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こんにゃくと、共に

毎年年末に、母方の実家へ帰る。
私はその家の台所が好きだ。特に年末の台所。
暗く、辺りはしんと静かで、ラジオから名前の知らない歌謡曲が流れる空間少し足の冷える台所で、祖父と祖母と晩御飯の準備をする。

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私は特にこんにゃくが大好物なわけではない。
だが毎年帰省すると、祖父母は、
ゆきちゃんの大好きなこんにゃく、炊いといたよ。
とこんにゃくを勧めてくれる。
そんなこと言うたっけ、と思いながら、力なく
ありがとう、と言い口に運んだ、そんなこんにゃくの印象。

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今年年末は、帰れなかった。
会えなかったし、一緒にご飯を食べることも、もちろん出来なかった。
普通に家で年末を過ごし、迎えた新年。祖父母からの小包が届いた。
入っていたものは、お年玉と、私の就職祈願のお守り、わざわざ神社へ行きもらってくれたらしい、あとこんにゃく。
家族はまたこんにゃくか、と笑っていたが、私はふっと涙がこぼれそうになった。

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祖父母ももう80歳を超える。
新年を迎えて喪中はがきが1枚2枚送られてくるたびに、人の命の限りを思い知る。
笑顔でご飯を囲めることもありがたい。

大切にしないと。

2019年は周りの人を大切に。

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