企画の極意は、「俺マーケティング」にあり|人成塾(プロデューサー・小国士朗/ナオカケル株式会社代表・中島ナオ)
ノンフィクション作家・小松成美がゲスト講師を選び、次の時代を生きるためのヒントをありのままの言葉で学ぶ『人成塾(じんせいじゅく)』。今回の対談ゲストは、認知症の人がホールスタッフをする「注文をまちがえる料理店」、がんを治せる病気にするプロジェクト「deleteC」など、ユニークで温かくエキサイティングな企画を生み出し続けているフリープロデューサーの小国士朗さん第3弾です!
<文>奥村サヤ<編集>池田アユリ,yasu
中島ナオさんに捧ぐ
自分の可能性を狭めないために、肩書きは書かない
小松:「注文をまちがえる料理店」を行ったことで、NHKという大きな枠を離れてもいいかなと思ったのでしょうか?
小国:思いましたね。「注文をまちがえる料理店」を行ったときは、NHKに在籍はしていましたが、NHKの小国としてではなく「小国士朗」として行いました。クラウドファウンディングで自分たちでお金を集めて、仲間を一人ひとり集めて、チームビルディングをして実現していったんです。
そうしたら、結果的にすごく広がりました。こんなに面白いことってないんですよね。自分が思いついたことをカタチにして、好きな仲間を集めて自分の責任で全部やり切る。
これ以上面白いことはないし、若い世代にもたくさんリーチして届けられるというのは、何ものにも代えがたい喜びがありました。「番組を作らないディレクター」と名乗っているし、番組にこだわらなくてもいいのかもしれないと思うことができ、辞めることを決意しました。
小松:小国さんの名刺は肩書きがありませんが、一人でやっていくというような覚悟の表れ的な感じなのでしょうか?
小国:すごく悩んだんです。NHKを辞めたのに、またプロデューサーという肩書きもどうなのかなと悩んで、結局つけるのを辞めました。
自分をプロデューサーと名乗ったら、もらった相手はどんな人なのかイメージしてくれるとは思います。でも、実際はプロデューサーって何をする人なのかよくわからないですよね。わからないのに、名刺交換をしてわかった気になるというのがすごく嫌だったんです。だったら僕は「自己紹介の時間を15分ください」と言って、僕が何をする人なのかを説明します。
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