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お酒に酔わない方法・酔った時の対処法。江戸時代の古文書『廣益秘事大全』解読⑯

嘉永四年(1851)の古文書『廣益秘事大全』から、奇巧妙術類(生活の豆知識編)の第16回目です。

今回は酒と蕎麦という通好みのネタです。

1.大酒飲んでも酔わない方法

極上の美濃柿を取ってヘソに当てて
酒を飲むと、どんなに飲んでも酔わず、
さらに酒に当てられるということもない。

美濃柿

2.酒に当てられたときの対処法

酒に当たったときは、黒豆の煮汁を飲むとよい。
ケンポナシ※のしぼり汁でもよいし、
ヨシ(アシ)の根を搗き砕いて、
その汁を飲むのもよい。

 ※ケンポナシ=クロウメモドキ科 ケンポナシ
  属の落葉高木。二日酔いに効果があると
  いわれる。

ケンポナシ

3.硯の粘りを取る方法

硯の墨が粘って書きにくいときは、
耳の垢を少し入れて摺り混ぜて使うと
粘りがなくなってよい。

また、紙や木の類でにじむものに
書くときも、この方法はたいへんよい。
まったくにじまないようになる。

4.蕎麦を食べ過ぎても満腹にならない方法

ヤマモモの皮を粉にして飲んだあと
蕎麦を食べれば、どれだけでも食べられる。
蕎麦を食べてお腹が張ったときも
これを飲むとすぐにお腹がすく。

 ※ヤマモモ=ヤマモモ科ヤマモモ属の常緑樹。
  赤い果実は生食でき、甘酸っぱい独特の風味
  があり、ジャムや果実酒にも加工される。

ヤマモモ

【たまむしのあとがき】

どれもこれも衝撃のネタでしたね!

こうして毎回、江戸時代の人のさまざまな知恵を知ると、身近な植物をうまく利用しているのを実感します。

まさに共存ですよね。

今からでもこうした習慣を復活できないものでしょうか?

地方ではそうした習慣が残っているところもあるのかもしれませんが、都市では土地がないという現実的な問題がありますので、非常に難しい問題かもしれません・・・。

ところで、少し前に柿の栄養価が非常に高いという記事を書きましたが、ここでもスーパーフルーツ:柿が登場しました。

今では酔う前に飲むのはウコンというのが定番ですが、柿をヘソに・・・ねぇ。柿を食べるんじゃダメなんでしょうか?ヘソのツボにでも関係があるのでしょうか?

ちょっと誰か実験してぇ~~~と心の叫び。

私は飲まないので、黒豆の煮汁派なのです。


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