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周庭さんが日本留学したら起こること

香港での暴動と中国政府の圧力に対し、周庭さんが民主主義運動をやめ、元々親日家だったこともあり、日本へ留学したいと言っている。

私は留学経験が周庭さんよりはるかに長く、その立場から言わしてもらうと、周庭さんが日本留学して起こることが2つある。一つは彼女の民主主義思想は日本留学により劣化すること、もう一つはタレント化すること。

タレント化に関しては、ビートたけしの著書「下世話の作法」にもあるが(同書55、65ページ)日本の政治、メディア、そして、何より国民性は海外に比べ、段違いに下品と言われている。私もそうだと思う。次に、留学生とはそもそも「受け入れ側がえるものがある」から受け入れるのだ。例えば、私は音楽留学経験者だが、音楽大学は日本人、韓国人など、音楽の才能があるから受け入れるわけです。ドイツが人道的に中東の難民を受け入れているなどの例外はあるが、それも回りに回ってドイツの少子化対策になるとか、必ずメリットがある。だから受け入れるのだ。周庭さんが留学すれば、日本のマスコミがこぞって利用し、いわゆる「手垢」にまみれることは間違いない。彼女が限られた発信手段を使い、必死に訴える様と、デヘデへと気持ち悪い笑みを浮かべる日本人に付き添われて発する発言では、どちらの方が高貴で気高いだろうか?そのうちグルメ番組にでも出て「美味しいですー」などと関係ないコメントをするのか。まさか、そのプラットフォームを利用し中国を批判したいとまで周庭さんが考えているなら、彼女は日本という「劣化した民主主義国家」を利用し、運動を再開するということになる。こんなバカな話はない。

そして、民主主義思想の劣化については、2020年7月7日のJWaveにおける社会学者宮台真司氏の下記の発言を引用したい:

宮台「抑圧されることで盛り上がるものは三つある。一つは政治的な情念、宗教的な情念、性愛的な情念です。(逆に)全く自由が保障されていて、何も問題がないフラットな社会の平面の上では、自分がどっちを生きるべきかを測るコンパスがないんです(中略)僕は日本の体たらくのようには、中国の宗教的な活動の現状を見ると(中国は)ならないだろうなと。」
(※日本では反権力の意識が簡単になくなった)
宮台「(仲間同士の信頼の)確からしさを、むしろ弾圧によってコンパスをえることで続けられるんだろうなと思う。その逆にあたるのが日本です。(日本のように)『もう運動は無理になったんで、システムに適応して生きようや』とは、中国、香港の方々はならないんじゃないかと。」
宮台「社会は変えられなくても、志を同じくする者たち、敏感な者たち、不正に憤る者たち、愛に生きる者たちの連帯が続けられる可能性がある。それができれば、表立った政治的運動がなくなったとしても、がっかりするのは『外から見る者たち』のお門違いだと僕は確信をしています」(※口語体などを読みやすく一部変更しています)

勿論、政府が国民を抑圧することはよいことなわけがない。だからこその周庭さんの活動だったわけですが、何事もポジティブな面とネガティブな面がコインの裏表になっている。留学生の最も重要な「本分」とは「自分を高める」ことだ。今まで民主主義が腐りはて、下品なマスコミが政府に迎合し、安倍氏のような首相を生み出した日本という国で、周庭さん民主主義思想がより高尚なものになることは100パーセントありえないと言い切れる。

さらに言うなら、日本ほど「民主主義が劣化した」国は世界でも他にない。ウィキペディアの日本の国政選挙の結果をみれば明らかであるが、投票結果はほとんどが極端な結果で自民党が大きな勝利をおさめている。こういう出来レースの選挙をずっと容認し続けてきた国民が何が民主主義だという話。なかには「自民党は国民政党だ」などというマスコミの論者すらいる。これはとんでもない問題発言で「実質日本の民主主義が終わっている」ことを自分たちで認めていることに他ならない。

最終的には周庭さんの自由です。現在の状況が続けば、彼女は日本にいく可能性は高いでしょう。しかし、単なる利害の一致から日本のマスコミの手のひらで踊らされるのでしょうか?何も知らずに、周庭さんようこそ!などともろ手を挙げるような見っともない真似をするのでしょうか?あくまで冷静な目で見つめていたいものです。

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