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新米発売!今年のお米は!?お米はどうやって精米されるの?

10月に入り、大潟村は秋の装いとなってきました。朝晩はそろそろストーブを付ける人も出てきそうな気温です。首都圏や西日本ではまだまだ日中は暑そうですね。
令和の米騒動と一時期話題になるほどお米が売っていないという事がありましたが、新米が出始めてようやく一段落といったところでしょうか。なんと、秋田県でもスーパーにはお米が無い所が多かったです。
 
今回ですが、新米の出る時期という事もあり弊社の心臓部とも言える精米の仕事を見て行こうと思います。私の所属している甘酒課(ブログ:美味しい甘酒)でも、弊社で精米したお米を使って麹を製造していますし、非常食や米粉パン等みんなお米が無いと製造できないです!本当に心臓部と言える場所ですね。
 
私は精米の仕事をしたことが無いので、精米課の課長、係長へ案内をお願いしました!皆さんにどのようにお米が届けられるか。安全なお米を精米するにはどうやっているのか、一緒に見ていきましょう。


精米の流れをおおまかにご紹介

ー今日は宜しくお願いします!早速ですが、おおまかな精米のやり方を教えてもらえますか?(大きい機械類が動いているので、すごく大声だしてます)

係長:お願いします!まずは玄米が入った大きい袋状のものを持ってきて、クレーンで吊るすんですよ。

玄米が1tくらい入っている大きな袋

そしてそこからコンベア、昇降機と呼ばれるラインを通って一度高い位置に上げられます。そこから粗選別といい玄米にくっついてきてしまう、田んぼの草だったり大きいゴミを一度取り除きます。そのまま選別を抜けた玄米は「石抜き機」と呼ばれる機械を通り、米より重い物、主に石を取り除きます。

―石抜き機は聞いたことあります。てっきり石だけを分けるものだと思ってました。

係長:名前が名前ですからね(笑)その後、選別された玄米を一度大きなタンクに入れます。

これが精米機 お米は左側から右側へ流れる

そしていよいよ「精米機」の登場です!機械を見てもらうと分かるように3回精米されます。大まかに削る精米、後2回は摩擦で仕上げていく精米です。

大まかに削る第1段階の精米機
摩擦でやさしく仕上げる第2段階の精米機
摩擦でさらにやさしく仕上げる第3段階の精米機

―おお、これが精米機なんですね。うちの会社の心臓部だ。 

係長:精米されたお米はまた別の大きなタンクに入れられます。そこからまた別の工程になっていきますよ。まずは規格外のお米を選別する機械です。粒の小さいお米や、砕けたお米をここではじいていきます。

―細かいお米になってますね。ほんとに砕けたという感じです。これははじかないと美味しくなさそう・・・

砕けたお米

(ここで精米課の課長登場。他の作業が終わり係長と交代してくれました!)

課長:砕米の選別が終わったら、今度は「色彩選別機」と呼ばれる機械に通っていきます。「色選(しきせん)」と呼んでますね。どんな機械か?というと色のついたお米を選別する機械です。これが色が付いたと判定されて除外されたお米。こう見ると、黒いでしょ。

―色のついたお米って入ってるんですね。これが買ったお米に入っていると確かに嫌だなあ。

課長:この機械は先日新しい機械に変えたばかり!選別方法の改良によって、はじかれたお米の中にいいお米が入っているけど、新しい機械で再選別できるようになり、精度が上がったんだよ。コスト削減もだけど、廃棄しなくていいものを廃棄しない、という事も大事になってきているからね。

―毎年すごい量を精米しているので、はじかれたお米だけでもすごい量になりそうですね。SDGsの観点からみてもいい事ですね!

課長:色選を通ったお米は、金属検出の機器を通ってまた別のタンクに入ります。

―タンクだけで何本あるのか分からないくらいありますねえ。

課長:ここから先は無洗米と通常の研ぐお米でラインが分かれる。無洗米加工もいくつか種類があるんだけど、うちの会社は少量の水で洗って乾燥させるタイプの加工をしているよ。今日みたいに雨が降っている日は乾燥させる工程が難しくなるので、調整が必要だね。(取材した日は雨でした)

―機械の周りにいるだけで暑くなってきました。

課長:最後にまた砕けたお米、細かいお米をふるう機械にかけてようやく精米が終わりとなります。

皆様へお届けできる美しい精米

そしてここから袋詰め、箱詰めをして皆さんのもとにお届けできます。

ーこんなに長い工程を経て精米されるとは知りませんでした。何気なく食べているお米でもすごい手間がかかっているんですね。

”新米だから”気を遣う事

ー精米のやり方を教えてもらいましたが、例えば新米の時期だから苦労する事、気を付ける事はありますか?

課長:新米と前年のお米だと、物性が違って滑りが変わるので、前年のお米と同じ感覚で精米ラインに流すと配管が詰まってしまいやすい。なので、この時期は少しずつ調整して一気に流さないように流量を抑えてやっているよ。
あとは精米機で精米する時、米の胚芽と呼ばれる部位が新米だと取れにくいので、1番の精米で強めに精米をかけたりしている。1番で強くした分、2,3番目は優しくやると。やり過ぎると削れ過ぎちゃうからね。

―なるほど。新米になるとまた違った苦労があるんですね。調整が大変だ。
新米に限らずですが、安全安心なお米を届けるためにどのような事をしていますか?

課長:先程説明した通り、金属検出器と色彩選別機を使っているよ。特に金属検出器に関しては重要な管理点になるので教育を従業員にやって記録も残しています。ISO認証も会社全体で取っているからね。(ブログ:品質管理課のお仕事~ISO22000

―私も自分の部署で教育をしていますが、何回も繰り返す事が重要ですね。最後になりますが、今年の米不足の際弊社は米が無くなりましたか?

課長:うちは在庫が無くなる事は無かったよ。でも、会社に入って長いけれども今回の様な事は初めてだった。それでも、個人のお客様には問題無くお届けできていたので、今年、来年もお届けできるようにしていきます。

―非常にお忙しい中だったと思いますが、ありがとうございました!私も非常に勉強になりました。

このように精米されて、安心安全なお米をおとどけできるように日々製造しています。弊社のお米は2.5kgという小さいサイズからそろえていますし、無洗米も研ぐお米を同じ値段ですので是非お買い求めください!

甘酒課 菅