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言語化レポート: 実験フェーズ0.1を経過して

言語化コンサルの実験開始から2ヶ月ほど経過したので、最近はこれをサービス化していくための建付けを考えたり、なにが足りないかの洗い出しをしたり、というフェーズに入ってきています。

この投稿では、言語化コンサルのはじまりから「言語化」の中身のおさらい・振り返りを行い、その後で実験フェーズ0.1の中での言語化事例を紹介させていただこうと思います。
そして最後に今後の課題感などを書き出して締めます。


言語化コンサルのはじまり

こちらが言語化コンサルの所信表明的な投稿↓

2019-10-30の投稿ですね。ということは賞味で言うと2019年11月いっぱい実験をいろいろやってみた経過から、今日(2019-12-09)の投稿を書いているという感じです。


言語化とは

そもそも「言語化とは」というところを整理してみます。

まず自分の言葉で大雑把に言うと、これは2つあると思います。

1.頭の中のもやもやを吐き出す行為

2.自分の死角を見つける行為

この2つの視点の違いは、クライアントさんが言語化したい(すべき)コンテンツが、クライアントさんの意識上にのぼっているか、もしくは、意識下に沈んでいるか、の違いです。

よく対面でお話させていただくときには

「『当たり前』をちゃんと言葉にしましょう」

「物事の背景を説明しましょう 」

などと言ったりしてますが、これらは【1.頭の中のもやもやを吐き出す行為】に還元されます。
もやっとしていて言葉に直せていないけれども、御本人がしっかり意識に浮上させている、でもそれをわざわざ文章に直すとなると、どこから手を付けていいかわからない、という領域です。

これをまず吐き出しちゃいましょう、というのが僕からのメッセージです。

答えなんかなくていいし、役に立つ情報かどうかは後から考えればいいのです。まずは吐き出しちゃって、散らかしちゃいましょう!という呼びかけです。

ビジネスセンスに長けている人ほど、先に結論を述べてからブレークダウンしていくような話し方に慣れてらっしゃるかと思いますが、これはその逆に近いです。
どうなるかわからないから話してみる」というスタンスですね。
そもそもこちらがそういう話を聞きに来てますよ、ということをお伝えし、安心してぶっちゃけてもらう、ということをしています。

これをnoteへの投稿などパブリックな場所へのアウトプットの前に行います。対面でお会いできれば一番良いですし、そうでなくてもチャット上などで対話的に進めていきます。

こうして【1.頭の中のもやもやを吐き出す行為】を促すために質問と回答を対話的に進めていくのはそれほど難しいことではありません。

難しいのは【2.自分の死角を見つける行為】に達することですね。これはできるときとできないときがあります。毎度チャレンジです。

言語化において「死角がない」という人は稀です。みなさん何かしら見落としているものがあるはずなんです。
これは意識下、つまり、無意識の領域に属する場合が多いように思います。
それをいっしょに探しに行って、見つけて、【1.頭の中のもやもやを吐き出す行為】のレベル=意識上のレベルに落とし込めれば、かなり価値の高いことだと思います。それがあって初めて、わざわざ対話に時間をかける意味があるようにも感じます。

僕の説明よりもよりロジカルに、言語化の仕組みの解説なども含めて書かれているブログ記事を見つけましたので、シェアさせていただきます。

僕自身、自分がやってきた実験とこちらの記事の内容を照らし合わせながら読んで、改めて納得する部分がいくつもありました。


言語化すると何が良い?

