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9/6-8 夏の終わりをFerraraで。

イタリアの夏休みは長い。
その夏休みの終わりが近づいてくる9月初旬。
暑さから逃げてリフレッシュした人たちが戻ってくる。
すっから感だった街に、少しずつ日常が還ってくる。

そんな夏の終わり、学校に子供たちが戻る前の最後の週末、我が街マントバでは恒例イベントが開催される。
Festivaletteratura という、イタリア国内でも有数の文学フェス。
街中にドッと活気が戻ってきて、
「さて、また新年度が始まるぞ」という気持ちになる。

でも今年はそんな人混みを避けて、フェラーラへ。
じゃなくて、家族向けイベントEstateBambiniでのお仕事です。
なんと30周年という記念すべき年だったようで、
これまでに縁があったアーティストが様々呼ばれていた様子。

メイン会場は、Parco Massariという市街地では一番大きい公園で、4ヘクタールの敷地だとか。
そこかしこに、木製のいろんな外で遊ぶおもちゃだったり、読み聞かせコーナーやワークショップスペースだったりが並び、まるで夏祭りの出店のよう。参加費は無料。

我が家のおじさんの目玉は、こちらのインスタレーション、手押し(エコ)メリーゴーランド!
インターンと思われる大学生たち?のような若者たちが、2日間、頑張って押してくれました。

手押しメリーゴーランド 2台

金曜、土曜は天気にも恵まれましたが、残念ながら日曜日は朝から雨模様。
仕事は3日間の予定が2日間になってしまったものの、久々のフェラーラを満喫。

9/6(金)

午前サマースクール終わりの娘と私は電車で到着。
そういえばこのTeen女子向けデジタルコースのサマースクール、無料だった上に、自分で好きなイラストを選んでTシャツにするというもので、意外と出来の良いTシャツを持って帰ってきました。

マントバからフェラーラというのはなかなか可愛げのない旅で、普通列車でどんぶらこ。
まるで青春18切符のような旅。
その上特に刺激的でない平坦な風景が続く…。はぁ。
もう少し距離短縮できる乗り換え方法もあったものの、乗り換えが10分程度だと、イタリア列車のスケジュール感では怖すぎて選択できない!!!
(乗り換えを逃すと、1時間くらい待つ羽目になることをもう何度も繰り返してきたイタリア生活)

なかなかの迂回旅

約2時間半の鉄旅、どれだけ遠いのよ!と思いますが、ここはイタリア。
車で直線距離であれば約90km。
でもまたこれも可愛げがない道なのだ…
荒れ果てたウェスタンな感じの一般道(速度監視カメラ付)をひたすら心を無にして進まねばならないという試練。

そんなこともあって、隣接県ということもあり、文化的にも距離的にもそんなに遠くないはずなのに、
そして、そもそも、マントバの中世の栄華は、
フェラーラから嫁いできたエステ家のイザベラさんのおかげでもある…のに!
車にせよ、電車にせよ、じんわり遠いのだ…

さて、この日は到着して、駅から公園まで歩いて疲れたので、割とすぐご飯へ。なんと、ラーメン。
ハリボテのような内装や、メニューなどのおもしろイラストなどがツボ。
店員さんはイタリア人の兄ちゃん。

満足げな人

細めの麺で美味しかった〜
最近実はイタリアでの方がラーメン食べてるかもしれない(あれれ?)けれど、その中では一番美味しかったような。
(で、翌日も食べに行ってしまい… おまけまで!)

その名も、Ichiban Ramenでした〜。笑

夜は、我が家のおじさんの公演に続き、
トップの写真↑の公演の連続2本立てで
(これらも無料)
きっと子供たちはぐっすり眠れたことでしょう。

9/7(土)

ダリオ氏の仕事は午後から、ということで、午前中は街中をふらふら。
いい天気で、レンガの色が映える!

左が劇場、右はエステンセ城。

エステンセ城(Castello Estense)、中には入ったことはありませんが、マントバのサンジョルジョ城のように、お堀(水)に囲まれています。
偶然の一致かと思えば、どうやら同じ人が設計したそうです。
エステ家お抱えのBartolino da Novaraさんによるもの。

しかし… 歩いていると…
人が多くてもうダメだ… 早いけれど、とりあえず座って待っていようということで、お昼を予約したOsteria del Ghettoへ。
80云歳という元気そうなおじさんが、外の席の準備をしている。

「全くね〜、12時半開店っていうのに、まだ来ないんだよねぇ
 友人の息子を雇ったんだけど
 全然ダメでねぇ 雇うもんじゃないねぇ
 あ、ほら僕ら知り合って40年経つけど…
 (と通りかかったおばさんをつかまえて話に花を咲かせ始める)」

というおじさんもユダヤ系なんでしょうか。

手は止まったものの、お喋りが止まらないおじさんの相手をしていると、自転車に乗って、だいぶお年を召された老婦人が現れた…!えええ働くの?!

