おもてなし

飛行機乗るなら、この曲は必聴! 空港で働く裏方の知られざるドラマを解説

「フライトの裏で、誇りを持って働いている私たちのことを知ってほしい!」航空業界ではたらく裏方たちのアツい想いをのせたアニメーションソングをご存知ですか?それは「働く空港あるある!?ソング 〜裏方編〜」です♪

曲中で地上職の戦士として登場するのは、グランドハンドリング・グランドスタッフ・航空貨物。

グランドハンドリング?貨物って荷物を飛行機に積む人?グランドスタッフ?チェックインカウンターにいる人だよね?

そんな空港業界ビギナーのみなさまも、ご安心あれ。この曲を聞けば、あなたも立派な空港ツウになって、空港の景色が違って見えるかも。

早速、曲を引き合いに裏方のお仕事を少し紹介してみます!

■「ターミナルの顔」とも言えるグランドスタッフ。その毎日とは?

ご案内、お荷物持ち、お出迎え、おサプライズ、なんでもやります♪

カウンターでチェックインやチケットの発券をしている彼・彼女たち。実はお仕事はそればかりではありません。空港内での道案内をしたり、乗り継ぎでお急ぎのお客様の荷物を持って一緒に走ったり、ひな祭りやクリスマスなどの行事に合わせてコスプレのサプライズをすることも!

グランドスタッフの成分の80%は、サービス精神でできているといっても過言ではないかもしれません。

現場は新人教育担当の先輩を「ママ」「パパ」と呼んで慕う習慣があります。(航空業界の一部の会社になります。

アットホームな温かさがある反面、ミスをしたときに「あなたのママ、誰?」と聞かれると、先輩への申し訳なさも相まって震え上がるほど怖い……という声も現場からはチラホラ聞こえたりします。

空港のカウンター傍で、グランドスタッフの会話の中で「ママ」と聞こえたらもしかしたら、もしかしたら、そんな会話かも知れませんね。

「飛行機は自力でバックできない」ってご存知でしたか?

飛行機って実は車で押してます♪
搭乗が完了したあとに飛行機を滑走路近くまで押し出す「プッシュバック」という作業は、グランドハンドリング、通称グラハン(飛行機の誘導や機内清掃、機内食の積み込みなど、機体回りの業務を行う仕事)の大切な仕事。

機体の車輪を定位置に誘導するプッシュバックは高度な技術が要求されるため、グラハンの花形業務の一つ。このポジションを任されることはグラハンの誇りでもあるのです。

地方の空港などで、飛行機を正面からパドル(旗のようなもの)を持って飛行機を誘導する人を見たことはありませんか?これはグラハンの中の「マーシャラー」という職種。この仕事に憧れて航空業界に入ってくる人も多い、羨望を集める職種の一つです。

そして、滑走路に向かう飛行機に手を振っているのも、我らグラハンです!
この毎日のお見送り、実は窓から覗く表情もよく見えるので、どんな天候であっても、手を振り返して貰えると励みになると人気の作業だったりします。そんなグラハンは、空港の「手を振りマスター」です。

■高級車も化石もパンダも!飛行機に乗せて飛ばすプロ根性

積むものは~拒まねぇ♪
飛行機では、みなさんが思う以上にさまざまなものを運びます。
ネット通販で注文した荷物、手紙、お店に卸す商品などはもちろん、旅先で乗るためのツーリング用バイク、高級車、水族館の魚や動物園の動物など。航空貨物のスタッフたちは、難しいチャレンジに腕を鳴らしています。

特に、「明日はライオンが乗るらしいよ」「今日、ナマケモノ乗るってよ」(「怠け者が飛行機に乗る」という響きが、じわじわきます)と、珍しい動物を乗せる日はスタッフたちもドキドキ。

■ 覚えれば空港ツウ?サビで登場する専門用語の意味は?

空港では、チェックインカウンターや便名にアルファベットが多用されています。アルファベットの聞き間違いをふせぐため、空港のスタッフたちはこんな暗号を使っているんです。

A:アルファ(または エイブル)
B:ブラボー(または ベーカー)
C:チャーリー
・・・

「B(ビー)」「D(ディー)」と言うと聞き分けが難しいですが、「ブラボー」「デルタ」なら間違えません。入社したばかりの新人は、これを覚えるのにけっこう苦労します……。

あくまでも一例ですが、これを覚えれば「空港ツウ」な専門用語をご紹介。このほかにも

バゲージ:荷物のこと
ノンスケ:スケジュールにない臨時便
ブロックイン:飛行機が決められた場所に駐機すること
エムシーティー:乗り継ぎに必要な最小時間のこと
ブリーフィング:始業時や終業時などに行うチームでのミーティングのこと
オンタイム:定刻で出発、到着すること

など、空港の裏方現場で飛び交う独特の言い回しを覚えて、飛行機の待ち時間に耳を澄ますと界隈の暗号が読み解けます。

■ 万歩計 眺める かるく3万歩

グランドスタッフたちはとにかく歩く、歩く!歩く!!
万歩計をつけて仕事をすると、1日が終わる頃には歩数が3万歩を記録していてビックリ!ということも。革靴と制服でありながら、運動不足とは無縁、ダイエットにもってこいの職場かもしれません。