言語化のベネフィットについて、事前にググったら、一切説明を付け足す必要のないパーフェクトなブログを発見しましたので、まずは引用させていただきます。

この記事の目次にすべてが集約されております。

目次
1.言語化しないと一生気づいてもらえない
2.言語化することで誰かが見てくれる
3.言語化する一番のメリットは意識と行動が変わること

もうほんとに付け足す言葉がないです。

僕が実験させてもらっているクライアントさんの事例でも、

1.「それ書かないと伝わらないですよね」という問いかけから始まり

2.noteなどにまず書いてみる、書く習慣をつける

3.周りからの評価よりも前に、書き手本人の意識がまず変わる

というのを目の当たりにしています。


言語化コンサルの中身

では言語化コンサルの中身はなにをやっていいるかと言うと、まずは対面や音声チャットを使った「言語化セッション」です。

言語化セッションの中身は「言語化とは」の中で大半を書いてしまいました。なので、ちょっと書き足りない部分を付け加えたいと思います。

セッションで一番大事なのは安心して吐き出してもらうことだと思ってます。まずネタ出しをしないと何も始まらない、というか、自由に、無目的に吐き出せたレンジが言語化の「最大幅」になると思ってます。僕は個人的にこの作業を「マップ」と呼んでます。

使えるか使えないかわからない、良いことなのか悪いことなのかもわからない…それでいいんです。そういう価値判断を一旦やめて、とにかく吐き出してみる。それによって何ができるかというと、マップです。クライアントさん=書き手さんのパーソナリティの見取り図を作りたいわけです。

実際に何から書き始めるかを考えるのはその後です。ネタを絞り込んだり、ある部分を深堀りしたり、一見無関係だったものがつながったり…。こういった絞り込んでいくような作業を、マップに対して「リデュース」と呼んでいます。Map & Reduceですね。

Map & Reduceについては以前noteを書きましたので参考までに。

こうして言語化セッションをさせていただくことはコンサルしているこちらもすごく楽しいですし、クライアントさんもみなさん(最初は緊張していても)いつの間にか楽しみながら、また、頭をフル回転させながらセッションに集中してくれます。これはやるたびに良い意味で期待を裏切られます。楽しいという意味でも、勉強になるという意味でも、です。
この言語化セッションだけは、お金になる/ならないに関わらず、ライフワーク的に続けて行きたいと思うようになりました。

もうひとつの業務として、(だいたいは)初回の言語化セッションをキックオフに、そこからチャット(SlackやFacebookのメッセンジャーなど)を使っての習慣化サポートをさせていただいております。

やり方は素朴そのもの。
クライアントさんが自分で下書きを書き始めるのに抵抗がなければ、下書きのプレビューを見せていただいて、あーだこーだ意見を交換し合い、投稿できるまで背中を押す役目。
クライアントさんが独りになるとなかなか書けない…という場合は、メモ段階や箇条書きのアウトプットを見せていただくことから始める場合もありますし、2回目以降の言語化セッションをアレンジさせていただくことも多いです。

なお、2019年12月時点でいうと、ここまでの内容はすべて無償で行っています。この「実験期間なので基本無償」という前提での活動は、少なくとも2020年の1月いっぱいまでは継続しようと思っています。


言語化事例

言語化セッション → 言語化伴走(習慣化サポート)をさせてもらって、それが実際にnoteへアウトプットされた事例をいくつか紹介したいと思います。


事例1:グロースエンジンさん

グロースエンジン(以下GE)の金井さんが「言語化」という役目を僕にインプットした張本人です。
GEの場合はCEOの金井さんから言語化=note投稿が始まって、徐々に言語化の輪がGEのメンバーさんの間に広がっていきました。
普段はSlackで言語化のための共有チャンネルを使いアイデアや下書きをやり取りしています。

GEで言語化が始まった経緯は金井さんのこちらの投稿がわかりやすくまとまっています。

GEの言語化かまだまだ始まったばかりで、やりたいこと・書きたいこと・書いてほしいこと…がたくさんあります。

チームの中で言語化が進むと、個人とはまた違った副次的作用があり、複雑な分たいへん興味深く感じながら取り組んでおります。


事例2:BBQ研究家の岩井さん

BBQ研究家というだけで「え、どういうこと?」って思う方もいらっしゃるかもしれませんが、僕も岩井さんと直接知り合うまで全く認知していない世界でした。

岩井さんの場合は、アイデアやデータを長らくエバーノートに「メモ」として書き溜めてこられたそうです。さわりだけ見せてもらいましたが、量も内容もぎっしり詰まったエバーノートでした。あー、こりゃどっから手を付けていいかわからんでしょう、という話から言語化セッションが始まったのを憶えています。

