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愛と酒場と音楽と

台風前日の土曜日の夜、渋谷ユーロスペースにレイトショー『愛と酒場と音楽と』を観に行ってきました。昨日が初日。

カンヌ・ロンドン・ゆうばりで注目された短編映画3作品の一挙上映な訳ですが、この企画のために作ったわけではなくジャンルもバラバラ。だからこそそれぞれの作品の個性を感じられて面白かったな。

1つずつ簡単に感想を。


言葉のいらない愛

井之脇海くんが監督・脚本・編集・出演を行った作品。
井之脇海くん、ご存知でしょうか?最近ますます活躍している姿を多く見かけるようになりました。上白石萌歌ちゃんとの午後の紅茶のCMや、実写まる子でおなじみのトコットのCMでは丸尾くん役も演じています。あと『義母と娘のブルース』が最近ではいちばん分かりやすいのかな。

わたしの母が昨年辺りから井之脇海くんに夢中になり、今までも出演作を一緒に観に行ったりしていて、今回の『愛と酒場と音楽と』にも母と一緒に行きました。

あらすじは、山奥に一人の男が暮らしています。ある日、猟の最中に少年を発見するのですが、彼は人間として育っていなかった…という15分ほどの作品。台詞はたった一言。
その少年を井之脇くんが演じていて、服も着ていないし髪も伸び放題だし言葉も喋れない訳なんですけど、だからこそ動きや目や表情の演技の凄さが伝わってきました。
決して「おもしろい」という作品ではないものの、匂いとかジメジメした空気とかがスクリーン越しに感じられるような映画でした。15分に収まり切っていない部分を想像する余白もあるよなあ。


BOURBON TALK

THE・中年オヤジのコメディって感じ。Barで遅れてやってくる1人の仲間を待っているオヤジ3人のワンシチュエーション会話劇。

「童貞って読み方によっちゃ道程(みちのり)とも読めるんだぜ」的な台詞があった。(いまPCで「どうてい」って打ったら先に「道程」が出てきたので、本当だ!と驚いた。)
良い歳のおじさんたちがあだ名で呼び合っているの、良いですよね。まあこの人たちのあだ名はリーダー、ハート、スペード、チェリーなんでちょっと小っ恥ずかしいんですけど。
劇中で微妙に山田孝之に似ていると言われていた人がいて、角度によっては似ているときもあったのが面白かった。

終演後の舞台挨拶の時に出演者がほぼ客席に見に来ていて急遽登壇。噂の山田孝之似の人は左から二番目。笑


BEATOPIA

前2作を観た後でこれを観ると「あれ、自主制作のレベルが違う」って思う。だって、タイトルバックいきなり空撮だったもん!(ものすごく綺麗だった。)

鹿児島県阿久根市で暮らす高校生2人の物語。鰯漁を家業としている悠と、学校に来ない引きこもりの海は2人でラップを練習し始めます。夏休みの間ドキュメンタリーの撮影に東京から来ていた凛は、2人にカメラを向け…。

もうとにかく映像が綺麗!海が綺麗!
そして主役の男の子・佐久間悠くんがとても良かった。家族に嘘をついてまでやりたいラップ。尖りきれていない高校生の純な感じ、初々しさ、そういったものがありのままそこにあった。
黒さき海斗くんはというと本物のラッパーらしいですね。だからこそ引きこもりの高校生っていう役とラップをやっている時だけ生き生きしている部分っていうのが引き立っていて自然だったなあ。

監督・脚本・編集・出演は女優さんとしても活躍している小川紗良さん。エンドロールの脚本応援(?)か何かに是枝監督の名前があって気になって調べたら是枝監督の作品に女優として出演したりするみたいです。

舞台挨拶にも登壇。可愛いひとだった〜!

一点、この映画で残念だったところはこの小川紗良さん演じる凛の役。
ドキュメンタリー撮影中に「これはなんですか?」って質問して相手が答えた後の「ふうん」「へえ」という受け答えが感じ悪いなあと思ってしまった。。
あとカメラを先に回しながら「今なにしてるの」「ちょっとラップやってみてよ」と初対面のひと(確かに悠と海は凛より年下なんだろうけど)に対して馴れ馴れしい口調なのがどうにも気になってしまって。

それ以外は良かったなあ。ラップも格好良かったし。


あとは初めて行ったユーロスペースが居心地良くって最高でした。他の映画館にはない安心感があるなあ。まあ、周りはホテル街ですけど。笑
何よりも、椅子がふかふかで良かった。

もっとこういうミニシアター(っていうのかな?)にも足を運びたいなあと思った日でした。こちらのイベント『愛と酒場と音楽と』2週間は公開予定です。宜しければ、是非。

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大麦こむぎ
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