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右巴敷きと卍敷き

次月から着工するリフォーム工事の図面を見直しながら…
ふっと思ったのが四畳半の畳の敷き方。

四畳半で多いのはこちらの左側の敷き方、いわゆる一般的には祝儀敷きと呼ばれる敷き方です。敷いてはダメなのは右側の敷き方、こちらは不祝儀敷きと呼ばれお葬式などでの敷き方になります(古民家は畳割の間取りなので昔は祝儀や不祝儀で畳は敷き変えていました。今は柱割りなので敷き変えはできません)。

左が祝儀敷き、右が不祝儀敷き

今回のリフォームでは図面のように半畳の畳が真ん中にきて、残りの4畳で周りを取り囲むような形。 右巴敷き(みぎともえしき)で敷こうと思っています。

不祝儀敷きに当たるのは卍敷き(まんじしき)と呼ばれる左巴の敷き方。こちらは武士が切腹するときの敷き方で良くないと言われています。

左の敷き方が右巴敷き、右が卍敷き(まんじしき)と言われる左巴の敷き方


右巴敷きは茶室の畳の敷き方で、裏千家茶道教室「晃々庵」さんの四畳半でもこの敷き方でさせて頂きました。お茶室では畳それぞれに役割があって名前がついています。

晃々庵さんは耐震壁の関係で躙口の場所を変えさせて頂きましたが、又隠(ゆういん)の写しです。

千宗旦(せんのそうたん)が隠居屋敷を四男仙叟宗室(せんそうそうしつ)に譲って二度目の隠居所として千利休の草庵風四畳半を再現して建てたのが又隠。ふたたび隠れるという意味からこの名が付いたと伝えられる。躙口(にじりぐち)の正面に床を設け、炉は四畳半切りで洞庫(どうこ)を備えている。点前座の左隅の柱は曲がった丸太を使って、天井近くの一部分だけ見せた楊枝柱(ようじばしら)となる。

茶室は炉の季節と風炉の季節に合わせ畳を敷き変えて使います
炉の季節は右巴、風炉の季節(夏)は祝儀敷きになります。

たま〜にですが、不祝儀敷きっぽい敷き方や卍敷きの敷き方をネットで見ることがあります。

気にすることもないのかも知れませんが、気になってしまいます。

畳のヘリを調べていてたまたま見た畳屋さんのサイトの写真に違和感を覚えて、なぜだろうと考えたら卍敷きの写真…

記事を読んだら卍敷きのお部屋の表替えをされて、ちゃんと右巴になっていて安心したのですが、多分お客様はこんなことご存知ないんだろうなと思いました。

知ってするのか、知らずにするのか…作り手側は知る努力をしなければと思います。

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