籾摺り・出荷そして次作へ 美味しいお米の育てかた＃042
「美味しいお米の育てかた」の
具体的な稲作に関するメソッド紹介は
本稿が最終稿となります。
ただ単に肥料や農薬を使わなきゃいいと思いきや
意外と長い道のりですよね。
さて、前々回の記事で
お米の乾燥は『最初の調理だ』
ということをお伝えしましたが
メソッド最終稿の今回は
さらにお米の袋に入るまでの行程も同じく
お米の調理に等しい行程であるということを念頭に
紹介していきます。
籾摺りと選別調整
乾燥を終えた籾は籾摺りへと移ります。
籾摺りはジェットファンで打ち付けて
皮を飛ばす脱っぷするタイプと
二つのローラーの間を通して摺るタイプが代表的です。
個人的には前者をお勧めします。
通常、籾摺りから石抜き機などを通って米選機に入ります。
籾摺り機
石抜き機
米選機
そのほかにも調整には様々な機械があります。
興味のある方はメーカーのHPをご覧ください。
私が栽培していた農林22号は細長い形状のため
一般的にうるち米で使用される
米選機のメッシュの1.85mmだと
優良な玄米もくず米として分別されてしまいます。
そのため、 サイズを1.80mmにすると
ロスも減ります。
このように、栽培する品種の形状や
大きさに合わせて米選機のメッシュを変えられれば
せっかく収穫したお米を無駄にせずに済みますし
逆に粒の大きな品種であれば選別をタイトにしたほうが
綺麗なクオリティを保つことができます。
選別網は米選機の中に入れます。こんな感じのものです。
販売用はより高い精度の選別
また、色彩選別機などがあれば
草のタネな どが取り除かれ
販売用としてきれいな仕上がりとなります。
こういった収穫後の調整機器は
個人でそろえている栽培者もいれば
機器を所持している個人や法人に
作業を委託する方法もあります。
その場合、収穫のスケジュールが
先方の予定にかぶらないように
十分打ち合わせをしておく必要があります。
それによって、収穫の時期がいつ頃になるかを
逆算することになります。
自然栽培は収穫時期に余裕が持てる
施肥栽培のお米の場合は
登熟後は台風や雨などで茎が折れたり
倒伏してしまう可能性があるため
なるべく早く収穫する傾向があります。
一方、自然栽培の場合は品種にもよりますが
登熟しても倒れることは珍しく
厳しい天候の後でも
しっかり大地に張った根と丈夫な茎がしなって
持ちこたえている場合が多くみられます。
そのため、収穫時期が遅くなっても
あわてる必要はないでしょう。
そして次作の始まり
ようやく一年かけて
お米を収穫することが出 来ました。
協力してくれた家族や仲間たち
地域や大地に感謝し
収穫を分かち合うことは大切な節目になります。
この一年で何が起こり
何が変わり
どう思ったのかを振り返り
新たな来年の田んぼ作業に思いを馳せたり
することと思います。
その反省点や気づきは
たった一年であっても
振り返れば語りつくせないほどですよね！
こうして収穫を終えたということは
すでに次の作付けがスタートしているということです。
秋冬の田んぼの過ごし方が春に必ず影響します。
田んぼは春から始まるのではなく
秋からすでにスタートしていると考えておく
美味しいお米の育てかたでは
何度もお伝えしていることではありますが
今一度忘れずにいていただければと思います。
もちろん次は販売や
確定申告などの事務作業が待っていたり
栽培とは別のことで
年内はまだバタバタと忙しくなるように思います。
私は忙しい時期が終わると
全国の稲作生産者さんを訪ねて回りました。
冬場は意見の交換や
新しい発見ができる貴重な時間ですので
ぜひ冬の旅行に合わせていろんな生産者さんを
巡るのもオススメです。
自然栽培はまだまだ未開の分野です。
どんどん新しい知見からみなさんと共に
ブラッシュアップできたらと考えています！
続く
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