結局このお婆ちゃんが全て用意してくれたけれど
手がプルプルしてるし、心配になるーーー!
わ、お皿持ってコケてる!
いつまで持つかなぁこのお店、、

メニューは、フェラーラ郷土料理とユダヤ料理。
私はスズキ系のお魚のロースト。美味しかった〜!

鶏じゃなくてお魚です

ダリオ氏は、
ホロホロ鳥、梨、シナモンとサフランという逸品。
ユダヤ料理だそうですが、こちらもペロリ。

午後は、お仕事。
気になっていたMolino Rosenkranzの催事を見る。

2時間半ぶっ続けで司会する人もすごい…

なんかすごいわ 
COLORSPLASHというだけあってスプラッシュ…
そしてこれをフェラーラ市役所の前に飾るとか、飾らないとか。
うーむ 

サステナビリティ云々言ってると、
この企画の意図が難しい
プラスチックカップに絵具入れて(リサイクル不可)投げる!
という行為の意味が…

ま、子供たちは禁断の色投げ!
なんてできて楽しかっただろうね〜

夜は、STILEMAの作品を見に行こう!
ということで、公園近くのバーで夕食。
(私たちは早めにラーメン食べたし 笑)

これが侮るなかれ、、なかなかハイクオリティ。
というか、ナチュラル系ワインのセレクトが良く、
私はリグリア地方のSanta Caterinaのロゼ。
その横で、なんだかすごいワインを満足げに飲んでいる人が!!!
Cantina AlchemicaOrocoro白
幸せそうで何よりでした〜

9/8(日)

残念、雨です。
ということで、ダリオ氏は撤収作業。

私は娘と公園の横にある、フェラーラ出身の映画監督、ミケランジェロ・アントニオーニのアーカイブも兼ねたSpazio Antonioniへ。
モランディサイ・トゥオンブリーの企画展も開催中。(小さいながら着眼点がはっきりしていて見やすかった)

こういう静物の対比から
アントニオーニ画の山の絵にすんなり続いていくのが
とても面白かった
アントニオーニによる山々の絵

映画に興味のない私は、アントニオーニって全然聞いたことスラなかったのだけれど、イタリア人にとってはかなり身近なようで、あぁそういえばフェラーラ出身だね。と。
デビュー作?はポー川を扱った短編ドキュメンタリーのようで、長編も色々撮っていて、同時代の様々なアーティストや文化人との交流があったことが分かる、とても良い展示だった。インドや中国の短編ドキュメンタリーも非常に良かった。

いろんなお手紙があったけれど、カルヴィーノ様のものもあり、きっと仲がよろしかったんでしょうが、細かく意見を申していて、まだ読み終えていないアメリカ講義のことをチクチクと思い出したのでした。

カルヴィーノ氏より

確かアーティストのポモドーロ氏が書いた「賞が取れなくておめでとう!賞」を贈る手紙もあって、お茶目だなぁと笑ってしまった。
イタリア文化に詳しくない私には非常にタメになる展示でした。

お昼は友人達と、Ghetto方面へ。
お目当てのトラットリア、Trattoria da Noemi へ。

前日に通りがかって撮った写真は晴れ!
奥にはインディペンデント系映画館

メニュー1ページ目はレストランの歴史。
トラットリアの名前に入っているNoemiさんは現在のシェフのお母さん。
フェラーラ郊外の農家に生まれ、兄弟の多い家だったので、若い頃はジェラートを作って街に売りにでて、子供ができて、オステリアを営むようになり… いつしかフェラーラ市内へ…
という、つい皆が読みたくなる素敵なストーリーが。

ラザニア美味し。

そんなトラットリアのラザニア、美味しくないわけがない〜!
どうやらB&Bもやっているようなので、
次回のフェラーラ滞在はここに泊まれたらいいなぁ
朝ごはんが楽しそう!

というわけで、良いフェラーラ滞在でした。

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