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#5 公民の授業困っていませんか?  準備編④

日頃の校務お疲れ様です。こんにちは。けーすけです。

投稿が遅れましたが、冬休みに入りまして少し楽になりましたので、授業をつくり方について発信をしています。わけわからん時間に、今までためていたものを投稿します。
前回の記事は、こちらから。

My 授業のつくり方
【1】知識の確認
【2】MGを考える
【3】MQを考える ← 今ココ
【4】想定される解答を何パターンか考える
【5】MQまでにたどりつくためのSQ・知識を導き出す
【6】MQにいたる導入を考える
【7】教材の作成

 突然ですが、次の2つは授業の最初の教師の一言だと思ってください。皆さんが授業を受けるなら、どちらが「この授業楽しそう!」だと思いますか?

みなさん、今日の授業の目標は、市場経済の基本的な仕組みを理解し、政府の役割について考えることです。

みなさん、今日はこんな問いを考えてみたいと思います。もしコンビニの商品が急に全部値上げされたら、困りますよね?こんなとき誰がどうやって解決する?

明らかに2番目の方が、わくわくしますよね!

 前回の記事では、授業の根幹となるMGを考えました。ところが、これだけでは授業はなかなかうまくスタートできません。なぜなら生徒目線では、MGは与えられたものに過ぎず、今から何を達成すればよいかはわかるけど、主体的になれずわくわくしないからです。またMGは詳しく丁寧につくったものであり、授業の根幹をつくるのには適していました。ただし逆に長すぎて、授業でそのまま提示するのはかなり難しいからです。

 これら2つの理由から、黒板やプリントで生徒に最もわかりやすく提示できるのは、MQ(本時の問い)だと考えます。人間は「問いを出されれば、考えてしまう生き物」という習性もあります。ただし、ただ問いの形式にすれば良いわかではありません!今回はMGを、どうMQに変換すれば良い問いになるかということを書きます。



前回の記事でつくったMGをつかって、MQに変換してみましょう!

準備したMG

・多様な民主主義の在り方を理解し実践するために、
・多数決以外の民主主義を挙げながら、
・どのような合意形成の方法が良いか自分の意見を、根拠を持って他人に説明することができる。

これをこんな感じで変換してみましょう!

良いMQの例

・(文化祭の台本決めで)みんなが納得する決め方とは何だろう?
・なぜ選挙だけでは社会を良くできないのか?
・多数決で決めたのに不満が残るのはなぜか?


では、どのようにすれば良いMQをつくることができるのでしょうか。

良いMQの条件

まず結論から先にいうと、良いMQの条件は次の項目をなるべく多く満たすことです。全部でなくても良いので、なるべく多くです。

①意見がわかれること
②本質的であること
③シンプルであること
④切迫感があること(自分事、時事)
⑤身近であること
⑥常識を再考させること
⑦資料を準備できること

①意見がわかれること
 私の授業で最も大事なポイントなので、一番はじめに持ってきました。公民の授業における究極的な目標は、立派な「公民」を育てることです。教科書を暗記することでも、テストで点をとれることでもありません。そういう系の勉強は家でもできます。ただし、生徒が「周りににはこんな意見の人がいるんだ~」、「なんでそんなこと考えたんだろう?」「無理!この人とは価値観が違いすぎる!」「ちゃんと説得したら意外に聞いてくれた」という考えをもつには、他人と直接触れ合う(議論をする)ことが必須です。この触れ合いができるのが、「公民」だと考えております。
 ですので、私の授業のMQは、必ず意見がわかれる問いになっています。自分とは違う意見の人と議論を交わして、社会における在り方・生き方を知ってほしいと考えています。

②本質的であること
 これが抜けると授業が崩壊します。ただし、このために既にMGを考えまています。MGから反れないように、MQをつくればこの点はクリアです。

③シンプルであること
 短すぎると何を問うているのか不明瞭になるし、長すぎると生徒が理解しにくくなります。ちょうど良い字数は15~20字だと思います(多くても25~30文字以内)。Yahoo!ニュースのトピックス(ヤフトピ)の見出しの最大文字数が15.5文字であることから、人間がすぐ理解できる範囲で、情報量を担保するには大体このくらいの文字数だと思われます。

④切迫感があること(自分事、時事)
 公民の授業は、閉ざされた生活圏内のみを生きる生徒からすると、すこし遠い話のように聞こえ、興味が出ないのも無理はないと思います。ただし、その距離をグッと縮める方法はあると思います。それが切迫感です。生徒を焦らせることです。「自分がなぜこの問いを今考える必要があるのか」を生徒に意識させるMQを作りましょう。

⑤身近であること
 考える必要はあっても、とっつきにくい、わくわくしないものは、人間考えたくありません。生徒にとって身近であることが、生徒をひきつけるには大事な要素です。

⑥常識を再考させること
 人間は、今まで常識だと思ったことに、焦点があたると考えたくなってしまいます。これを起こすためには、問いの中に「~なのに、」を入れるのがオススメです。MQの形としては、「~~(常識)~~なのに、なぜ……(常識に反すること)……か?」です。

⑦資料を準備できること 
 せっかくいいMQを出したはいいけど、結局生徒が感情論や主観で問いに答えているのでは、学びにつながりません。教員自身が教科書、資料集、持っている書籍等において、MQを考えるための資料が生徒に提示できるようにしましょう。

経験則としてこれらを意識しながら、つくると授業が活気づき、学びを深めることができると考えています。



しかし良いMQの条件を知っても、実際に思いつくかどうかは別問題です。次回の記事は、効率的に良いMQを見つけ出す方法を書きます。


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