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モダン&クラシカル ホーチミンで味わう絶品カカオスイーツと素敵な出会い ~旅行記ホーチミン編2024①~

ホーチミンで出会った彼女、あるいは彼がとても印象的だった。 

そのひとはベトナムで人気のカカオのお店【MAISON MAROU SAIGON】の店員さんで、そのときそのひとは、レジを担当していた。
わたしはこのお店を事前に調べていて、そこでチョコレートをお土産に買うのと、写真で見た美しいケーキを食べたいと思っていた。

ベトナムに行ってチョコレート?と思うかも知れないけれど、意外にもベトナムではカカオの栽培が行われているのだ。だから、つまりチョコレートは、ベトナムのりっぱな特産品ということになるのだ。

ホーチミンの静かな通りにあるこの店舗は販売だけでなく、カフェも併設されている。
店内はカラフルな色使いや木材を使用していて、明るくナチュラルな雰囲気だった。
広々とした空間に、おしゃれな箱のチョコレートやグッズが並ぶ販売スペースがあり、そこからはガラス越しに工房が見える。
カフェスペースは販売スペースに隣接しており、おもて通りに面した大きな窓からは明るい日差しが差し込んでいた。
清潔感があり、エアコンが効いていてとても涼しかった。

わたしと夫は、さっきバインミーをがっつり食べたばかりだけれど、ここでお茶をすることに決めた。

レジ横のショウケースには、チョコレートを使った、おしゃれで洗練されたケーキやペイストリーが、1種類ずつ丁寧に美しく並べられていた。
わたしは、想像以上におしゃれで洗練されたケーキやペイストリーを見て、正直、少し驚いてしまった。これもフランス仕込みなのだろうか?!

食べると決めていたチョコレートのケーキは、見た目が気に入った可愛いのものがふたつあって、一瞬迷ったのだけれど、チョコレートケーキと言えば、Operaでしょと思い、表示の読みやすさもあってそれに決めた。
店員さんにまず、アイスアメリカーノ2つを頼んで、(ケーキをどちらにするか)一瞬迷ってから「あとオペラをひとつ」と言うと、彼女(彼?)は、まるで「正解!」とか「Good choice ! 」とでも言うように、満面の笑顔で「Opera〜!(Oにとてもアクセントをおいて)」言ったのだった。
わたしはレジで挨拶した時から彼女(あるいは彼)に好感を持ったのだけれど、
Opera〜!(オゥぺラー)」と言った時の笑顔と声にすっかり魅了されてしまった!
(それはとても印象的で、帰国して1週間経つ今も忘れられないでいる)

浅黒い肌、ショートヘア、くっきり二重、すっと通った鼻筋、綺麗に並んだは歯は白く犬歯がちょっと長くてとても美しいスマイルで、雰囲気的には俳優の木村佳乃さんを思わせるようなひとだと思った。
レジで注文したあと、アメリカーノとケーキが席に届けられるあいだ、わたしは彼女の姿ばかり盗み見ていた。
わたしが見ているせいか、彼女(彼?)と何度も目が合い、そのたびににっこりしてくれるので、嬉しくなってしまう。
アメリカーノのが届き、その後、注文したケーキがなかなか来なくても(お店は空いているし、お皿に乗せるだけじゃないの??)いらだったりなんてしなかった。
途中、夫がトイレに行くため店員さんに場所を聞いているところを一部始終見ていたら(夫は英語がほとんど話せないので心配で)、彼女(彼?)が最後にわざわざこちらを振り向き笑顔を送ってくれたりもした。

ところでどちらでも構わないのだけれど、そのひとの性別がわからない。
ぱっと見た時は女性かなと思ったのだけれど(感じのいいひとだなぁと思った)、よく見ると髪型はざっくりした短髪で(ショートカットとは言えない)いわゆるスポーツ刈の伸びた感じで横からの見た目は男性っぽい。顔立ちがはっきりしているのだけれど、メイクはしていないと思う。声からはどちらとも判断できなかった。

わたしは単に「人」としてそのひとに魅了された。男も女も関係なく魅力的だったから。一目惚れの場合には、案外、性別の区別はしていないのかも知れないと思った(と言っても、わたしはこのひとに恋したわけではないが)

ケーキが運ばれてきたとき「これはコーヒー味のアイスクリームで、サービスです」みたいなことを言われたと思う。(運んできてくれたのは、残念ながらあのひとではなかった)
あぁ、こうしてアイスを載せてくれるのにも時間がかかったのね(?)と思わぬアイスに、かなり待たされたことをすっかり納得してしまった。
とけないうちにと、まずは添えられたアイスから口に運んだ。
それが思いがけず、とっても美味しくて、直近で食べた日本の某ホテルのアイスよりずぅっとわたし好みだった。
なめらかで重めの舌触り、甘すぎなくて、コーヒーの風味が口中に広がる。
あまりにも美味しくて、糖質制限がある夫に、でも、どうしても食べてもらいたいくらいだった。(夫はこの誘惑にも負けないくらい意思が強かった)
肝心のケーキは言うまでもなくもちろん美味しかった。
いままでこういう繊細なケーキは日本にしかないと思っていたのだけれど、最近の東南アジアでもよく食べることができると思う。(マレーシアやバンコクで食べた。ほかのアジアではケーキを食べていないからわからない)

ケーキ「Opera 」は150,000VDN(¥900くらい)
アメリカーノは55,000VDN


それから、この店でもうひとつ心を打たれたことが、ある。
それはトイレに行ったときのことだ。
トイレへは店の奥にある階段で2階へあがる。このときはじめて気が付いたのだけれど、この建物はふるい建物で1階のお店はきれいにリノベーションされていたのだった。
おそらくトイレはそのままで、歴史を感じるクラシカルで趣のある作りだった。
電球の灯りに照らさるベトナムらしい陶器の手洗いボウルも、おしゃれだった。

ところで、わたしが素敵だなと思ったことは、その手洗いボウルの横にクルクルと細長く、まるで生春巻きのように(?)たたまれた手拭き用のタオルが用意されていたことだ!
ほとんど出会った記憶はないけれど、ごくたまに老舗のホテルとかレストランとかにあったりするのと同じように。
そのほんとうにクラシカルな感じが、わたしはとても気に入ったのだった。(ほんとうにきっちりきれいにたたまれてお皿にたくさんのっていた)

総じて、このお店はわたしのなかで評価が高い。

ホーチミン中心部に到着して3時間くらい(ホテルに荷物預けて、街を歩いて、バインミーを食べて、ここでお茶をした)、この時点ですでにもう、わたしはベトナムが好きになり、これから見るもの出会うものすべてに胸を躍らせていた。
素敵な彼女(彼?)にも出会ったおかげで、見知らぬ土地でも、すでに不安なく、弾むような気持でその後も街歩きができたのだと思う。

ベトナムで出会った人たちは感じが良い人がとても多かった。(これについてはまたこんど)

【MAISON MAROU SAIGON】


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