樽熟成黒糖焼酎を楽しもう♪②
こんにちは【黒糖焼酎飲もうでぃ!】前田“まえぴょん”秀樹です。
今回は『樽熟成黒糖焼酎』について、前回の続きです。
様々な味わいの違いを出す要素として、熟成年度(熟成期間) があるところまででした。
樽熟成焼酎はなぜ色が薄いのか
樽熟成の焼酎の場合 ウイスキーやブランデーなどに比べると圧倒的に色が薄いことに気づかれる方もおられるでしょう。
これには理由があります。
実は、国税庁の酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達により定められているのです。
どのような内容かというと
13.木製の容器に貯蔵した焼酎等を移出する場合の承認の取扱い
令第56条第3項後段《承認を受ける義務》に規定する木製の容器に貯蔵した焼酎等を移出する場合の承認は、当該酒類を未納税移出する場合には、酒税の取締り上支障のない限り与えることとし、その他の場合には、次の(1)から(3)までの要件をいずれも満たしている場合に限り与える。
(注) 同項に規定する「木製の容器に貯蔵したアルコール又は連続式蒸留焼酎若しくは単式蒸留焼酎を含むアルコール又は連続式蒸留焼酎若しくは単式蒸留焼酎」には、木製の容器に貯蔵したアルコール等と、それ以外のアルコール等とを混和したもののほか、木製の容器に貯蔵したアルコール等そのものも含まれるものであるから留意する。
(1) 着色度
貯蔵後の焼酎等を移出する際にして、当該酒類について日本産業規格に定める吸光光度分析通則に従い、430ナノメートル(nm)及び480ナノメートル(nm)の吸光度をそれぞれ測定し、その 着色度がいずれも0.080以下 となるもの。
引用:国税庁法令解釈通達第48条 申告義務等の承継
着色度0.080以下とはどのくらいかというと、およそウイスキーの1/10程度の色の薄さをイメージしてもらえればわかりやすいと思います。
一般的に「色規制」などと言われるこの取り決めは、おそらくウイスキー・ブランデーなどとの棲み分けをハッキリさせ、洋酒業界を保護する目的もあったのだと思われます。
樽熟成の今後
当然樽熟成の場合、熟成が進めば進むほど 色が濃くなるだけでなく味わいも深さを増します。
にもかかわらず、それが許されないのです。
(一部の蔵では企業努力により、色がつき過ぎたものを濾過などの工程で味わいは残しつつ色を薄めるなどの工程をとったりされていますが、当然工程が増えると価格のアップもしくは利益の低下につながります。)
しかし時代は過ぎ、焼酎業界も昔の「安くて早く酔える酒」から脱却し、今やスピリッツとしてのクオリティも年々向上。
中でも黒糖焼酎の樽熟成は、ここでも何度か紹介している【東京ウイスキー&スピリッツ コンペティション】に新設された焼酎部門で二年連続『ベスト・オブ・ザ・ベスト』(最高金賞の中からさらに選ばれたその年最高の一本)を受賞するなど、世界からも注目を集め始めています。
当然この規制の緩和・廃止を掛け合っているそうですが、業界内でなかなか足並みが揃わず、未だ念願叶わぬ状況。
黒糖焼酎は他の焼酎と比べても樽熟成との相性が良いと言われ、実際 黒糖焼酎の総銘柄数に対する樽熟成の割合は、その他の焼酎に比べ非常に高い割合を占めます。
この色に対する規制がなくなった時、現在のジャパニーズ・ウイスキーブームのように世界から買い手が殺到……
そんな日が来るのかもしれません。
今回はこの辺で、次回もお楽しみに!
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