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218.久能整の知識と語彙の豊富さにうっとりです
はっとする言葉を並べて惜しみなくそれを出し切っている本や漫画がわたしは好きなんだと改めて思ったことだ。
今まで、自分は何に感動して、何に心震えるほどの深い感情が溢れてくるかとか、何が嫌で、何をどのようにしたらこうなるということを一切詰めること無く生きてきたことが本当に勿体ないとさえ思う。人生を無駄にしたとすればこのことが1番だ。
あとを振り返らないすっきりさっぱりしたあっけらかんとした自分が誇らしかった。
後腐れなく面倒でもなく、ねちょねちょ(言い方)じゃないところが良いだろう?(杉ちゃん風)と対相手に問いかけるほど(ほんとにといかけちゃあいないけど)気持ちの良い性格だと自分でも自負していた。
でも、その後には何も残らない。
だって考えないのだから。
検証してこの先どうするか、教訓にはできるはずなのに、わたしはすべての物事をデリートして生きてきたのだ。
もちろん今でもデリート思考は変わらないのだけど、何が変わったかといえば、良く考え、言語化するということだ。
起こった物事は、ちゃんと考えて自分で答えが出たらデリート作業をするのだ。
これは本当に大事な作業だと今なら確信する。
薄っぺらい人間にはなりたくなかったのに、そんな事していたらあっという間に薄っぺらくなって、言う事は達者だけど、中身が伴わなくなってしまう。
久能整くんはなぜあんなに深く心に突き刺さる言葉を並べることができるのだろう。
視点が人とはまるで違う、でもちゃんと核心をついていて、順序よく合理的に説明する。
だけど、感情論もちゃんと入れてくれるので相手にとても響くのです。
警察の池本さんが奥さんとのケンカについて整くんに相談している回なのですが。↓
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メジャーリーガーの話は目から鱗。
そんな視点で見たことも考えたこともない。
休んだりすれば、仕事が野球なのに何休んでんだ!
そんな甘っちょろいことやってるから強くなれないんだ!って非難轟々にになるので、大概の人は仕事(野球)優先に自然になるだろう。
日本のスポーツ選手の奥さんなんかは旦那さんのために料理のやたら長い資格を取得して夫婦でスポーツに人生を捧げるほどなのだから、日本人にその概念はほとんど無いと言えそうだなあ。
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「奥さんが怖いんでしょうね」
はほんとに言いがち。
日本人の思考は偏り過ぎているかもしれないと思うほどにきっとほとんどの確率でこう言うだろうと思う。
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そこには天と地ほどの差がある。
本当にそうだと思う。
的確だ。
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ちょっと目を離したら死んでしまう生き物を育ててるんです。
わたしが赤ちゃんを育ててる時、言語化出来ずにこの感情をどう説明すればいいか苦しんでいたことをいとも簡単に素晴らしい表現で言ってくれた整くんには拍手喝采を贈りたいくらいだ。
スタンディングオベーションだ。
何なら涙が出てくる。
まだ2巻の途中だというのにすでに心がドロドロと解かされて骨抜きにされそうです。笑
作者の田村由美さんは
「すいません。整がずっと喋りまくるお話です。」
とおっしゃるけれど、
こんなに溢れるように魅力的な、かつ伝わりやすい言葉を並べられる知識と語彙の豊富さにうっとりですから。
だんだん、整くんの悩み相談になるのもわかる気がする。わたしもほしい。近くに整くんが。というか作者さんの素晴らしさが際立つ!
そんなわけで、何に心が動かされるといえば、言葉を巧みにふんだん使って表現されている書物に(ちゃんとなにかに記されているかがポイント。なぜならわたしがすぐ忘れるから笑)いつも心が持っていかれるなあという自己分析がこんなに長くなっちゃったわ。というお話でした。笑