学級文庫にどんな本置いてた?
私の教員人生は、非常勤講師から始まりました。
非常勤のとき、いつか担任になったら自分の教室に本を置きたいなと思っていました。
私自身が本好きでしたし、子どもたちとのコミュニケーションの1つになるかなと思って。
試験に受かって担任を持ってからは、学級文庫を置くようになりました。
どんな感じでやっていたか、書いていきます。
どんな本置いてた?
ジャンルはいろいろ、10冊くらい
ジャンルはいろいろ。なるべく偏らないように気をつけていました。
数は、だいたい10冊くらい。
多すぎると管理が大変になりそうだったので、自分の手に負えるかな、っていうのがこのくらいの量でした。
もう少し具体的に挙げてみると…
上記がスタンダードな割合だったかなと思います。
①小説
学級文庫といえば小説かな、と思って置いていました。
私が読んでおもしろいなと思った本とか、芥川賞を取った本とか。
小説ではありませんが、小学校の教科書を置いていたこともありました。
(スイミーとか、懐かしいですよね)
②心理テスト
私自身が結構好きなので置いていました。
学級文庫としては意外かもしれません。
でも、他のジャンルと比べて比較的手に取ってくれた実感があったかな、と思います。
休憩時間にクラスメイト同士で見たり、貸してほしいと言われたりしました。
③自己啓発
思春期、悩みの多い時期ですよね。
何か癒しになる本だったり、勉強のノウハウが書いてあったりする本を置いていました。
私自身が救われることも多かったです。
④地域に関する本
配属された地域のことを私自身が知らなかったこともあって、ガイドブックなども置いていました。
子どもたちにとっては身近な地域のことですが、意外と新しい発見もあった…ような、なかったような。笑
私が読んでいることの方が多かったかもしれませんね。
他のジャンルも置いてた
上記の4つを基本としてはいましたが、季節や私の気分、他教科との兼ね合いで小説が料理本になったり、心理テストが絵本になったり、科学やスポーツ系になったりなどしていました。
「感想ノート」も置いてた
本ではありませんが、ノートを1冊置いていました。
私オリジナルの「感想ノート」です。
子どもたちに書いてもらうのではなく、私の感想を私が書いておくためのノートです。
学級文庫に置いてある/置いていた本の名前と、一言感想を書いていました。
ぎっしりきっちり書いていたわけではなくて、あくまでもメモ程度ですが。
こんな感じで書いていました。
ぎっしり書きすぎちゃうとノルマ感が出ちゃって続かないなと思ったので、長くても感想は3文以内にとどめておきました。
「なんで先生はこの本をここに置いたんだろう?」っていうのが少しでも見えると手に取ってもらいやすいかな、という思惑もありました。
運営方法は?
学級文庫、ひっそり置いておくのもいいかなとは思うのですが、念のため年度の序盤に使い方などをお知らせする時間を取っていました。
お知らせしていたのは以下2つくらいですが…。
クラス内で読んでね
図書室の本と一緒になったり行方知れずになってしまったりを防ぐために。
貸し出しオッケー
原則クラス内で、と指示していますが家でじっくり読みたい子も中にはいます。
そんなときは、貸し出しもしていました。
運営のコツ
学級文庫を置く上で気をつけていたことも書いておきます。
①同学年の先生に許可取りしておく
必須です。
怖いのは、「あっちのクラスにはあるのにうちにはない」と子どもに言われてしまうこと。
平等でなくなってしまうと思わぬトラブルのもとになります。
あらかじめ同学年の先生や管理職に「学級文庫を置こうと思うんです」と一言声をかけておいた方がいいです。
中にはしぶい顔をされる方もいらっしゃいます。
そうしたら、すぱっと諦めましょう。
(実際に諦めた年もあります…)
郷に入っては郷に従え、です。
学級文庫を置くことが目的ではないので、その辺は学校や学年のカラーに合わせて柔軟にやっていました。
②入れ替わり激しめに
ここからは、学級文庫を置いていいことになった場合のお話。
文庫の本は頻繁に入れ替えます。
同じ本が1年中ずっとあるとマンネリ化するというか。
いろんな本に出会った方が楽しいというか。
全部をごっそり入れ替えるのではなくて、ちょっとずつ変えていきました。
③置くというより飾る
本屋さんに行くと、背表紙の本より表紙が見える本の方が手に取りたくなりませんか?
表紙の求心力ってあると思うんですよね。
だから学級文庫も、何冊かは表紙が見えるような飾り棚にしておきました。
意外と読まれないし、意外と読まれる
ここまで、学級文庫について書いてきました。
学級文庫を置いた年も置かなかった年もあった、教員時代。
置いてみた感想を、最後に述べます。
といっても、見出しにある通りです。
意外と読まれないし、意外と読まれる。
初年度、張り切って置いた学級文庫。
しかし…誰も手に取った形跡がなくホコリがうっすら…なんてこともありました。
そもそも、「本を読む」習慣って、中高生になるとほとんどなくなります。
(悲しい…)
本を読む時間がないくらい、勉強に追われてたり。
部活や習い事をしてたり。
スマホの方に夢中だったり。
1度も学級文庫に手を伸ばさない生徒の方が多かったのではないかと思います。
まぁ、それでもいいのかなと。
「読んで!」と押し付けるために置いているわけでもありませんからね。
設置したものの、意外と読まれないのが学級文庫だなと思いました。
でも、「意外と読まれる」ことも。
これは、子どもではなく先生に、という印象です。
先生方は、定期テストや校内巡回で各クラスを回ることがあります。
その時に子どもはもちろん教室内の様子もよく見ておられます。
(キレイにしておかなければ…!)
「あの本、私も読んだことがありますよ」とか、子どもたちより先生方に声をかけてもらったことの方が多かったかもしれません。
コミュニケーションになればな、とは思っていましたが、まさか対子どもではなく対先生とのコミュニケーションの手段にもなるとは。
そんな感じの学級文庫のお話でした。
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