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上級国民が支配する国

岸田さんは総裁選で安倍麻生甘利の力を借りたので言いなり、という話だけど。あの人たちはなぜこんなに傲慢で、仲間内を贔屓するのかと思ったら、強烈なのを知った。

日系人初の米下院議員ダニエル・イノウエが来日した折、安倍の祖父である岸信介首相が、こんな発言をしたのだと。(貴堂嘉之『移民国家アメリカの歴史』岩波新書)

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この上級国民の特権階級意識と、下々の者への差別意識。ほんとにすごい。この岸を尊敬しまくっているのが安倍だ。岸&安倍は長州閥だし、麻生も戦前からの福岡の麻生財閥。甘利も格は落ちるが二世議員だ。そして岸田の祖父も満州で富を築いた実業家で代議士であり、岸信介の親友だった。
これを見て思い出したのが、麻生が故・野中広務に言ったという、『野中のような部落出身者を日本の総理にはできないわなあ』という言葉。

彼らは、戦前からの藩閥や上流階級、金持ち同士で日本を運営するのが当然だと今も思っている。国民が主権者とか、民意を代弁するとか、本音では考えてないし、この前の総裁選は、この体制をさらに継続させるための儀式だった。
だからコロナでも国民の命とか、本当は眼中にないのだ。戦前も特権階級によって庶民は戦地に駆り出され、たくさんの人達が命を落とした。そういう意味ではコロナも、10年前の原発事故も、いわばスローな戦争であり、構造は変わっていない気がする。

いつまで上級国民と右翼に国を任せるのか。こういうことに国民が気づいて、今回の選挙で変えられるか。それとも看板変わっただけでまた騙され続けるのか。

ちなみに日本の支配層が戦前からずっと恐れてきたのが、共産主義革命が波及して自分たちが特権を奪われることだ。今回の選挙で与党が何かと共産党バッシングをしているのは、イメージ戦略でもあるだろうが、半分は本能的なものだろう。それで一般国民にも「共産党はこわい」とアレルギーを植え付けてきた。

90年代前半までは日本は豊かで格差が小さく、生活に満足する人が多かったので政府への不満は大きくなりにくかった。でも今は新自由主義政策で格差が広がり、抜本的な転換でもなければ生命が危うい人達が大量に生じている。ただし、日本で共産主義革命が起きることはほぼありえないだろう。危機的な状況にあるにもかかわらず、国民の大多数が今も「お客様」意識で、横につながることを知らないからだ。弱い者はたいがい、弱い者同士連帯するのでなく、互いに足を引っ張りあったり、さらに弱い者を叩くことにエネルギーを使う。維新や自民はそれを煽り、真の問題から目をそらそうとする。

僕らはこのまま特権階級に従って同じ道を行き命を危険にさらすのか、革命とはいかなくても、命を守り国を救うため特権階級支配から脱却して国民が真の主権者となるのか。
それは、投票日までの10日間で僕たちが、気づきの輪をどれだけ広げられるかにかかっているだろう。

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