部活なるもの
娘が数年前、まだJKなるものだった頃の話。
入学当初、学校からは必ず部活に入らなければいけないという決まりがあった。
どんな部活でも良いし、数ヶ月で退部で良いので部活に入れとの事であった。
娘は部活に入部するのがたいそう嫌だった。
とにかく面倒臭がりな娘は1に睡眠、二に睡眠、三四がなくて、五に睡眠…飯より睡眠という程、睡眠大好きっ子であった。
しかし、部活入部は絶対である。
そこで娘は自分で部活立ち上げる事を思いついた。
まずは友人1人〜2人に話(そそのか)し、「ミステリー・オカルト研究部」を作ろうと試みた。
人数は5人‼️
なんとしても作らねば…とも思ってはおらず、のんびり作ろうと思っていたようである。
毎日「●●ちゃんが入部するって言ってくれた」だの「●●が楽そうだから入るって」という話を聞かせてもらっていた。
ホームズよりルパン派な娘。怖い話はご飯を置いてでも観る。とにかく大好物である。
しかし…娘はぬけていた。
ある日、
「あのさ…ミステリー・オカルト研究部って何するの?」
…娘はぬけている、しかし母である私もその上をいくぬけている人間だったようだ。
ミス研とかオカルト研究部ってよく聞くけど…何するの?なんかミステリーとかホラーとかの小説読む?映画観る?それ以外って何するの?
説明が出来ない母。
説明を待つ娘。
「なんか、ほら、みんなで怖い話を話し合ったり都市伝説について話し合ったりホラー映画観たりするんじゃないの?知らんけど。」
こんなに適当に説明する母親がいるだろうか!?
否!!むしろ、母としてもっと娘に(ミス研について)寄り添い、真剣に(ミス研について)向き合って、(オカルトについて)話し合ってやるべきではないのか!?
しかし娘は「そっかー」と、それを受け入れた。
諦めたのかアホなのかわからない。
後に娘はミス研を作らずに漫研に入っていた。もちろん漫才研究部ではなく、漫画研究部である。
ミス研の話は人が集まらなかったのだろう、とずっと思っていたのだが先日ヒョンな事からミス研の話が出た。
「娘ちゃん、ミス研、人数集まらず辞めた笑(わら)」と歌ったら、「人数は集まったけど面倒くさくなってやめたのさ。入りたいって言ってくれた子いっぱいいたんだけどね。途中でめんどくせぇって思った」と、とんでも発言をしていた。
そういえばこやつ、人気だけはあった…そして面倒くさがりでもあった…。
しかしミス研なるものを立ち上げたとしたら私の本棚からミステリー本もホラー本も、ホラー映画DVDも消えていたことであろう…。
もしかしたらミス研は出来なくて良かったのかもしれない…私のために…。
後に娘は刃牙にハマり、刃牙イラストを描きまくって友達に布教しまくっていた。
娘の推しは花山薫ちゃんである。