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精神疾患との付き合い方: 折り合いをつけながら生きるために

看護師 山田祥和

精神疾患を持っていると、身体的には問題ないのに体に不調をきたすことがあります。怠い、バクバクする、頭が痛い、下痢するなどなど。

それら不調を抱えながら生きていかなくてはなりません。精神疾患とともに生きるということは、自分自身の中にある原因不明の不調と日々向き合うことを意味します。

起きた瞬間、「またあの感覚か」と憂鬱になり、自分を嫌悪する日もあります。しかし、それでも生きていかなければならないのが現実です。

問題は、どうやってその「折り合い」をつけ、「やり過ごす」のか、ということです。

医師は病気を診て治療しますが、私たち訪問看護師は、その人と生活をみます。私たちが目指すべきは、精神疾患を抱えながらも、「上手に付き合うこと」です。そのためにできることをいくつか提案します。

1. まず受け入れる


精神疾患を持つ自分を否定し続けると、さらに苦しくなることがあります。原因がわからなくても、「今、自分はこういう状態なんだ」と認識し、否定せずに受け入れることから始めてみます。自分に優しくすることが第一歩です。

2. 小さな目標を立てる


調子が悪いときには、すべてが大きな負担に感じられることがあります。そのようなときは、無理をせず、できることを一つずつこなしていくことを目指すとよいです。「今日はベッドから出る」「ご飯を食べる」「顔を洗う」など、簡単な目標でも十分です。達成感が少しでも得られると、気持ちが少し楽になります。

3. 信頼できる人とつながる


孤独は精神的な負担を大きくします。家族、友人、または専門家など、信頼できる人に自分の状態を共有してみます。話すだけで気持ちが軽くなることもあります。また、定期的にカウンセリングや医師の診察を受けることで、適切なサポートを得られることがあります。

4. 「できない日」があってもいい


どうしても何もできない日があります。それは決して自分が弱いからではありません。「今日は休む日」「今は休む時期」と割り切って、自分を責めずに過ごすことも必要です。自己否定ではなく、自己慈悲を意識してみてください。

5. 自分に合った対処法を見つける


原因がわからない不調に対して、すべての対処法が合うわけではありません。リラクゼーション、運動、趣味、深呼吸、または瞑想など、自分が少しでも落ち着ける方法を試しながら見つけてみるといいと思います。

6. 未来を広く見る


調子が悪いときには、未来が真っ暗に感じられることがあります。しかし、調子が戻る瞬間もきっと訪れます。「いいときにやればいいのです」「今はそういう時期なんだ」と思うことで、気持ちの負担を少し和らげることができるかもしれません。

悪い時期を何とかやり過ごし、いい時期に動くのがポイントです。

精神疾患と折り合いをつけるということは、日々試行錯誤を続けることかもしれません。それでも、少しずつ自分に合ったやり方を見つけることで、より穏やかな日々を送れる可能性が広がります。「完璧でなくていい」「ゆっくりでいい」——そんな気持ちを大切にしながら、一歩ずつ進んでいくことを願います。

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