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2019年9月の記事一覧

「一万円選書」当選物語:#5『横道世之介』

 私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。今までのnoteはマガジンにまとめていますのでよろしければどうぞ。 ***  5冊目は吉田修一著『横道世之介』。  主人公は、大学進学のために長崎から上京した横道世之介18歳。地元を離れ、進学・就職したことのある人なら誰しも「こんなことあったな」、「この気持ち覚えてる」と思えるようなそんな小説。  中国語でも出版され、映画化もされています。映画の出演陣は高良健

「一万円選書」当選物語:#4『チーム』

 私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。今までのnoteはマガジンにまとめていますのでよろしければどうぞ。 ***   4冊目は堂場俊一著『チーム』。テーマはタイトルの通り、『チーム』について。文庫本の紹介文を引用します。 箱根駅伝出場を逃した大学のなかから、予選で好タイムを出した選手が選ばれる混成チーム「学連選抜」。究極のチームスポーツと言われる駅伝で、いわば"敗者の寄せ集め”の選抜メンバーは、何の

焦がれ続けた夢、叶う瞬間の静寂

 夢が叶う瞬間はいつも静かだ。叶うまでは、そわそわしたりどきどきしたりするのに、夢が叶う瞬間はいつも心がしんと静かなのはなぜだろう。 ■15年近く好きなひと 先日、私の人生の夢がひとつ叶った。夜の下北沢で。かれこれ15年近くファンの作家・江國香織さんに会いに行くという夢が。本屋B&B主催の江國さんの新刊『彼女たちの場合は』刊行記念のトークショー。  熱狂的にすきな作家やアーティストがあまりいない私。でも江國さんは別。どのくらいすきかというと、江國さんの長編小説やエ