あなたのことばのファンです
「ことば」に、その人のひととなりが表れると思っている。
最近、あるツイートからブログを読んで、
「はっ!このことばの選び方や文章、とっても好きだ…!」と思った。
それがこちら。
このツイートは、横浜の個人書店さんの「本屋 象の旅」さんが、「本は港」というイベントに参加されたことに関して、店主さんが書いたブログの紹介だった。
文章を一部だけご紹介する。
こんなにもていねいに来てくれた方々への御礼、
運営スタッフの方々への感謝とねぎらいの言葉に加えて、
店主の方ご自身が思ったり感じたりされていること、
そんな気持ちたちをていねいでやわらかく、ここちよいと感じることばで書かれていることに、読みながらひとり勝手に感動してしまったのだ。
細かいところだと、
「ほんとうに感謝しかございません」で、
「ほんとう」をひらがなにするか、「本当」と漢字で書くかも、
意識するしないはともかくとして、その人が出ると思っている。
加えて、「いちばんの反省」をひらがなで書いていたところに、「あ、わたしもこの書き方好きかも」と思ったのだ。
いまこの文章を書いていてひらめいたのは、
もしかしたら、わたしが好きだと感じた理由のひとつとして、
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に影響されているのかもしれない。
「ことばが好き」なんて、こんな話はめったに他のひとにはしないのだけれど、
かつて覚えている限り、「ことばが好き」「メールやメッセージのことばってその人が出るよね」という話をして、
ふたりにだけ好意的なことばをもらったことをよく覚えている。
ひとりはライターの友人。
わたしにとって、おまもりのようなことばだ。
「その視点って編集者みたいだね。漢字をひらくとか考えるのって。」
もうひとりは、会社の元同期。
変に思われるだろうなあ…と思いながら話した結果、かえってきたことばは、
「わかる!わたしは”てにをは”とかも気になる!仲間だねー!」
個別で話すのは1,2回目くらいのときだったけれど、
「この人大好きだ!仲良くなれる!」と瞬間的に思ったのを、今でもよく覚えている。
彼女はもともと大学院でことばの勉強をしていて、会社を辞めたのち、
今は博士課程に入学して研究の日々と聞いている。
この文章を書こうと思ったとき、わたしは「てにをは」も大切にする元同期の彼女に連絡した。夏が近づくもう少し先の時期に会う予定だ。
どんな研究をしているのか、日々どんなことばを感じているのか。
お散歩を楽しみしながら、「このブログのことばが好きなんだー」ということも話そうと決めたのだった。
(追記:どうしても書きたくなったこと)
わたしは、自分たちのお店をもった中で、お店としての発信もしている。
その中で、今回の「本屋 象の旅」さんと同じくらい影響を受けていて、
「好きだなあー!こういうことば選びやことばをつかう姿勢を大切にしたいなあ」とひそかに思いつづけているのが、
塊根植物・希少植物の生産販売をしている「ユニークグリーン」さんだ。
こんなふうに、植物への愛と専門性の深さ、たまに表れる店主さんの日常がやわらかく共存している。
的確に植物たちの様子を伝える文章と、なによりリプライの中で、購入者の方々へのていねいな感謝やフォローのことばたちに、私も日々学ばせてもらっている。
ことばからにじみ出るのは、
知らず知らずのうちにその人柄が出ているからかもしれない。
あまり店主さんのことをよく知らないのに、ことば選びでファンになることもある。
奇遇なことに、紹介した店主さんと出会ったのは、
どちらもいろいろな出店者さんたちが集まるような展示会だった。
ご自身のお店の商品をていねいに大切に説明する姿に、
誰かへの声かけやメッセージに、
その道のプロとしての誇りと愛を感じて、何より一個人として、
私もこうありたいと思うのだった。
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