田んぼの整備について④ 美味しいお米の育てかた#036
秋起こし→畦塗り→春起こしが終わったら
いよいよ入水し代かきを開始します。
仮に長野県のスケジュールであれば
4月中旬からスタートして
6月10日ごろからの田植えになりますので
この2ヶ月の間に田圃を整備して行きます。
逆算してスケジュールを組み立てる
田植えが6月10日からだとしたら
逆算して
6月11日は植え代(除草+トロトロ層の成形・最終代かき)
6月3日は代かき(除草+トロトロ層の成形)
5月25日は代かき(除草)
5月18日は代かき(除草)
5月10日は代かき(荒代・高低差の解消)
ここでの代かきは最低回数ですが
大体このようなスケジュールになろうかと思います。
もし余裕があればこれよりも前から
代かきをしておいてもいいでしょう。
ただ、スケジュール的に
苗を育てる作業と重複しているので
無理のないようにしましょう。
田んぼは謂わば、超長距離走ですので。
これらの代かきスケジュールはあくまで目安なので
圃場の環境に合わせて回数も変動します。
実際、天候や作業上の失敗なども起こり得るため
スケジュール通りにはいかないことも多々あります。
計画を50%、その時々の影響を50%くらいに考え
何か起こった際に対応できる
余裕を持っておくような段取りをオススメします。
通称「荒代」第1回代掻き
水位が田んぼの地表より高くなったら
代掻きを行います。
代かきのコツは
土質にもよりますが
ゆっくり丁寧に
です。
シーズン1回目の代かきは荒代と呼ばれています。
荒代は
大きな土塊を細かくし
水となじませ
代(シロ・泥のこと)を作る
最初のステップです。
通常、トラクターのロータリで入ります。
ロータリは比較的大きな刃の回転する
トラクターのアタッチメントです。
田んぼごとの作土の深さによって
土層の形成を意識して
代掻きしていきます。
土を水をなじませていきます。
この時に田んぼの高低差がある場合は
何度か同じところを周って高低差を解消します。
たっぷりと水を入れて代掻きするため
可能であれば畦は比較的高めに
成形すると良いでしょう。
これにより水位の増減が穏やかで
コントロールがしやすくなり
稲の生育にストレスの少ない田んぼの管理が可能になります。
代掻きの周り方
代掻きは中側を周回した後に
外周を内側から3回周り外へ出ます。
最後に外へ出るところ から逆算してコースを決めます。
こちらを参考にしてください。
除草を目的にした代かきの方法
春起こしから田植えまでの期間が
長いことによるメリットは
除草を目的とした代掻きの回数を
増やせることです。
時間差で発芽する田んぼの草を
除草することができます。
ここからは代かき専用のアタッチメント
ドライブハローを使用します。
ドライブハローは小さな刃が回転するため
田んぼの表層を細かくトロトロに
仕上げることができるアタッチメントです。
それでは代かきをどのような視点から
行っていくのかを順を追って解説していきます。
①荒代あとは、水位を地表が出るギリギリの
ヒタヒタにしておく
これにより草が発芽しやすくなります。
この後に代かきする際に深水にします。
②ゆっくり丁寧に代かきする
回転数25〜50%・トラクター秒速15cm〜20cmくらい
発芽した草や種が浮いてきます。
これで田植え後に除草するであろう草を取り除きます。
③代かきあとは再度、水位を地表が出るギリギリの
ヒタヒタにしておき草の発芽を促進しおきます。
あとはこれの繰り返しです。
代かきは田植えをしやすくするだけでなく
このように除草も兼ねて行う方法もあります。
これにより除草作業が楽になるだけでなく
田んぼの土壌も柔らかくなり
根が張りやすくなります。
後半の代かきポイント
植え代前の代かきでは
水位をヒタヒタにして除草と
表層のトロトロ層の成形を狙った
代かきをします。
最後の植え代ではヒタヒタで行い
表層のトロトロ層の整形を意識して
仕上げていきます。
植え代後は
草たちとの成長競争が
始まります。
1日2日以内に田植え
を行うようにしましょう。
次回はいよいよ田植えです。
続く
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