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国語「たずねびと」✖Canvaポータルサイト✖Padletによる主体的対話的な学び

私は江戸川学園取手小学校という茨城県の私立小学校で、国語の教科担任、ICT担当として指導を行っています。最近はCanva、Padletを中心に、子どもたちが主体的・対話的に学ぶことができる手法を研究しています。

今回は5年国語の物語文「たずねびと」の授業で、Canvaで作成したポータルサイトとPadletによる交流活動を行いましたので、その実践を紹介します。

Canvaでのポータルサイト構築

Canvaでは、難しい手順等はほぼ必要なく、自分が作成したコンテンツをWebサイトとして公開することができます。
今回はこのCanvaの「Webサイト」作成機能を使い、物語文「たずねびと」の学習を進める際に子ども達の学びの過程や使用するツール、資料などをひとまとめにし、主体的に学習を進められる「学びの入り口」となるポータルサイトを作成しました。

たずねびと学びの入り口ポータルサイト👆クリックで確認できます。

このポータルサイトには、使用しているデジタル教科書へのリンクや、意見の共有を行うためのPadletへのリンク、毎回の板書の記録、授業で使用するワークシートなどのリンクとともに、学習の計画が一覧としてまとめられており、子ども達はこのポータルサイトにアクセスすることで「たずねびと」の学習に必要な情報に自分たちのペースですべてアクセスすることができます。

はじめの感想をCanvaで作成

Canvaで作成した感想の原稿用紙。
学習前と学習後を比較できるとともに、ルーブリックで自己評価ができるようにした。

まず物語を聞いて初発の感想を書かせました。原稿用紙のデータはCanvaを用いて作成し、学習前と学習後を比較できるとともに、ルーブリックで自己評価ができるようにしました。評価基準としても、この感想が学習前と後でどれだけ変容したかを子ども達自身も感じてほしいためこのような形で制作をしました。
このデータをPDFにして印刷して手書きで書かせるだけでなく、Canvaのブランドテンプレートとして子ども達に共有し、Canva上で入力できるようにも工夫しました。
手書きかICT活用か、人によって得意不得意があることを考え、自分が一番取り組みやすい学習方法を提供できるような体制を整える、個別最適な学びの実現を意識した取り組みとして基本的にどちらも選択できるようにしています。

Padletを使った意見共有と交流活動

次に、児童たちが物語の理解を深めるために、Padletを使って意見を共有する活動を行いました。まず、物語の各場面で綾が出会った人物や出来事について、自分が感じたことや疑問に思ったことをPadletに書き込み、クラス全体で共有します。これにより、児童たちは他の児童の意見に触れ、自分の考えを深めていくことができました。

たずねびとの問いの共有。
自分の疑問を教室内の児童みんなで共有し解きあいながら読みを深める。

また、グループトークの際にもPadletを活用し、それぞれが持っている質問や考えを自由に書き込むことで、活発な対話が生まれました。各グループが発表した内容をリアルタイムでPadletに記入し、それをクラス全体で見ながら意見交換を進めるという流れを取り入れることで、児童全員が主体的に参加できる環境が整いました。

特定の問いについてグループトークをPadletで共有

主体的・対話的な学びの実現

このようにCanvaとPadletを効果的に組み合わせることで、児童たちはただ授業を受けるだけでなく、主体的に学び、互いに意見を交わしながら深い理解を得ることができました。また、ICTツールを活用することで、児童たちは自分のペースで学びを進めることができ、個々の学習スタイルに応じた支援が可能となりました。

子ども達の授業後アンケート
授業後には今回の学習方法について子ども達にアンケートを行いました。
一部をご紹介します。

「padletによる意見交換が分かりやすかったです!なぜかというと、なかなか問いが生まれず大変だった時に,padletを見て問いのヒントがもらえるからです。」

「ポータルサイトではいろいろなサイトがポータルサイトにあるのでそこに入ればすぐに見つかるから楽にできてよかった。交流広場など色々な人の意見も聞けて自分の意見もまとめることができたのですごくよかった。そして自分の意見を書いた後もほかの人がコメントをできるようになってるので自分の問いが解けることができる」

「Canvaによるポータルサイトで整理」がとてもやりやすかったです。今後の授業でも使いたいです。「Padletによる意見の交流」もよかったです。現実でやるとついつい仲が良い子と意見の交流をしてしまうけれど、Padletだから、いつもしゃべらない人のところにも意見を入れることができました。

「・Canvaによるポータルサイトで整理
いつどこを開くか分かりやすい。見やすい。やりやすい。ポータルサイトがあることで、すべてのサイトに行ける。
・小仲井先生が撮ってきた実際の写真を見る
本物の写真があることで、原爆供養納骨名簿が分かりやすい。
・Canvaの原稿用紙で感想を書く
紙でもCanvaでも、どっちでもいい。でも、Canvaは、自動保存してくれるから、パソコンさえあればいい。」

「padletによる意見交換がすごく楽しかったです。またいつかやってみたいです。今回取り上げられてた「川」と「ポスターの名前」についての対比の授業はすごく分かりやすかったです。今回の授業では自分の意見を出す場面が多かったので個人的にはうれしかったですポータルサイトはしっかりまとめられていてテスト勉強とかには使いやすそうなのでできればまた次の物語とか説明文でもポータルサイトでまとめてもらえたらうれしいです。」

全体の子ども達の感想をChatGPTに分析させたところ以下のような分析結果でした。子ども達がこの学習に対して前向きな反応を示していたことがうかがえる結果となりました。

今回の子ども達の感想をChatGPTで分析。肯定的な意見が多かった。


今後も、こうしたデジタルツールを取り入れた授業をさらに発展させ、子どもたちが主体的に学びを深められる環境づくりを進めていきたいと思います。

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