岩井さん自身が言語化への意欲が高く、また、BBQ研究家である彼を知っている友人・知人から「本出しなよ!」とよく言われるそうです。
ところが「どうも文章でアウトプットするのは苦手」という意識があり、それが壁となってブログなどの具体的なアウトプットへなかなか行動が向かなかったとのこと。

つまり、ネタは豊富にあるけど、どっから書いていいかわからない、どう書き出していいかわからない…というのが岩井さんの悩みでした。

ですので、岩井さんの場合はチャット(Facebookのメッセンジャー)で伴走的にアドバイスを重ねる、というパターンでサポートさせていただいております。
一応、週に1記事は投稿・公開しましょうというタスク感です。岩井さんがご自分で投稿ペースを自己管理してくれるので、僕の方は言語化サポートの内容面だけに集中できます。非常に生産性の高い関係性だと感じています。


事例3:Neriba、PORTO喜屋武君、萌子さん

練馬にあるレンタルスペースNeribaの運営にサポート的に関わる中で「言語化ディレクター」という肩書きをいただきました。

Neribaのコアメンバーと言語化セッションを繰り返し、noteへの投稿を促しつつ、今はプレオープン中という時期的なものもあり、設備の説明やNeribaのコンセプト面などを「伝わる化」するための活動を行っています。

そもそも無名の場所であるNeriba、しかも、どんどん作り上げられるプロセスの中で激しく変化していくこの場所の面白さをどうやって文章化していくか、また、コアメンバーが自律的に言語化できるようになるためにはどうするべきか、…この辺が僕のミッションになります。

Neribaという場所やコアメンバーとの出会いが引き金となってつながった縁の中でも言語化セッションをいくつか実施させていただきました。

例えば、PORTOの喜屋武君↓

喜屋武君とはその後もときどきMtgする機会があり、今は文章以外のアウトプットも視野に入れて今後の展開を考えている最中です。

その喜屋武君つながりで言語化セッションさせていただいた萌子さん↓

萌子さんは元々書くこと自体に抵抗がなかったのも大きいと思いますが、1回の言語化セッションで頭の整理がついたようで、主にnoteを気軽に書けるようになったと観察しています。

彼らとは、今後イベントなどの形でもアウトプットに繋げられたらいいなと思って画策中です。


事例4:自分

言語化の一番身近な事例が自分自身です。

僕の場合は数年間、全くと言っていいほど文章での投稿というものをしてきませんでした。ブログへの投稿はもちろん、SNSへの投稿もそうです。限られた友人に向けてのプライベートな写真での投稿はしてきましたが、自分の今の状態や思いを言語化してどこかに公開する、ということを努めて避けてきました。

逆に、そのクローズドな数年間の前には、音楽関係のことをよくブログに書いていましたし、更にその前にさかのぼって学生時代などは、ミニコミ(今で言うフリーペーパー)を友人たちと発行して配っていたりしました。

ですから、若い頃はむしろ書くことにとても親しんでいたのに、30代後半の数年間はパタっと書くのをやめてしまったんですね。

書く・発信することが「普通」、もしくは、(イベントのオーガナイザーなどやっていた当時は)「義務」であった時期から、環境が変わって「書かなくてよし」となったとき、それはそれは清々したのを憶えています。すごい開放感でした。

