仕事のもやもやと、『わたし、定時で帰ります。ライジング』
『わたし、定時で帰ります。ライジング』を読んだ。
前作、前々作が出た時も、そして今回もハマった。
今の日本の職場に共通する問題なんだろうか? 第1作から、安く仕事請けちゃうとか、会社に住み込む人とか、うわーー、うちの会社と一緒だーー、と思う話ばかりだ。
今回のテーマは生活残業。この小説の中で、若い社員は、残業代を稼がないと基本給だけでは生活していけない。そのために、わざと非効率なやり方で仕事する。そこで、主人公の結衣は、残業しなくていいよう基本給をUPしようと会社と闘う。
私が勤める小さな会社でさえ、残業を減らそうという圧は、外部からも、上司からも、年々強くなっている。でもお金のために残業させてほしい、とはっきり主張する社員もいる。
本作は、年収や月給、ローン、残業代など具体的な数字が常に出てきて、自分の収入と比較しながら読んだ。自分は適切な給料をもらっているんだろうか?と、ちょうど最近もやもやしていたところだった。
9時ー16時の時短勤務の私の給料は、たぶんフルタイムの新人と同じくらい。でも、10年以上の経験·技術·資格があるんだから、もっともらってもバチはあたらないんじゃないか? 同じレベルの人を中途採用しようと思ったらこんな給料では来ないだろう。後輩たちのまとめ役をやれと言われるけど、そこまでもらってないしなー。独立したら収入増えるんだろうか? でも時短勤務のペースだったら結局同じくらいの収入かなあ。··········なんてことが、頭をぐるぐるまわる。
結衣ほどではないけど、この春は、社員同士のトラブル調整、後輩の面倒など、実務以外で、どっと疲れることが多かった。もうちょっとリーダー手当ほしいいよな(愚痴)ー。
まあこれは、私が会社と話し合って解決することだけど。
登場するキャラクターは、みんな魅力的だ。後輩の吾妻や来栖、甘露寺は、前作から知っているから、人間らしくて親しみが持てる。ドラマも見たから、役者さんの顔が浮かぶ。
一番好きなキャラは、超クールでロジカルだけど、実は素直で優しい八神。
結衣の婚約者の晃太郎は、完璧に仕事ができてよく働いて、上司としては最高だけど、結婚相手としては、イヤだなー、とか、勝手に妄想する。
また、変わろうとも変えようともせず、ずっと同じやり方に安住する人を批判する場面があったが、これは自分に突き刺さった。
当たり前のものに疑問を持ち、時代に合わせて、仕事のやり方を変えていかなきゃなー。
結衣から、その勇気をもらうことにする。