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メンヘラ転職から、半年が経ちました。

前職時代の部下から久々に連絡が来たので喜んでいたら、なにやら「リファレンスチェック」とやらを頼まれました。

「リファレンスチェック」とは、転職候補者の様子を第三者に聞く、という採用方法のひとつ。一般的には、転職候補者の前職の上司や同僚から、前職時代の“その人の様子や人柄”を聞くことが多いとか。

正直、ちょっと恐い。
自分の転職活動に協力してくれる、かつ、自分を高く評価してくれるだろう人がいるかどうか、という前職時代の人との交流や、コミュニケーション能力も評価されているんだろうな。

大転職時代。
採用方法、選考方法も進化してるんだ。
次にもしも転職活動をするなら、私は誰かにそれを頼めたりするのかしら。

私にリファレンスチェックを頼んできた彼女は、私の直属の部下兼アシスタント的な動きをしてくれていた子。プライベートの話もよくしたし、心から、信頼していた大切な部下。

うちは太い芯の通ったブラック企業。

私に企業体制を変えるような力はなく、彼女を含め、多くの部下に退職を選ばせてしまった。
彼女から、退職の相談を受けたとき。
ショックだったし、悲しかったし、なぜか裏切られたような気にさえなった。私も、まだ若かったし。彼女の退職が決まってからは、少し疎遠になっていた。

それから数年後。
私を信頼し、リファレンスチェックを頼んでくれた。
嬉しいし、その事実に感謝した。
ブラックすぎて、辛すぎて、彼女と同じく、私も辞めてしまった会社。だけど、その会社の中で紡いだ絆やご縁は、今もこうして繋がっていて、私の人生の糧になっている。

リファレンスチェックは企業の担当者と、電話で10分程度の短いもの。正直に彼女の印象を答えた。

私にとって、彼女は心から信頼できる部下だったこと。
人見知りな所があるけれど、関係が築かれた後ら、持てる能力をいかんなく発揮してくれること。
「人のためになることがしたい」と純粋に想える子だから、当時もお客様のため、上司だった私のためにすごく頑張ってくれたこと。
当時は彼女がリーダーシップを発揮する立場ではなかったけれど。もし今後、部下を持つのなら、自分ひとりで仕事を抱えすぎずに人に仕事を任せることを学べば、きっと部下想いの良い上司になるだろうこと。

彼女の短所をあげるとするのなら、自分の能力を低く見積もり過ぎていること。
本当は、もっとできる子だから。

なんだか、娘を嫁に出すような気持ちになって涙腺が緩みました。娘なんていないけど。
企業の担当者様は、「本当はもっとできるんじゃないか、って僕も彼女と話していて思ったんですよね。同じ印象で、安心しました」と言ってくれた。きっと無事採用へとこぎつけてくれるでしょう、彼女なら。


メンヘラな私が、
人生で初めての転職活動をして。

心も身体も限界で、月に1度は熱をだし、盲腸もこさえて入院した。そんな中での転職活動、大変だったのは身体よりも心。
あれから、もう半年が経ったんだ。
結果的にこんな私を拾ってくれた会社で、以前よりもずっとホワイトに、心と身体のバランスを保ちながら働けている。

ほんの半年前の自分を思い出すと、少し恥ずかしい。怒ったり泣いたり忙しくて。自分を大切にできなくて。本当は許せた人を許せなくなり、許すべきじゃない人を許して、いつもギリギリのところを進んでた。うん、辛かったなぁ。

今。
大切な人を大切に、大切なものを大切にしながら生きている。

でも。
決して前職の経験も、無駄じゃなかった。

あの会社で泣きながら、縋る神もいない中で働いた経験があって、今がある。あの会社で苦しんでいなかったら、この会社でこんな風に生きられてないんだろう。

あの頃があってよかったと、今だからこそ思えてる。

あの時の私も、今この時の私も、それぞれ頑張っていて、それぞれの場所で私を助けてくれた人たちがいる。

リファレンスチェックを頼んでくれた部下も。
今も昔も私の傍にいてくれるみんなの未来に、心から、幸あれ。

もちろん、私にも。


こう思えているのは、私がちゃんと前職の場を逃げ出せたから。壊れる寸前になっている人がいれば、壊れる前に、まず、逃げて休んでください。
前を向くのは、それからでも遅くないから。

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