俺妹の4ルートを全て読了して思ったこと。
※この場はネタバレしかありませんので、未読の方は注意して下さい。
かの罪深き12巻が2013年に刊行されてから、はや8年の月日が経ったわけです。
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のタイトル通りに妹とくっつくエンドなんて、クソ食らえ。作者呪われろ。と当時の私は、かの英霊ディルムッド・オディナのように呪詛の言葉を並べ立てて、ちょっとした露店が開けそうになってました。
13巻から17巻までのあやせ、黒猫、加奈子の3ルートが刊行される話を小耳に挟んでいたのですが、ひねくれ者なので「今さら読者に媚びてんじゃねぇぞこのヤロウ」と再び呪詛を唱えてました。そして、またちょっとした露店が開けてました。
作中の表現を借りるなら「エロゲの主人公がまるで選択肢で行動を決められたかのように」先日、突然読む気になりました。
電撃文庫の刊行元がアスキーメディアからKADOKAWAになった事すら知らないほどに久しぶりに電撃文庫のラノベを購入。
順当に読むなら13巻のあやせifなのですが、当時黒猫こと五更瑠璃を愛していた私は15巻の黒猫if(個人的には黒猫エンドこそTRUE endなのでifという表現は認めたくない。)を最初に読みました。
感想は「最高」「尊い」「世界20億人の黒猫ファンが待ち望んでいた答え」「これこそが正伝」
などと語彙力が2歳まで退行する結果に。
幸せすぎて、他の2ルートを読まなくてもいいかな・・・。なんて思う次第に。
個人的には京介からアタックしたのが100点満点。
ほんと瑠璃たんはかわいいでちゅね〜〜〜〜。そして、桐乃に気を使いすぎでちゅね〜〜〜〜。
あやせと加奈子ルートは過去のPSPで出たゲームのシナリオを再構成した形とはいえ、新規に書き下ろしの黒猫ルートは、よほど本気で作者が向き合った結果なんだろうなと思いました。
さて、次は何を読むのか、Twitterでアンケートをとりました(優柔不断)
1票差という僅差であやせルートを読み始めました。
上巻を読み終えた感想は「私の性癖を拗らせたのはあなたのせいでしたね。忘れてました」「それでもあやせたん可愛い❤️」「は?京介ヘタレすぎだろ」
12歳ぐらいまで語彙力が戻ってきました。
しっかし、あやせから告らせるとか、万死に値する。と思ってましたし、下巻での加奈子とのやりとりを見ても、やはり京介には死をもって償うべきという見解に至りました。
あやせが重すぎるのは同情するけど・・・。
最後に加奈子ルートを。
なぜかこの順番で読んだことが正解としか思えないんですよね。
加奈子といえば、もう麻奈実よりもサブルート、Fate的には都合によりなくなったイリヤルート的な印象を思うかもしれません。
だがしかし、加奈子ほどの出来た彼女は果たして存在するのだろうか。
来栖加奈子、もう反骨精神の塊、最高。
麻奈実以外の全ヒロインからケンカを売られるも、京介の力を借りずにひとりで解決した猛者でした。
そして、麻奈実ルートもここにあった・・・。
結論から言えば、黒猫ルートが至高だけど、かといってほかの3ルートが捨ておけるものではない(けど、桐乃ルートを赦したわけではない)。穢翼のユースティアやFAをクリアした時みたいな気持ちでしたね。事実上の本で読むノベルゲー。
読み始めたころにこんなことを言ったんですよね。
先ほども言いましたけど、加奈子ルートに麻奈実ルートがあったんや・・・(ホロリ)。
基本的に物語の主人公である京介にはボロクソ言ってましたが、彼にもいいところがあります。それは「各ルート上で付き合ったヒロインのことをとっっっても大切にしていること」こればかりは尊敬します。非オタの配偶者氏にこの話するぐらい尊敬する。
そして桐乃、加奈子ルート以外では桐乃自身が京介に思っている事を直接ぶつけている点では、玉砕した人みたいになってます。しかし、どのルートでも京介とそのヒロインの子どもを(ウザがられるぐらい)可愛がってること、そしてどれも未婚なんですよね。。。別に他の誰かとくっつけばスッキリするわけではないんですけどね。
ここから内容面とは違う話になるんですけど、俺妹ってラノベの体裁ですが、斬新な表現を取り入れつつも純文学の香りがしてくるんですよね。
これを読む直近で太宰治を読んでいたというのもあるかもしれませんが。
最後に、久しぶりにガッツリ感想を述べました。自己満足といえばそれまでですが、こうして思うところがある、ということはいい作品に巡り会えたということだと思います。
伏見先生、ありがとうございました。Twitterで藁人形送るとか、呪われろとか物騒なこと言ってすみませんでした。。。
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