そうだ、図書館に行こう! そして、出会った本。〜藤田嗣治に想いを馳せる〜
読ませていただいたnoteのいくつかに、「図書館で本を借りてきた」と書いてあって、「あぁ、図書館かぁ」と久しぶりに(というか何年振りかに)その存在を思い出して、行ってみようと思い立った。
やはり文章が上手だなぁと思う方は、きっと、常にたくさんの本を読まれていて、だからこそ図書館はとっても便利なシステムなんだとおもった。
わたしは本と言えば、とりわけ小説は、大体ブックオフオンラインとかで中古のものを買っている。新刊の小説が読みたいとかはほとんどなくて、古い本も読みたいし、気に入るかわからないものにあまりお金を掛けたくないからだ。それに安く買えれば色々とたくさん読めるので、嬉しい。
少し前の年代の文庫本だと1冊220円とかでも意外ときれいな本が届いたりして、1800円で(送料無料の金額)こんなに買えたなどと思うと、とっても幸せな気分になれるのだ。
安く買ったので、もし、つまらなかったら、すぐに諦め、1回読んでもういいかなと思ったものと一緒に廃品回収に出すことができる。
しかし、なかなかそれも面倒くさいし、まだ十分読めるのにちょっともったいない気がしている。
以前、軽井沢のある道に(追分だったかな)扉付きの棚が置いてあって、その中に本が入っていて「ご自由にお読みください」と書いてあった。
誰かが読み終えた本を持ってきて入れたり、読みたいと思ったひとが自由に持っていって良いというシステムなのだろう。(素晴らしいシステム!!)
そういうものが街中のあちこちにあればいいなぁと思っていたのだけれど、そうか、図書館はそれにちょっと近いものなのだ。
とってもエコだし、無料だし、それに昨日行ってみたらなんだか【憩いの場】みたいになっていた!
安く買えて満足していたブックオフ以外にも、図書館という手があったのか!とnoteを読んで、その存在を思い出させてもらった。
そこで昨日は意気揚々と、図書館に行ってみたのだけれど、とくに借りたい本があったわけではなかった。それでまずはどういった類の本があるのかと、すべてのコーナーを見て回った。普段、本屋さんに行ったときは好奇心の赴くままに彷徨って、その日に気になったものを手に取ることが多いのだけれど、久々に訪れた図書館では「わぁ~、これ全部無料なんだぁ」と思ったら、ふつうは読まないような類のものとか、前から気にはなっているけれどどうも踏み出せない作品とか、昔読んだ懐かしい本とかを(『こまったさん』を見つけて思わず立ち読みしてしまった)次々と手に取ったのだった。
本屋さんとは並んでいる感じが全然ちがって(当然だけれど)、だから、出会うものも違った。
ここの図書館はそんなに広くないので、置いてあるものもそう多くはないはずで、でも、その中から選ぶということは意外に選びやすく、面白いことだとおもった。
借りれる期限は2週間だし、持ち帰るのが重いので5冊だけ借りることにした。
ところで、図書館に行ったおかげで、わたしの好きな画家のひとり【藤田嗣治】の本に出会った。藤田嗣治が書いた本ではなくて、彼のことを書いた本だ。どんな家に住んでいたのかとか、身の回りの暮らしのあれこれやプライベートの様子、絵以外の創作品や彼のコレクションなどを写真とともに紹介してくれる本。
藤田嗣治については、彼の絵もおしゃれで素敵だなと思っているのだけれど(軽井沢に藤田嗣治だけの美術館があって、おすすめ!「安東美術館」)、彼自身がすごくおしゃれで、昔の人とは(1886年-1968年)とても思えない。人生のほとんどをパリや外国で暮らしていたせいもあるのか、日本人離れしたセンスだし今っぽさを感じていて、だから、どんな人だったのか、とてもその生活が気になっていたのだ。
そしてやっぱり、すべてがおしゃれだった!
自分で着る洋服から家具など、あらゆるものを手作りしていたらしい。手先が器用で、何を作っても上手いし、絵だけじゃなくて写真を撮ったり文章(エッセイとして4冊出版されている)も書いていたとのこと。
それから、彼自身のヴィジュアルが映えるので、たくさんの有名な写真家から「フォトジェニック」と言われ、彼らの被写体になっていたそう。(やっぱりー、ひと目見た時からそう思ってた!あの、おかっぱ&メガネ、どう見たって、おしゃれだもの!)
思わぬ本との出会いで、藤田嗣治のことを少し知ることができた。本人が書いたエッセイがあるということを知ったので、近々読んでみようと思う。その時代背景もとても気になるところだ。
久々に図書館を利用してみて、図書館ってありがたいシステムだし、なんだか初心を思い出したような気がして、そんな自分が今は良い感じだなとも思った。
事前にネットから予約や取り寄せもできるらしいので、もうしばらく利用してみようかなぁと思う。
藤田嗣治(レオナール・フジタ)
1920年代のパリを拠点にし、日本人の美術家として初めて国際的な美術市場で成功を収めたひと。藤田嗣治といえば「乳白色の肌」、独創的な技法を確立させてヨーロッパで大絶賛された。名前はカトリックの先例を受けてレオナール・フジタと名乗るようになった。