こどく、かもしれない
YouTubeを流しながら
お皿を洗っている
洗いたくないのは確実だけど
べつに聞きたい話ってわけでもない
あるいはお風呂場にまでケータイを持ち込んで
なんとなくのネットサーフィン
こんな
わたしではなかった
あなたがケータイばかり見ていると
わたしといるときまで
それはやめてほしいと
わたしはあなたにハグをした
あなたは
最近自由がないと言った
わたしも
あるいはあなたも
さみしそうだった
わたしといてもスマホを欲する
あなたはわたしといて孤独だったか
それはただの習わしの問題かもしれないし
あなたはずっとひとりでいて
ケータイをはなせなくなり
わたしといてもはなせなくなっていただけかもしれない
それともわたしといても
退屈だったのかもしれない
ひとりになりたかったのかもしれない
わたしたちは
ずっとひとりだったのかもしれない
それは
いっしょにいるあいだも
わたしはじぶんの孤独をみつけたくなかったのに
恋人たちはしあわせの絶頂で
酔っぱらって
夜のスーパーを歩く
両腕をひろげて
ときに抱き合ってはなれて
またつながって
信じあっている二人には
それは自在なこと
明日の朝ごはんを買って
夜道をひとり帰れば
降りだした雨に腕をくんで歩く二人
見てはいけない
そう思うことがひとり
部活帰りの男子高校生は
自転車にのったまま
信号待ちで
片方が片方の肩に肘をかけて
屈託なく話す
洗濯機がガタガタ鳴っている
となりのお風呂場で詩を書いて
明日は雨かもしれないけど
大好きなミントブルーのズボンの染みは
今夜のうちに落とさなきゃ
あなたの窓辺の
サボテンは元気かな