ディズニーキャストざわざわ日記【読書記録#7】
ディズニー系のビジネス本と言ったら、「キラキラしている」「スタッフの気配り、おもてなし力がすごい」というイメージ。
キャストのほとんどが非正規雇用のディズニーリゾート。
2011年の東日本大震災時の「神対応」は特に有名ですよね。
この本に書かれているのは、清掃キャストとして働く男性の実体験。
この本の特徴は、
ディズニー関連本なのに、キラキラしてない部分も出てくるところ。
天下のディズニーリゾートであっても、「楽しいだけの仕事なんてない」
そんな一部を垣間見ることができて、読後、少しほっとしました。
働くって、そうだよなぁ。
あらすじ
57歳で入社し、65歳で定年退職するまでの男性清掃スタッフの記録です。
清掃スタッフのことを、正確には「カストーディアルキャスト」と呼ぶみたいです。
パーク内やトイレの清掃を行う仕事。
よく見かけるのは、ホウキとちりとりを持って地面に落ちたポップコーンを拾う姿でしょうか。
ゲストやスタッフ同士のあれこれや、苦労する一面など、単純にディズニーを楽しむ側には見えてこない、短編エピソードが満載です。
どんな天候でも働く肉体労働
清掃キャストの仕事は、ディズニーの中でも人気の職種のようです。
でも、苛酷な一面も。
春夏秋冬、どんな天気でも、常に外。(トイレ掃除の時は室内みたいです)
特に夏や冬、悪天候時は想像するだけでも苛酷です。
外に立っているだけで十分苛酷なのに、かつ掃除をして回らないといけない。
片づけるゴミも、ポップコーンや食べこぼし、時には触りたくないものの処理もあり。
「何を集めているんですか?」
ときどき、こんな風に話しかけてくるゲストもいるそうです。
「ゴミを拾っています」というと、なんだかガッカリした顔。
同僚のベテランキャストにこの話をすると、
「そういう時は、夢のかけらを集めています、というのが鉄板」と教えられます。
どうやら、清掃キャストに「何を集めているの?」と聞いたら
「夢のかけらを集めています」という夢の国らしい答えが返ってくる、と巷で有名になっているらしいのです。
ディズニーのおもてなし力の1つとして、観光バスガイドが解説しているというウワサも。
ゲストの夢を壊さない言い回しですよね。
ただ、ちょっと冷たい言い方をしてしまえば、彼らは非正規なんですよ。
時間分働けば、給料をもらえるんですよね。
このような対応をしてもしなくても、お給料って変わらないわけです。
それでもこのホスピタリティを持って働ける彼らはスゴイなと。
裏側の話もあったけれども
ディズニーには特に興味がなく、キャラクターの区別もいまいちつかないという筆者。
キャストの裏側事情も確かに書かれてはいるけれど、読後の感想として、
単なる暴露本って印象は受けませんでした。
週刊誌的な感じではなくて、一労働者としての記録。
そして、文章のところどころから感じたのは、やっぱりディズニーのホスピタリティかな、と。
仕事に対して思うところはあるし、現実的なんだけれど、決して機械的に働いているわけではなくて、どこからかディズニー愛、ゲストへの愛があふれてきている、そんな印象を受けた本でした。
他の職業の関連本もあるみたいです。
普段見られない職業のあれこれを読めるので、他のシリーズも読んでみようと思います。
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