合わせて訪問しました。
もう本当に、建物が素晴らしすぎました!
屋根と外壁はこの土地特有の「石州瓦」を使用しています。陶器瓦なのでものすごい重量ですが、耐久性に優れ色褪せもしません。光沢のあるオレンジ色の瓦は、天気や太陽の角度によって見え方が変わり、剛健でありながら暖かみを感じます。
入口の赤い扉は車の赤い色を参考にされたそうです。赤にもいろいろなトーンがありますが、車に使われる赤は「多くの人が好む赤」なので、サンプルを取り寄せて今の扉の色に決めたそうです。
中庭は水盤になっています。立ち入り自由で、子どもたちが水遊びをしたり、水を張らずにマルシェのようなイベントすることもできるようです。
閉館時間を考えて、内藤廣さんの個展会場に入りました。
展示は図面や模型だけでなく、その時の内藤さんの心の中におこる葛藤を「感情的で放蕩な赤鬼」と「論理的で冷静な青鬼」が対話する形式で作品解説をされていました。図面や模型を見ながら作品解説を読むのはかなり頭を使いましたが、「あの作品もこの作品も内藤さんだったんだ」と感嘆しました。
現在進行中の建造物やコンペで落選したものも惜しみなく展示されていて、12月4日で終わってしまいましたが、とても素晴らしかったです。
美術館の閉館まで鑑賞して、グラントワ館内を撮り歩きました。
時間ごとに変わる石州瓦の美しさに魅了され、日が落ちて照明がつくまで館内にいました。たくさん撮ったので項目を分けて写真をアップします。
グラントワ写真集
MOSCOS HOTEL(益田市)
益田市で泊ったのはMASCOS HOTELというクラフトタイプのホテルです。駅にも近くビジネスホテル並みの宿泊料なのに、モダンでオシャレでしかも温泉まで併設されています。部屋は土間になっていてベッド周りを素足で過ごせるのも快適でした。
益田駅から出雲市駅
2日目は特急列車スーパー隠岐で出雲市駅に向かいました。「海を見るならD席」と言うことで事前に予約していて大正解!天気も良く順光で見る日本海の青さ、石州瓦の並ぶ町並みはとても美しかったです。
約1時間半で出雲市駅に着きました。ここから一畑電車に乗って出雲大社に向かいました。長くなったので、次のnoteで続けます。
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