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いまさらNontitleを一気見している休日…夢物語すぎる転職副業系広告に物申す元ブラック企業社員
Nontitleとは、Youtuberのヒカルと朝倉未来がプロデュースする「起業リアリティーショー」。ショーの出演者たちは、オーディション+αで選出された「起業したい」若者たち10人弱。2~3チームに分かれ、実際に事業を起こし、運営するまでを追う番組だ。
メンバーは起業までにいくつかのMissionを通じ、事業の運営に必要な能力を身につけていく。Missionにはチーム毎の勝敗がつけられており、強制メンバー交代制度「クビルール」が適用されたり、事業費用がマイナスされたりする。くわえて、勝手に恋愛が発生したり、ケンカし続けるメンバーがいたり……
ちょっと安っぽい“リアリティーショー感”とともに、ガチの起業家や投資家たちがメンバーたちに伝える内容はとても勉強になる。
シーズン5が配信中の今、やっと初めて視聴し始めた私。
寝る間も惜しんで頭を捻り、メンバー同士ぶつかりながら、泣いたり怒ったり殴り合ったりして、身体が心配になるくらいに若者たちが仕事に打ち込んでいる。
(仕事って、そうだよね、本来、これくらい辛いものだよね)
Nontitleを見ていると、私は安心する。
現代の日本には「がんばらない努力」にフォーカスが向いている風潮があるけれど、ブラック企業労働経験者であり、ちょいワーカホリック気味の私。正直、安心する。
最近の「がんばらないことが正義」の風潮は、私にはしんどい。
もちろん「がんばりすぎ」が良くないことは分かっているのだけれど。
才能があって、センスがあって、カリスマ性がある人だって、苦労をして、しんどい想いをして、目標を達成しているわけで。「がんばらず」に目標を達成し、夢を叶え、やりたいことをできる……なんてそれこそ夢物語。
最近の副業斡旋系・転職斡旋系の広告は、まさにこの夢物語を売りにしていて、見ていて辛くなる。あれは、詐欺だ。
フリーランス事業の単価がどれだけ安いか知ってるのだろうか。在宅ワークのフリーランスの稼働時間は一般の会社員と比較して圧倒的に長い。自己管理の重要性と難しさを知っている人がどれだけいるのだろうか。
達成したい目標・叶えたい夢と、しなければならない目標や夢は当たり前に比例する。
すべき努力と向き合うべき苦労は、個人の願望や目標、幸福度や、運や、生まれた環境…様々な部分に依存する。
それらをすべて無視して、がんばらず、のんびりと穏やかに、でも充実した自分の能力を活かした仕事で、たくさん稼ぎましょう……というのは、大変大きな語弊を生む言い方だし、嘘だと思っている。
最近…そう思わせるような広告が多すぎて、うんざりする。
しかも、そのきっかけとして、
(現職の人間関係に病んでる…)(ブラックすぎて辛い…)
とか、本当に今この瞬間にしんどすぎる時間を過ごしている人が救われたくなるようなところをきっかけに、副業や転職を進めている内容の広告が多いわけで。
本当に辛いとき、藁をも掴む想いでスマホを触って現実逃避している人が、あの広告の言葉にすがりそうになるのも分かるから。
私自身、苦労しなきゃ、そんな夢みたいな生活は得られないと分かっているからこそ、だから頑張りすぎてしまうタイプだし、あの広告をクリックしたくなる気持ちも死ぬほど分かるから。
あの広告に踊らされて、本当にしなくていい苦労や挫折を味わってしまう人がいないことを心から願っている。
Nontitleで寝ずに必死で涙を流し怒りながら仕事をしているメンバーたちを見ていると、その目標と苦労が比例する状況に安心する。
みんな高い目標に応じた苦労をしている。みんな、不安を抱えながら夢を叶えようとしている。
がんばってほしい。
その苦労に見合う満足感をいつ
か得てほしいと思う。
叶えたい目標や夢があるのに、がんばらないでいい世界なんて、来なくていい。
がんばりすぎないこと。
そして、がんばりたい時に、がんばりたい人が、気持ちよくがんばれる世界になっていけばいい。