第二回 福井歴史探訪の旅~2017年取材の記録~後編
福井歴訪の二回目となる2017年8月、コミック版 日本の歴史「松平春嶽」での取材記録・前編に引き続き、後編をご紹介します。前編は三國神社まででしたが、その後も三国湊の散策は続いたのでした。
ていねいでわかりやすい案内板のおかげで次の取材場所もばっちりです。
旧森田銀行本店の建物がきれいな状態で保存されていました。もちろん、中も当時の面影そのままで、これはのちにコミック版 日本の歴史「渋沢栄一」で明治初期の銀行を描いたときにも大変役に立ちました。(「渋沢栄一」第五章より)
旧岸名家の家屋です。こうして往年の姿を保ち続けるには相当な維持費と労力が必要です。日本各地にこうした街並みが残されているのは本当にありがたいことだとあらためて感じ入りました。
瀧谷寺(たきだんじ)も歴史ある古い建造物が残されていますが、自然の地形を利用した庭園もまた素晴らしいです。
北上して吉崎御坊跡へ。この門をくぐって少し歩くと小高い丘の上に蓮如上人の像が建っています。ここもまた歴史的な建造物が多く残されており、作画の参考になりました。
福井市内に戻って最初に訪れたのがこの「丹巌洞」です。ここは福井藩医・山本瑞庵の別邸で、幕末には春嶽公や橋本左内などの名士が交流した場所として使われていたそうです。(「松平春嶽」第一章より)
二階部分は窓がない空間で、密談するには最適な環境だったと思われます。
この場所はもともと笏谷石の採石場跡だったらしく、洞穴には景岳(左内)先生の像が安置されていました。(「松平春嶽」第一章より)
庭園も心落ち着く趣のある場所でした。苔生し方がいいですね。この後、瑞源寺も見学しましたが、外観の撮影を失念しておりました。
福井城址(福井県庁)内から見た御本城橋(右端)です。
天守台から石垣と堀を撮影しました。向こうに見えるのは小学校です。
当時、まだ復元中だった御廊下橋と山里口御門です。復元後に筆者の描いたキャラクターが語るディスプレイが展示されました。(「松平春嶽」第一章より)
こちらがその元になったイラストです。(左から橋本左内、町娘、松平春嶽、由利公正、梅田雲浜)©2018 Takeshi Nakashima. 福井県
旅の最後は福井神社です。ここは春嶽公が祀られており、銅像が建てられていました。(「松平春嶽」カバーイラストより)
今回は敦賀からあわらまで南北にわたって案内していただき、とても内容の濃い取材ができました。たくさんの出会いに感謝しつつ、このたびの取材にご協力いただいた関係者の方々に御礼申し上げます。
さて、次はいよいよ福井取材記の最終回です。
【第三回 福井歴史探訪の旅~2018年取材の記録~ に続きます】