■ ばっちり出迎え、きっちり送り出し、それがオレ/わたしたちのおもてなし♪

飛行機が空港に到着してからまた飛び立つまでの時間、なんと約30分から1時間!(※機材や運行スケジュールにより異なります)

降りるお客様のご案内、機内清掃、貨物の積み下ろし、機内食の積み込み、次に乗るお客様のご案内など、膨大な量の仕事を、それぞれの職種が協力し合いながら時間内に終わらせます。

1つ1つのフライトが、まさにビッグプロジェクト!
時間内にきっちりやり遂げたときの達成感はたまりません。

■ プライベートでもついついやってしまう職業病

グランドハンドリング【指差し確認】

プライベートで車を運転するとき、クラクションを鳴らしたり、オーバーアクションで指差し確認。ついこのクセが出てしまい、友達や家族に「えっ?」と驚かれることも多々。

グラハンの現場では、飛行機のそばで特殊車両を運転するとき、安全確認は基本中の基本。特殊車両を発進するときは、クラクションを鳴らして「“動くよ”アピール」や、「右よし、左よし」の指差し確認を欠かさない仕事の癖が染みついているからだとか。

グランドスタッフ【施錠確認】

チケットをカウントし終わって、ダッシュで飛行機と連絡通路走り、機内のCAへの申し送りをして、飛行機のドアを閉めるのはグランドスタッフの大事な仕事。施錠確認はしつこいほど念入りに行います。

自宅の鍵を閉めるときも、必要以上にガチャガチャ!とドアノブを押したり引いたりして、通りがかりの隣人にはちょっと引かれたりも。

航空貨物【買い物カゴを必要以上にキレイに整理】

毎日、飛行機に積み込むデコボコしたコンテナにバランスよく、隙間なく大小さまざまな荷物を詰め込むのも航空貨物。そのスキルのおかげで(?)、スーパーの籠に食品を詰める時や袋詰めの時にも、拘ってしまい、その美しさにはけっこう自信があります。

■ そのほか、いろんな「空港のお仕事あるある」

稀にですが、空港のスタッフ以上に飛行機や航空業界に詳しいお客様がいらっしゃいます。そんなお客様に褒められたときは、心の中でガッツポーズです。

特殊車両の運転や、新しい業務へのステップアップには、その都度様々な資格が必要になります。受験生よりも勉強しているけど、頑張れてしまう!?
資格の数が多ければ多いほど、経験豊富な頼れるベテラン。

「なぜが黒髪の人が多い」のは航空業界七不思議の一つ。ヘアカラーが禁止されているわけではないのですが。

■ 楽しいことばかりではないけれど

雨の日も風の日も、クリスマスもお正月も、どんな日も飛行機を送り出し続けます。お客様の当たり前の日常を守るために。


飛行機が滑走路へ向かうとき、スタッフ総出で手を振ってお見送りする定番の光景。そのとき、どこかの1つの窓に笑顔があったら頑張れると思う日も。


■ 空港裏方だから乗越えれる醍醐味も

切磋琢磨の同僚の言葉が支えてくれる
安全、時間、正確さを全てクリアしなければならないプレッシャー。もちろん、辛いことも、大変なことも。

でも、そんなときに支えてくれるのは、同僚の存在です。1つの飛行機を飛ばすために、様々なチームが連携し合って動く現場では、自然「あそこ頑張ったね!」、「助かったよ。ありがとう」と声が上がります。

空港で働く人しか見れない景色

夜も明けぬうちから空港へ向かう早朝勤務は、眠いしくじけそうなときも……。でも、行き交う飛行機とともに、ゲートから見る朝日のキレイさは、この職場でしか見ることが出来ない最高の景色。毎日変わるこの光景の魅力が、職場で力をくれるます。

「ありがとう」が、チカラに変わってゆく
毎日お客様に接客するグランドスタッフはもちろん、普段なかなかお客様に接することがない職場では、Webなどから届いてくる「ありがとう」ほど嬉しいことはありません。これ、キレイゴトじゃなく、本当です。

■ 台風の日は「全員が燃える」

台風や大雪など、悪天候でスケジュールが乱れそうなとき。「うおおおおおおおやってやるるぞおおおおおおお!!」と謎のアドレナリンが出てしまうのが、私たちです。
色んな空港とそこにいるお客様に影響が出てしまう飛行機の遅れを、いかにリカバリーできるか。みんな全力でそこに懸けています。

■ 飛び立つとき、心から願う「戻ってくるな」と

どの職場でも「仕事した!」という達成感を感じるのは、飛行機が飛び立つのを見送ったとき。「大切なお客様を乗せて行ってきてくれ!」と、我が子を送り出すような気持ちです。

飛行機は色々なお客様の人生をのせて飛んでいます。それを支えている裏方たちの思い、いかがでしたか?

以上、空港の知られざる裏側を、歌に合わせてお送りしました。
今度空港へ行くときは、ぜひこの歌を思い出してみてください。


★ 今回のあるある記事は、いかがでしたか?
空港を支えるプロ裏方の情報が盛りだくさんのサイト「空港の裏方お仕事図鑑」では、他にもたくさんのインタビューを掲載しています。ぜひご覧ください!
空港の裏方お仕事図鑑 URL: http://hataraku.jfaiu.gr.jp/

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