#5 公民の授業困っていませんか? 準備編④
日頃の校務お疲れ様です。こんにちは。けーすけです。
投稿が遅れましたが、冬休みに入りまして少し楽になりましたので、授業をつくり方について発信をしています。わけわからん時間に、今までためていたものを投稿します。
前回の記事は、こちらから。
突然ですが、次の2つは授業の最初の教師の一言だと思ってください。皆さんが授業を受けるなら、どちらが「この授業楽しそう!」だと思いますか?
明らかに2番目の方が、わくわくしますよね!
前回の記事では、授業の根幹となるMGを考えました。ところが、これだけでは授業はなかなかうまくスタートできません。なぜなら生徒目線では、MGは与えられたものに過ぎず、今から何を達成すればよいかはわかるけど、主体的になれずわくわくしないからです。またMGは詳しく丁寧につくったものであり、授業の根幹をつくるのには適していました。ただし逆に長すぎて、授業でそのまま提示するのはかなり難しいからです。
これら2つの理由から、黒板やプリントで生徒に最もわかりやすく提示できるのは、MQ(本時の問い)だと考えます。人間は「問いを出されれば、考えてしまう生き物」という習性もあります。ただし、ただ問いの形式にすれば良いわかではありません!今回はMGを、どうMQに変換すれば良い問いになるかということを書きます。
前回の記事でつくったMGをつかって、MQに変換してみましょう!
準備したMG
これをこんな感じで変換してみましょう!
良いMQの例
では、どのようにすれば良いMQをつくることができるのでしょうか。
良いMQの条件
まず結論から先にいうと、良いMQの条件は次の項目をなるべく多く満たすことです。全部でなくても良いので、なるべく多くです。
①意見がわかれること
私の授業で最も大事なポイントなので、一番はじめに持ってきました。公民の授業における究極的な目標は、立派な「公民」を育てることです。教科書を暗記することでも、テストで点をとれることでもありません。そういう系の勉強は家でもできます。ただし、生徒が「周りににはこんな意見の人がいるんだ~」、「なんでそんなこと考えたんだろう?」「無理!この人とは価値観が違いすぎる!」「ちゃんと説得したら意外に聞いてくれた」という考えをもつには、他人と直接触れ合う(議論をする)ことが必須です。この触れ合いができるのが、「公民」だと考えております。
ですので、私の授業のMQは、必ず意見がわかれる問いになっています。自分とは違う意見の人と議論を交わして、社会における在り方・生き方を知ってほしいと考えています。
②本質的であること
これが抜けると授業が崩壊します。ただし、このために既にMGを考えまています。MGから反れないように、MQをつくればこの点はクリアです。
③シンプルであること
短すぎると何を問うているのか不明瞭になるし、長すぎると生徒が理解しにくくなります。ちょうど良い字数は15~20字だと思います(多くても25~30文字以内)。Yahoo!ニュースのトピックス(ヤフトピ)の見出しの最大文字数が15.5文字であることから、人間がすぐ理解できる範囲で、情報量を担保するには大体このくらいの文字数だと思われます。
④切迫感があること(自分事、時事)
公民の授業は、閉ざされた生活圏内のみを生きる生徒からすると、すこし遠い話のように聞こえ、興味が出ないのも無理はないと思います。ただし、その距離をグッと縮める方法はあると思います。それが切迫感です。生徒を焦らせることです。「自分がなぜこの問いを今考える必要があるのか」を生徒に意識させるMQを作りましょう。
⑤身近であること
考える必要はあっても、とっつきにくい、わくわくしないものは、人間考えたくありません。生徒にとって身近であることが、生徒をひきつけるには大事な要素です。
⑥常識を再考させること
人間は、今まで常識だと思ったことに、焦点があたると考えたくなってしまいます。これを起こすためには、問いの中に「~なのに、」を入れるのがオススメです。MQの形としては、「~~(常識)~~なのに、なぜ……(常識に反すること)……か?」です。
⑦資料を準備できること
せっかくいいMQを出したはいいけど、結局生徒が感情論や主観で問いに答えているのでは、学びにつながりません。教員自身が教科書、資料集、持っている書籍等において、MQを考えるための資料が生徒に提示できるようにしましょう。
経験則としてこれらを意識しながら、つくると授業が活気づき、学びを深めることができると考えています。
しかし良いMQの条件を知っても、実際に思いつくかどうかは別問題です。次回の記事は、効率的に良いMQを見つけ出す方法を書きます。