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営農力をアゲる② ブランディングについて 付録コラム#010

前回はサイズや輸送を前提に

栽培する植物を選択したり

加工も最初から計画を立てておく

といったお話でした。


今回はなかなか語られない

ブランディングについてお話ししていきます。


このシリーズは自給用の栽培をしている方ではなく

生産者として営農している方向けの記事になります。

今後就農する方も参考にしていただければと思います。


SNSの写真や映像がいい感じ


よくSNSなどで見る

おしゃれだったり

綺麗だったり

またはすごく目立っていたり

特有の雰囲気を維持しているアカウントがあると思います。


これらのほとんどは

なんらかのブランディングが関わっている傾向があります。

見せ方に関するその道のプロが

ちゃんと関わっている結果です。


全部自分でやっているというのは

美大や芸大、その他デザイン業界経験者でない限り

よっぽどセンスが良くないと

難しいこともあります。


あるいは全く新しい方法を編み出して

見せていることもありますが

本業がある人が自分でやるには

どうしても限界があるため

チームをつくって展開していることの方が多いでしょう。


また、今はプロが関わっていても

素人っぽさを残して

意図的に共感を誘うような手法もあり

一見しただけでは見分けがつかないものも多々あります。


ここで注目すべきは

プロか素人かどうかではなく

伝えたいものがちゃんと伝えられるか

ということです。



ロゴやパッケージは自分でデザインしない


そもそもデザインなどができて

生産者をやっている人はなかなかいないと思います。


デザインの素人がロゴやパッケージを作ると

自分たちの強みや思いが反映できず

むしろ安っぽくなったり

最悪、不快感を与えてしまうこともあります。


また、一般栽培と変わらない品質でありながら

かっこいいロゴやパッケージだけで

売れると考えてしまう生産者も多く

特に若い後継者さんや新規就農者にその傾向があります。

中にはロゴやパッケージを

プロにお願いしたのになぜ売れないのか悩んでいる

といった相談も少なくありません。


この場合は、何が影響しているかというと

トータルでのブランディングができていない

ということが挙げられます。

もっと言えば

営農全体の考え方やビジョンが整理できていない

という根本的な部分に問題があることが多く

結果としてデザインや見せ方に

反映することができず

見せ方だけが浮いてしまうということは

非常に多いパターンです。


ブランディングは営農をスムースにする投資


営農するということは

経営をするということです。


個人事業か法人化に関わらず

その時点で経営者です。


言ってみれば社長です。

形は違えど会社を持っているとも言えます。


もし会社を持っていたら

その会社をどのように経営していくかを

考えると思います。


その上でデザインは必須です。


ロゴやパッケージだけでなく

WEBやSNS運用のほか

映像やチラシや看板に到るまで


見せて伝えるという媒体が非常に多いということに

気がつくと思います。


これらを自社で全部賄っている会社というのも

今では増えてきましたが

経営媒体が大きくない場合は

そんな部署を持つ余裕はありませんので

必然的に外注になるでしょう。


ラーメン屋さんであっても

すでに愛着をつくっている老舗は別としても

ブランディングをしっかりできているお店と

そうでないお店では

いくら美味しいラーメンだとしても

集客ができていなければ

知ってもらえない。

さらには食べてもらえない。


そうなると

お店自体がなかったことになる

のと同義になってしまうのです。


集客のためには

どんなお店なのかを

ひと目で伝える技術が非常に有効です。


そこでプロの力が発揮されます。

そして重要なのは

全体のビジョンやコンセプトを整理して

表現して伝えること。それが

トータルブランディングだと解釈しています。


それはトラクターや田植え機に匹敵する

営農力を獲得する投資です。


ブランディングは信用を生みお金を生む


経歴・実績・夢・ビジョン・取り組み

人柄や性格なども含め

全体のコンセプトから

見せ方に落とし込んでいくことが

営農初期から確実に力になっていきます。


この力のもっともな部分は

信用です。

自分のスタイルというものがありながら

社会においても役割として認めてもらうことです。


信用が大きくなるということは

自分の取り組みに理解を示す人が増えます。


そのうちの何%かの人は確実に

自分のサービスを利用してくれます。


生産者の場合はお米やお野菜を

買ってもらえることになります。


まさに昔から言われている

信用はお金、お金は信用

というのも理解できると思います。


お客さんに自分のビジョンやメッセージを届け

共感して信用してもらう

その結果利益が上がっていく。

そこにトータルブランディングは力を発揮します。


結局ブランディングって何?


私も以前はブランディングについて

カッコつけて嘘っぽいとか

お客さんとのつながりは自然にできるとか

そんなふうに考えていました。


もちろん、全く営業せずとも

毎年の10トン近くのお米も販売できていました。


農産物のクオリティを計りたかった

というのもあり

デザインなど余計なものを全て排除して

シンプルにすることでお客さんの反応が

ダイレクトにわかりました。


その上で、ブランディングが必要だと感じたのは

より確固たるビジョンやメッセージの共有です。


生産者は田んぼ畑の代行でもあります。

お金を出す人の代わりに

お金を出す人ができない仕事を提供します。


そこで、より明確にコンセプトや

取り組みの意義などを共有できていると

お客さんとのパイプがより強固になるだけでなく

興味を持っている人たちにも

関心を持ってもらえるきっかけになっていきます。


つまりブランディングとは

自分の仲間を増やしつつ

つながりを強化し

信用を育て

結果、経営を向上させることができる

現代の経営には不可欠な技術であると言えます。


自分に合ったブランディングのプロを選ぶ


実際、ブランディングの会社はごまんとあります。

その中で自分の経営に合った

会社やプロデューサー見つけていくのは

非常に大変ではありますが


見つけるポイントは

自分の好きなスタイルで

実績を残しているかどうかです。


また、誰かと同じようなブランディングは

ただの二番煎じになってしまい

それこそ嘘っぽくなってしまいます。


しっかり膝を突き合わせて

夢や想いを共有し合える

仲間としてのパートナーを味方につけるのが

重要だと考えています。


取り入れる時期は

できれば初期からが良いです。

自然栽培が徐々にできていく時間も共有することで

お客さんも一緒に田畑をつくっていく感覚を得ることができます。

また、苦楽を共にした仲間としての絆は

ファンを超えて家族のようになっていくことさえあります。

もし生産者として

自分の覚悟が定まっていて

経済的にもスムースに展開していきたいのなら


ビジョンや想いを表現し

人々の心に届けるブランディングも

ぜひ営農の一つと捉えて

取り入れてみてはいかがでしょうか。


続く

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