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ゼロになって
あなたをみる
あなたがいる
ここにいる
輪郭がはっきりして
でも
まるでしらないひとみたいなあなたを
わたしはふしぎなきもちで
みつづける
いままでいっしょにいたのは
だれだった
そもそもわたしたち
いっしょにいたのだろうか
なに
どうしたの
やっときづいて
こちらをみるあなたに
わたしはいわない
「(もっと
わたしをみて)」
わたしはただ
「あなたを
みていたの」
と
視線はかすかにむすばれて
わたしたちのあいだに
ながれているもの
なんにもないような
なにかがあるような
わたしたち
あなた
と
わたし
いま
が
ゼロ地点
「(はじめまして)」
はじめて会った日のことを
あなたはきっとわすれている