好み…
茶の湯で流派のトップを家元というが、代々の家元により道具やお茶やお菓子など好んで使うものや新しく作ったりもするがそういうものを「好み」という。現在でも家元では、家元の道具を制作する職家(作家)が製作する「好み物」が生まれている。
職家の人びとは「好み物」を作り出すために、月の初めに家元に集まり、薄茶を頂きながら家元の意向を聴いたり、手がけた道具の趣向のよしあしを家元に確認しているそうで、家元が意匠などを考えて生み出されればその道具に名前を冠して、「誰々好み」の道具と呼ばれます。
家元などの茶人の創意と、高い技術を持つ職家との共同作業によって生み出されるという背景はまさに文化を生み出し、紡いでいくという感じじゃ無いでしょうか。家元の「好み物」の多くは、その形を写し、伝承されて多くの茶室や稽古場で用いられています。
水差しや薄茶器などを置く棚も毎月変わっていきますし、その中でこれは誰々のお好みだと教えて頂きます。まだまだ覚えれていませんが、この棚はこういう相違工夫があるのかなと考えるのもまた茶の湯の楽しみのひとつのような気がします。
もうすぐ炉が終わり、風炉に変わります。風炉の方がお点前は難しく無いとは言われますが私はやっぱり炉の方が好きです。湯を沸かし松風(茶釜でお湯が沸く時の音)を聞くとお茶してるって気持ちになれます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?