#37. 「熱があるので休みます」と伝えた後で
『休む=サボる』?
26年間生きてきて、おそらく、ちょうど良い休み方がまだ理解できていない。
誰かの「休む」はそのまま理解できるのに、
自分の「休む」は「サボる」を混合させてしまっていつも滅入る。
なぜか一番疲れる「休憩時間」
仕事に、「休憩時間」というものがあっても常に動いていなきゃいけない気がして、ずっとソワソワと動き回っていたし、挙げ句の果てには何かしら動いて仕事をしていないと私の存在意義って??とか考え始める。
脅迫観念に駆られているような、何かに脅されているかのような焦りと不安で常に仕事をしていたような気がする。
マグロが泳ぎながら寝るように、私も寝る時間を削って働かなきゃいけない気がしていた。
迷惑をかけないように、が迷惑をかけてしまっていたあの頃
「先輩に迷惑をかけないように」という気持ちが空回りして、おそらく相当な迷惑をかけてしまっていたのではないか、と今になって思う。
仕事を始めて間もない頃、先輩が気を遣ってかまだ新人でできる事がほぼ無い状況だからなのか、「1時間休憩とっていいよ〜!」と言ってくれたときがあった。
覚えたい仕事が山ほどあって体が特に疲れている訳でもなく、休憩って、、何をどう休んだらいいのか分からないし、先輩が一生懸命動いてる中私が休憩する訳には行きません!!みたいな気持ちでずっといて、
「仕事を覚えたいので、ここに居させてください」と、千と千尋のワンシーンとでもいうような台詞を何度か言っていた気がする。
「気を遣わないでいいんだよ〜!そんな一生懸命だと、すぐに疲れちゃうよ」と先輩に言われつつも、休憩しようと思って休憩室に行っても、頭の中は仕事モードが終わらずにずっと忙しくしてるし、なんならプラスで、「先輩今何してるんだろう?」とか「早く仕事覚えなきゃ」とかで常に悶々と闘っていた気がする。
だからこそ、休憩を取ったら余計に思考が忙しくなって疲れてしまう、みたいな謎のループに入って、疲れが余計に増す現象が起きた。
まぐろの如く生きる私
そのため、仕事に慣れてきた頃から、どんだけ疲れていても休憩をとることなく、常に動き続けていた。
介護士として働いていた頃をふと思い出す。
高校卒業後、すぐに介護職員としてグループホームに入社。夜勤は18時間労働、夜勤以外は、9時間労働(1時間は休憩とみなす)だった。9時間って、その時の私からしたら短くて、そんなんでお給料頂いちゃっていいんですか?!という感じの感覚だった。
そんな感覚があったのも、夜間高校に通っていたからという理由が大きいと思う。
私の高校時代は、バイトと学業の両立、という掟が常にあった。それは夜間高校ならではの校訓のようなもので、みんなが同じような生活を送っていた。
バイトを朝四時から夕方四時半までした後に、チャリを走らせ学校に向かい、夕方5時から夜中の10時まで勉強と部活。
そのため帰って寝るのは、早くても1時。
1時から寝て3時に起きて、準備を30分で済ませ、冷凍しておいたおにぎりを解凍して食らった後、立ち漕ぎでチャリを漕ぎ、バイトに向かう。
バイト→12時間半
学校→5時間
睡眠→3時間
拘束時間で例えると17時間ほど。
だからこそ、仕事が9時間=「楽」。
「楽」=「サボっている」?
みたいな感覚に陥っていた。
介護の仕事自体は大変な事も多かったけど、楽だと感じられたのは紛れもなく夜間高校に通っていたお陰でもあるし、色々と無理が効く体になってしまったからこそ、上手に休む方法がずっと分からなかった。
休んじゃダメなタイプ
三年続けていたバイトで、初めて高熱を出してしまった時があった。意を決してバイト先に「高熱が出てしまい、申し訳ないのですが休みます。」と連絡を入れた。
その時に、支配人から言われた言葉はまさかの「熱あっても来れるでしょ?待ってるから来てね」という言葉だった。
その日は土曜日で、朝6時から夜11時までの働き詰めコースだった(かなり濃いめのブラック)
だからこそ、熱を出したまま乗り越えられるのか不安で仕方なかったが、
そうか、私は休んではいけないのか…休んじゃダメなタイプなのか、と腑に落ちてしまった自分がいた。
休んではいけない。楽をしてはいけない。
そんな気持ちが常にあったからこそ、
自分を大切にしよう、という言葉や、疲れたら休んで、という言葉の意味を未だにちゃんと理解できずにいる。
『休むのが苦手』なあなたへ
でも今は、縛られているものは何も無い。
だからこそ、休めるはずなのに、休み方がまだ分からないでいる。
横になっても頭の片隅には仕事のことがあって、もっと働かなきゃいけない、がある。
今は縛られるものは何もないはずなのに、まだ「休み方」が分からない。横になっても、どこかで「もっと働かなきゃ」と囁く声が消えない。
もしかしたら、同じように「休む」のが苦手な人も多いのかもしれない。休むことに罪悪感を抱える人に、届いてほしい。
そんなに無理しないで、
休んでもいいんだよ、と。
少しだけ休んで、元気が戻ったらまた頑張ればいい。そんなふうに、誰かに声を掛けたいと思う気持ちは、もしかすると、自分が1番、自分にかけてあげたいと思っている言葉なのかもしれない。