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こんな負け戦で死ぬのは嫌だ

8月になると戦争の話題が多くなるので

ウンザリする人も多いことでしょう。

わたしもそうです。

ただ、私の場合、ウンザリする理由は、

1.左翼的反日思想に傾倒する人は日本たたきをする

2.右翼的愛国思想に傾倒する人は特攻隊をはじめとする

  戦士を「勇者」とのみ美化する

この二点にあります。

なぜ思想をベースに観ようとするのでしょう。

それでは、多くのことが見えなくなります。

特に、二十歳そこそこで特攻戦死した若者たちを

「勇敢立派な若者」とのみ位置づけるのは

私には耐えられない。

遺書だけでは解らないことがたくさんあります。

検閲があるから、遺書には勇敢なことしか書けません。

だから私は彼らが残した日記をあたりました。

そこには、極めて複雑な心情が語られていて

自分たちが逝けば国が救われる

などという簡単な思考などひとつもなかった。

大学で、文学や哲学を学んだ人たちです。

そんな単純な思考であるわけがないのです。

戦争を知ろうとする時、

自分の主義主張や思想といった「色眼鏡」は

捨てないとならない。

そうして初めて、ほんのわずかに

彼らの苦悩に触れることが出来ると私は思っている。


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石川真理子
みなさまからいただくサポートは、主に史料や文献の購入、史跡や人物の取材の際に大切に使わせていただき、素晴らしい日本の歴史と伝統の継承に尽力いたします。