やることがない。やらなくてよい。これは最高に安定した状態です。申し分ない幸福感。

しかし、そのような「安定」「安心」は、必要以上に継続しすぎると「閉塞感」に変わっていきます。自分はそれを身を以て経験しました。

実は、書く・書かないということと、自分の仕事のバイオリズムが奇妙なほどシンクロしています。
フリーランスもうまいことルーティンで定額が入ってくるようになると、サラリーマンの人たちと同じように安定した生活を送れるようになります。このスーパー安定期と、「書いてない」時期が自分の場合はぴったり重なるんです。
スーパー安定期があったおかげで家族のことなどを中心にいろいろうまく切り抜けることができました。それには本当に感謝しか無い。しかしスーパー安定期はいい面ばかりではありません。それは、通勤や人の入れ替わりのない僕たち在宅ワーカーにとってある意味で堕落への道なのです。
常に先行投資しながら自己管理することで堕落への道を突き進むのを回避しているフリーランサーの方もたくさんいらっしゃるでしょう。しかし、僕の場合はちょっとそれは難しかった。完全な引きこもりとまでは行かないですが、家族、数人の仕事仲間、それに特定の取引先の方々以外とはほとんど会わずに過ごす数年間がつい最近まで続いていました。
だから、無理矢理にでも外に出る必要があった。これまでに溜め込んできたエネルギーを発散し、同時に、外から相応に刺激を受け入れることがフィジカルに必要だと感じたのです。もう頭でできることはやり尽くしてしまった。限界。それで、身体を外に放り出す必要があったんですね。

そのような事情と背景があり、まずはPythonというプログラミング言語(←実務で使っている言語です)を個人レッスンでコーチングしますよ、というのを始めました。
個人レッスンのポータルサイトにコーチとして登録したんですね。

そこで僕のところに集まってくれた生徒さんのひとりから「コーチの人柄なんかをブログで読めたらいいと思います」と言われたことがきっかけでブログを書くようになりました。当時(と言っても数ヶ月前ですが)はポータルサイト内のコーチプロフィールに付属していたブログ機能で書いていました。しかし、どうも使い勝手が良くなかった。あと、なにより、結構頑張っていろいろ書いてもそのポータルの中でしか見てもらえないじゃん、と気づきました…。
そんなわけで一般的なブログサービスへの引っ越しを検討する運びとなり、いくつか候補を試してみた結果、noteで書き始めることにしました。

noteに書きはじめてから約3ヶ月が経過しました。noteで自分がやってみたいこと、思っていること、こんな考え方の人間です…などなど、今まで溜め込んでいた分、どんどんネタが出てくるのでとにかく休まず書いてみました。
書いて、出す。書いて、出す…
このシンプルな行為の連続で、自分の人生はだいぶ変わったと思います。去年までとは比べ物にならないほどたくさんの人に会いました。考えてもみなかったアイデアが周りに溢れています。こういう幸せな状態に自然と居させてもらって本当に楽しいです。

このような経験から、自分の「事例」を通して、みなさんにも言語化のちから、面白さを伝えられるんじゃないかと思って活動しています。それがまた自分自身の言語化につながってくるので、スパイラル的に広がっていくのが本当に心地よい。言語化、大事。今は心からそう思います。


今後の課題感

今後もこの言語化コンサルというサービスを継続する、また、事業化する、ということを考えると課題は結構たくさんあります。

ボランティアというスタンスではかなり喜んでもらえるし、好反応であることは体感として感じ取れました。

今はシステムエンジニアの仕事を本業に位置づけ、その収入を資金源にして活動しています。設備投資等に一切お金がかからないものなので、そこまで多額の予算を必要とするものではないですが、明らかに引きこもっていた時期から比べると出費はありますね。

なので、今後もこの活動を継続していくことを考えると、ある程度のマネタイズも視野に入れてサービスをレイヤー分けしていきたいと考えてます。または、なにか他のサービスの中に部分的に組み込んでもらう、とか。

そういったビジネス視点で考えると同時に、言語化コンサルの中身のほうでも課題が持ち上がっています。

ひとつは、言語化を習慣づけるフェーズでもう少しできることがあるんじゃないか、という思い。もうひとつは、言語化の役割をもっと掘り下げて本質的な価値を見出したいなという思いですね。

これらの課題意識については、今後言語化で関わってくださっているみなさんと対話を重ねる中で自分なりに解決していきたいと思います。

よろしくお願いします。


(結構、長文になったな…)


SN


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