【最新研究解説】糖質制限ダイエットに潜む「がん罹患リスク」
はじめに
「おコメは太りやすい」「おコメは健康に悪い」という印象を、読者の皆さまは抱いておりますか?
きっと一度は、肥満体の外国人が巨大なピザ、大袋のパスタ、冷凍ポテト、大量のコーラなどを食する衝撃的な姿をテレビで観たことがあるはずです。
そうした背景から、健康・体型維持を目的に、炭水化物を極端に減らし脂質・たんぱく質のエネルギー摂取を増やす「糖質制限ダイエット」が流行し、若者のコメ離れに拍車がかかっています。
しかしながら、糖質制限ダイエットは本当に健康的なダイエット手法なのでしょうか?
低炭水化物食とがん罹患のリスク
2021年、国立研究開発法人 国立がん研究センターにより、低炭水化物食とがん罹患のリスクに関する医学研究論文がCancer Science(日)やPubMed(米)で掲載され、世界的な注目を集めました。なぜなら当時、この分野は世界的にも先行研究が少なく、アジア領域では全く事例がなかったためです。
日本人男女を対象とした17年間のコホート研究(n=90,171人)の結果、「低炭水化物スコアが高いほど、胃がんを除く”全部位”のがん罹患リスクが高い」という調査データが示されました。
この低炭水化物スコアとは、炭水化物、脂質、たんぱく質の摂取量に基づき算出される、Halton(米)開発の評価モデルになります。糖質制限ダイエットを行うと、相対的に炭水化物の摂取が少なく、たんぱく質および脂質の摂取が多くなるため、低炭水化物スコアは高くなります。
ダイエット vs. 健康
よくSNSやネット上では、痩せる/痩せないにのみに焦点が当てられた両極端の説明がされ、糖質制限ダイエットの善し悪しが議論されています。
(例)
主な肯定派の意見:「無理せず、健康的に瘦せられる!」
主な否定派の意見:「基礎代謝低下によってリバウンドしやすくなる!」
インフルエンサーの語るエセ科学を鵜吞みにせず、医学的立場から本当に健康なのかを考察することが重要です。
男女ともに食道、肺、肝臓、胆のう、大腸、直腸…と、胃を除く人体全ての部位のがん罹患リスクが上昇する訳ですので、糖質制限ダイエットは極めて危険と判断できます。
「おコメを抜きさえすれば、運動せずとも簡単に痩せられる」という上手い話に騙されてはいけません。糖質制限ダイエットへの盲目的な心酔は、いずれ貴方の身を滅ぼしかねないからです。
さいごに
当然のことですが、おコメを暴食し過剰なエネルギーを摂取すれば、肥満リスクや糖尿病リスクも高まりますので、「おコメは食べれば食べるほど健康に良い」というわけでもありません。
「糖質は0か100か」という極端に振り切って考えず、適度に栄養バランスの取れた健康的な食事を心がける必要があります。
次回は、最先端の国際研究をもとに、「総エネルギー量に対して炭水化物摂取割合が何%だと適切なのか?」について考察したいと思います。
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