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【連載】家族会議『赤面症』

「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。その様子を、録音記録をもとに書き記しています。

前回の記事はこちら。

【家族構成】
父:自己愛性パーソナリティ障害。頭に血が上ると大声で威圧する。
母:自己肯定感が低い。自分の意見を言えない。
姉:うつサバイバー。心理カウンセラーをしている。
わたし:性犯罪サバイバー。家族会議を主導する。
※遠方に住む姉は家族会議には参加していない。
※家族会議の目的は、夫婦仲の改善と、うつを抱える姉の気持ちをわかってあげられるようになることである。

家族会議12日目#1|赤面症

――家族会議12日目。この日は父の上から目線の話題が中心となった。

わが家では、以前から父の上から目線が問題となってる。だけど当の本人である父は、上から目線がよくわからないという。そこで1冊の本を購入した。

『「上から目線」の構造』という、榎本博明さんの本だ。

この本を読んだ父が、上から目線を考察した話を展開した。


ちなみに、この日の議論内容についてAIに要約してもらうと…

お父さんの上から目線の性格形成の経緯について議論されています。お父さんの幼少期の村社会での経験、成績の良さ、裕福な家庭環境などが、上から目線の性格を形作ったと分析されています。また、人の気持ちを読み取ることの難しさや、赤面症の影響なども上から目線につながったことが示唆されています。さらに、お父さんの上から目線は、立場や環境によって変化することが語られ、会社では気を遣っていたものの、家庭内では上から目線になりがちだったことが明らかにされています。

AIによる要約より

すばらしい。笑

こんな話が展開されたのが12日目である。


わたし
今日はお父さん、本を読んだ感想を


じゃあ話しますね。これを読んだ結果ね、改めて思い出したのがあるんだわ。

わたし
うん。


これね、この感覚っていうのは中学校から高校の間でのお父さんの状態なんだろうけど、赤面症だったんですよ。

わたし
わたしも!笑


そう?で、その赤面症っていうのがね、どこから来るのかっていうのが、なんかわかんないんだけど、今まで(心の仕組みについて)いろんなお話を聞かせていただいて、浅い知識から判断すると、なんて言うんかな、自信のなさ。ある意味コンプレックスっていうのかな、そこから出ているような気がするんだわ。


赤くなるのはってことね。


その根っこをちょっと話すとね、小中学校っていうのは、結構勉強できたと、言ってたんだけど、それは日形(父の地元・花泉町の字名)の中でなんだな。出来たのは。

わたし
うんうん。


で、中学校のとき、花泉町全体の討論会みたいなのがあったんだわ。当然ながら参加するわけだ。みんな各学校の生徒会長みたいな人が出てきてね、お話するので、俺もちょろっとだけ喋ったんだけど。

まぁよう喋るのは花泉中学校の生徒ですよ。場慣れしてるっていうかね。やっぱ花泉っていうのはね、あの中では都会なんだわ。


花泉、老松、日形。いろんなのあるんだけど。七つか八つあるんだけど。花泉っていうのは一応、一目置かれてる感じかな。

わたし
ふうん。


それで俺、日形の実力っていうのは、そこで知らしめられたっていうか。日形ってこんなもんだったのかと。その辺からちょっとずつ、コンプレックスが芽生えてきたのかな。

高校に入って、いろんな人と顔を合わすたびにね、女性なんかでもそうだけども、赤面症っていうのがね、なんかひとつのキーワードになってるような気がする。

わたし
中高時代のね。


うん。なんでかなっていうのがあるんだけど。

今まで(家族会議で)喋ってたやつはさ、何か自信ありげなお父さんの姿を喋ってたような気がするんだけど、そこ(討論会)で自信を失った。何で自信持ってたんだと言ったらば、小さい村社会での自信なんだね。そこではもう赤面も何もないわけだ。

そのときには平気で喋れるし、女の人とも話できるし。要するに、気心知れた中での話ね。そこでは堂々としてるって感じだったけども、中学校の後半で(討論)大会があって、ショックを受けた頃から、なんか外を意識するようになったっていうのかな。

やっぱり意識しだしたのは、1高(進学校)かな。1高の生徒は意識し出したな。

わたし
高校のときにってこと?


高校のとき。こんなにもあれなのかと。自分自身がなんか、へりくだらなきゃいけないのかと。

わたし
1高の生徒に対してね。


同じじゃなくて、何か差がついたような感じ?


俺はそう見たわけね、多分。

だからそこから推察すると、上から目線下から目線っていうのは、なんていうんかな、村社会の中では堂々としてるから上から目線みたいな感じだ。それを小さくすると家庭の中でもそうだ。みんな気心知れてるから、その心配もなく、素を出せるっていうか。一歩外に出ると緊張してね。


――気心知れてるから、素(上から目線)がでる…。確かにそうとも言えるけど、気心知れているからって上から目線でこられた周りの人たちは、嫌な気分にしかならないだろう。

「気を許してるから、上から目線になれるんだよ」なんて言われて、納得する人がいるだろうか。

下に見られてバカにされてるほうからすれば、いい迷惑だ。


- 今日はここまで -


赤面症(あがり症)は、今は社交不安障害と呼ばれているそうだ。

社交不安障害は、特定の場面や人間関係において恥ずかしい思いをすることや、低く評価されることを極端に恐れます。恐怖や不安の対象が特定の状況や行動に限定されるため、必ずしも人間全般を避けるわけではありません。

引用:アパノール

社交不安障害は、もともとの気質(内気など)や失敗の経験などがきっかけになることがあるという。

そう考えると、父が討論会で自信をなくしたことがきっかけと言っているのは、間違いではなさそうだ。


わたしも内気な性格で、赤面症だった。今も緊張の場面では手汗をかいたり、顔がカーッと熱くなったりすることがある。慣れたし発症も少なくなったけど、「なんで今?」というときに突然起こったりする。

これも治療ができるんだなと、今知った。

今さら感があるけれど…。

<次回に続く>


これまでの家族会議記事はマガジンにまとめています。お時間あればぜひ、わが家の会議をのぞきに来てください!

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心乃泉
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