エベレストのてっぺんに貝の化石?
こんにちは。
今回は仏教における諸行無常についてお話してみたいと思います。
仏教では三宝印とよばれる大切な教えがあります。具体的に述べると諸行無常・諸法無我・涅槃寂静という教えです。
このうちの諸行無常についてであれば一度は耳にされたことがあるかもしれません。諸行無常とは改めて説明させていただきますと
「諸々すべての物事については絶えず変化・生滅している」という教えになります。それは物であっても人であっても、感情であってもすべてのものが変化し、生まれては消えてを繰り返しています。
さて少し話が私ごとなりますが、実は私は大学において地球科学を勉強していました。地球科学は大変面白く、大学院に行ってまで研究するほどでした。大学では地球科学に関するたくさんの授業を受講しましたが、ある教授の授業において「実はエベレストの頂上には石灰岩が露出しているところもある」という話を聞きました。
「石灰岩…中学校か高校でならったことがあるような…」という方も多いと思います。この石灰岩はどういった岩石なのかというと、貝の化石やサンゴなどが固まってできた岩石のことです。つまりこの貝の化石やサンゴが集まった岩石の地層がエベレストの頂上にはあるということです。
勘の鋭い方ならもうお気づきかもしれませんが、エベレストの頂上にこの石灰岩があるということは、かつてエベレストの頂上付近には貝やサンゴができる環境が整っていたということになります。つまりエベレストの頂上はかつては海底だった時代があるということになります。「えっ、世界一高い山の頂上が海の底だったの?」と驚かれるかもしれませんが、おっしゃる通りエベレストは海底だった時代があり、石灰岩が産出するということが何よりの証拠になります。
私もこの話を聞いたときは大変驚いたとともに、ますます地球科学が好きになりました。
仏教から地球科学へと話が飛びましたが、エベレストでさえ、海底から世界一高い山へと姿を変えたわけです。動くはずがないと思っている巨大な岩体でさえ長い目で見れば絶えず変化しているわけですから、私の肉体がいつまでも同じ形であるはずがないと気づかされます。また人の感情はもっと変わりやすいかもしれません。なのであまり小さな失敗についてはくよくよ考えすぎない方がいいかもしれません。自分以外の人は思っている以上に気にしていないでしょう。
諸行無常とはこのように「諸々すべての物事については絶えず変化・生滅している」という教えになります。