短編小説 「分岐点」最終日

文化祭当日
私のクラスはお化け屋敷
なので当番の時間以外は基本的に
空いてる、お昼の時間帯が私の当番だった
午前中の空き時間は友達と回り
午後は彼氏と一緒に回る予定になっていた
特に事件らしい事件も無く文化祭は
無事に終わり家に着いた
家に着いてから事は起きた
LINEの通知が入っていた
彼氏からだった

「漫画を描くのをやめて欲しい
 辞められないなら……
     別れよう」

衝撃の内容だった、
すぐには決めれそうにもなかったので
文化祭が終わるまで待ってもらう事にした。
でも、最近は漫画家になれる気がしなかった
新人賞にだす、原稿も話が決まらず全然進んで
いない、正直才能が自分には無いんだと思い始めた
天才だったら二つとも選べるが私はそうではない
どちらか一つに決めないと……
そんな事を考えながらいつの間にか眠ってしまった

文化祭最終日
朝一の当番を終えて
考え事をまとめないといけなかったから
一人でのんびり文化祭を回っていた
一通り見終わった私は行き場が無く
屋上に向かっていた
屋上には人が誰も居なかった
体育館から響く音楽が心地よく
快晴の天気は頭をクリアにしてくれた

「懐かしい」

独り言を思わず呟いてしまった
届く音楽は昔の人気アニメの主題歌だった
このアニメは漫画が原作で
私が漫画家を目指すきっかけをくれた作品だ
初めて見た時の感動は今でも忘れなれない
特に主人公が夢を叶える為に全てを
捨てて努力する所が私は大好きだった 
私の中では結局答えは初めから決まって
いたのかもしれない

♢♢♢

「大学来るの久しぶりじゃん最近は余裕あるの?」

「学校来る余裕はどうにかって所かな」

「友達が大先生になると誇らしいよ」

「まだまだだよ」

「いやいや、私どれだけ泣かされたか」

「ありがとう」

私の漫画は映画化される位には有名になった
高校生の私が聞いたらビックリすると思う

「それより聞いた?カメラの話」

「何それ、全然知らない」

「動かないカメラがあるんだけど
そのカメラ過去に動画が送れるらしいんだって」

「何処にあるのそのカメラ?」

「映画サークルの倉庫にあるらしいけど」

「ちょっと行ってくる」

「え、ちょっと本当かどうか分からないよ」

私は話を最後まで聞かずに向かっていた
そのカメラの噂が真実かどうかは見れば
分かると思った

「ブンブンハーローYouTube
     私が君に嬉しい情報を届けよう」

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