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エッセイ「成熟スイッチ」著・林真理子 読書感想文

人気作家である林真理子さんの最新エッセイ集。
若い頃は随分とのんびりした性格だった林さんが、直木賞作家となり、日大理事長に就任するまでをご自身で振り返っています。
瀬戸内寂聴さん、渡辺淳一さん、宮尾登美子さんなど名だたる作家との交流から学んだことや、様々な立場での経験から得たものを親しみやすい文章で描いています。

特に渡辺淳一さんとの交流には羨ましいものがありました。それを読んでふと、今は自分の作品を読んでもらったり、評されたりしたらどれだけ嬉しいだろうと思うプロ作家がいなくなったな、というような気づきがありました。最近、公募に積極的ではない理由の一つかもしれません。

また、林さんが作家として成長するためにハードルを自分で上げて頑張ってきたというエピソードを読み、少し反省をしました。
「書きたいものより書けるもの」を優先してきたからです。40歳を過ぎてからは、「せっかく大人になったんだから、大人しか書けないものを」と挑戦することも増えましたが(その初作品はnote内にある「桜ノ宮」)、それも所詮年齢的に書けるものにすぎないかもしれません。
志であるとか、少し難しいことをしてみよう、という気概について、改めて考えなければと思いました。
林さんの前向きな考え方や自己肯定感の強い精神などは、私もそうそう、と頷きました。
楽しく生きること。ハードルを上げながら頑張ること。私も大切にしていきたいです。

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