稲を育てる人、米を育てる人 付録コラム#011
今回から数回に分けて自然栽培での農業生活を通して
感じたことや学んだことを共有していきます。
稲作の目的はなんですか?
そもそも稲作の目的は何でしょうか。
美味しいお米でしょうか。
田んぼの景色でしょうか。
稲の分げつの多さでしょうか。
収穫量でしょうか。
私がその中で一つ上げるとすれば
美味しいお米です。
味のクオリティが私にとって最も重大な関心事です。
育ちと味のどっちが大事なのよ!
私と仕事のどっちが大事なのよ!的な見出しで失礼します。
私は時折、お米の美味しさよりも
稲の生育に熱心な方
収量を増加させるのに熱心な方に
お会いすることがあります。
そういった方の稲は自然栽培でも分げつも多く
田んぼもたわわな実りで圧巻の生命力です。
特に古来種を使用している傾向があります。
こういった景色を見ると
稲をたくましく育てることに注力したくなってくるものです。
品種にもよりますが自然栽培で
通常反収5~8俵のところを
10俵近い収量を上げていたりもします。
ほとんどの場合、分げつ旺盛な品種を
暖地で栽培されている場合が多い傾向があります。
ところが
こういった品種によくありがちなのは
お米がパサパサと淡白な食感である点です。
炊き上がりはまだみずみずしいですが
ほとんどの一般家庭で行われている保温などをしておくと
パサパサに拍車がかかります。
カレーやピラフなどには向いているのかもしれませんし
常食でも慣れてしまえば気にならないのかもしれません。
私も一時期それを試しました。
しかしやはり、朝日、農林22号、ササニシキ系統の品種を
再び食べて、「お米が美味しい」 と感じてしまいました。
これは感覚についての話であり個人差があり
大雑把に整理すれば、 好みの問題と言えます。
しかし実のところ、昔から農協出荷の稲作農家でも
「反収を10俵もとると食味が落ちる。
だから中干しして分げつを抑えて
品質を落とさないようにする。」
というようなことを言います。
肥料を使用する場合は特に
肥料を代謝する分、中干しをしないと
収量は伸びるが食味が落ちる傾向がある、
というのは先人たちの経験からの貴重な見解でもあるのです。
いくら自然栽培稲作でどこまでも旺盛に育っていくとしても
最終的に食べる人に喜んでもらえるのかどうかを
考えているかどうかは営農の継続性に直結してきます。
美味しくないお米は特に子供は食べません。
いくら収量が多かったとしても
買ってくださるサポーター・フォロワーに喜んでもらえなければ
栽培していないのと同じことになってしまいます。
お米の美味しさ、収量、稲の逞しさ美しさなど
それぞれの稲作の魅力を
どれも偏ることなくバランスをとること
末永くお米や田んぼ、食べてくださる方々と
付き合っていくにはこういった点も
気を配ることが大変重要になってくると考えています。
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