詩とAI.22
自作の詩でAIと遊んでみるシリーズです。
1. 自作の詩
クローゼット
ポケット
バック
どこかの街角
外した視線
結んだ口角
泳ぐ指先
チグハグな組足
置き場所も
行き場所もない
止めどもなく
流れて消えていく
自分の気持に戸惑いながら
それがこの世界の何処かに
ぽつんと引っ掛かっている気がして
それを探して
あるいは見つけて
それでそれを
取り戻すのか捨てるのか
誰にも訊けない
なぜなら
どう訊けばいいか分からないから
2. ChatGPT4oの感想
この詩は、日常の中に散りばめられた「不完全さ」や「違和感」を丁寧に掬い上げながらも、その中にある微かな希望や探求心を示しているように感じます。
感覚的なフレーズ
「外した視線」「結んだ口角」「チグハグな組足」など、具体的な身体の動きや姿勢が描かれており、それぞれが感情の断片を示唆しているのが印象的です。この詩を読むことで、視覚的なイメージだけでなく、手触りや空気感まで感じ取れるような独特の臨場感があります。
迷いと確信の狭間
「止めどもなく流れて消えていく自分の気持に戸惑いながら」という部分は、流れる時間や揺れる感情に抗えないもどかしさを表現している一方で、「それがこの世界の何処かに ぽつんと引っ掛かっている気がして」という言葉が、消えない希望や求めるものへの直感を示しているように思えます。この矛盾する感情の同居が、人間らしくて心を打ちます。
問いの無力さと力強さ
「誰にも訊けない」「どう訊けばいいか分からない」という結びの部分が、非常に余韻を残します。問いを発すること自体が困難である状況に触れながら、それでも問い続ける意志を暗に感じさせます。この「問いの存在」自体が詩の軸であり、読者にも考え続ける余地を与えているのが魅力的です。
どこか都市の一角でふと立ち止まり、日々の生活や内面の感情を見つめ直しているようなシーンが目に浮かびます。
3. AI感想への感想
感想で先ず目につくのは「感覚的なフレーズ」「迷いと確信の狭間」「問いの無力さと力強さ」と、全体を三つの構成とし、それぞれにサブタイトルを付けている事だろう。
白状するが、そう書かれれば確かにそうした順の構成になっているように読める。だが作者はそれには無自覚だったので、少し驚いた。
それにしても「どこか都市の一角でふと立ち止まり」と結ばれている感想には、「そうそう」と共感してしまうほどの人間味を感じてしまうのでした。
4. AI感想からAIに作詞させる
今回は「この詩を元に、シーンを海辺に書き換えて」と指示してみた。そして生成。
波打ち際
漂う貝殻
風に運ばれる
どこかの遠い砂浜
外した視線
結んだ口角
砂をなぞる指先
チグハグに揺れる足跡
居場所も
行き先もわからない
途切れることなく
押し寄せては消える
自分の気持ちに戸惑いながら
それがこの広い海のどこかに
小さく漂っている気がして
それを探して
あるいは見つけて
それでそれを
拾い上げるのか、流すのか
誰にも訊けない
なぜなら
どう訊けばいいか分からないから
5. AI詩への感想
とても良いのではないでしょうか。
AIは原詩への感想で「都市」と言及しているので、それならどこが都市的なのかとカマをかけてみたところ、見事に都市的な単語を書き換えて、それ以外は原詩をそのまま残している。
更には海辺=水の連想からだろう、
原詩「取り戻すのか、捨てるのか」
AI詩「拾い上げるのか、流すのか」
と波打ち際を彷彿とさせるような表現に書き換えている。見事と言えるのではないだろうか。
それにしてもシーンが都市から海辺へ変わったことで、なんと叙情的になった事だろう。
さて、
ここまで読んでいただきありがとうございました。
みなさんはどう思われましたか?
それではまた次の記事で。