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心の声が聴きたい

"触れる"ことで「わたし」を育てる =触覚のはなし=|発達/心理/シュタイナー☆にじ工房☆ 新井理惠 @atomippi #note https://note.com/nijikobo_steiner/n/n40cdf0322851

最近'夜泣き'を始めた息子くん(1歳)がようやく眠りについたので、明け方に布団の中で読ませていただいた他のクリエイターさんの記事。

読んでいたら、次女さんのことを書きたくなった。

次女さんは、ADHD傾向/ASD(12歳)。

分かりやすく言うと、くまのプーさんに出てくる【ティガー】のように、いつも跳び跳ねている子だ。ただし、ASDとのミックスなので、ティガーほど単純ではないけれど。

彼女と私は約10年間、ゴールデンレトリーバーと2人と1匹の暮らしをしてきた。2年前に私が再婚したことで、彼女には突然お義父さんとお義姉さんができ、さらにその1年後には弟ができた。環境変化の苦手なASDの彼女にとって、この2年間は恐ろしく大変だったに違いない。

私との2人暮らしは、彼女にとって寂しいことも窮屈なことも多かったかもしれないが、少なくとも私の愛情は彼女にだけ注がれていた。

そんな生活が一変し、彼女の目には私の愛情が彼女だけのものではなくなったように見えたに違いない。

再婚を決めるにあたり、私も夫さんも、子どもたちの関係が一番の気がかりだった。長女さんになった夫さんの娘は当時14歳(知的障がい/ADHD/ASD)、次女さんになった私の娘は10歳。しかし、長女さんの精神年齢は次女さんより幼く、14歳といっても思春期特有の難しさはなかったため、私たちの心配をよそにふたりはすぐに意気投合した。そして、どちらにとっても'初めての義姉妹'であり'初めての親友'になった。

次女さんは驚くほど長女さんを理解し、彼女ができないことを手伝い、忍耐強く付き合った。しかも、常にコンスタントなアテンションと援助が必要な長女さんに対し、次女さんは何でも自分でし私たちの手を煩わすことはなかった。

---しかし、最近ふたりの関係が変化してきていることに気づいた。

次女さんが反抗期に突入したのを機に、それまで長女さんが同じ事を繰り返し聞いたり、内容のない話を延々としゃべり続けたり、プライバシーが理解できないために次女さんの部屋に自分の都合だけで出たり入ったりしても文句を言わなかった次女さんが、長女さんに対し不満を言動で示すようになったのだ。

そればかりか、突然甲高い声で笑い始めたり、何かにつけてイライラし物に八つ当たりし暴言を吐くこともしばしば、そうかと思えば生意気なことを言いつつも私や夫さんのそばを意味もなくウロウロするようになった。

それは、一緒に暮らす家族にとっては聞くにも見るにも耐え難く、一体次女さんの中で何が起きているのか分からない不安だけが募る毎日となっていった。

---しかし、間違いなく彼女は私たちの愛情を必要としている。

次女さんは、一見普通の12歳の女の子に見える。

でも、彼女が普通にしているように見えることも、本当はとても大変なのだと思う。

【新しい環境への適応】
【他者の表情から気持ちを読み取る】
【言葉のニュアンスを理解する】
【自分の気持ちを相手に正しく伝える】

次女さんはしばしば、「回りの人が自分のことを笑っているような気がする」と言ったり、他者の言葉を誤解して突然怒りだしたりする。その度に私は彼女が納得するまで説明するのだが、彼女にとってこの世界は本当はとても生きにくいのだろう。

この2年間、次女さんは新しい環境に適応するために限界まで頑張ったのだ。

ASDの特徴にもれず、彼女は触れられることが苦手である。

それでも、私は彼女を抱きしめて伝えたい。

『よく頑張ったね。』『ありがとう。』と。

そして、私はこれからも彼女の心の声が聴きたい。





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