人間関係を円滑にする魔法の言葉”お願いします”
外国に住んで結構長いですが、外国語を毎日使っていて、日々発見があったり、
失敗して学んだり、反省し続けています。
日本語でも尊敬語や謙譲語、ビジネス用語は難しいところがありますが、
負けず劣らず外国語でも難しいです。
特に、外国語はフランクで良いよね、と一般的に思われることが多いかもしれませんが、とんでもない。
かなーり礼儀に気をつけないと人間関係うまくいかないので、日々苦労します。
しかもその礼儀とは、日本で必要とされている態度とはだいぶ違います。
普段仕事ではドイツ語と英語を主に使います。
職場の人とはドイツ語。
自分の担当地域の取引先とは、英語です。
私はあまり電話はせずに文面でやり取りすることが主です。
もちろん日本語も韓国語も私は使えるのですが、もしそれらの言語でメールをやり取りしていると、もし私が不在の時などに同僚が読めないし、
私の負担ばかり増えると首を絞めることになるので、メールは基本的に英語です。
さて、先日ヨーロッパ某所で、大規模な国際展示会があり、私の会社も出展していたので出張していました。
この業界で世界最重要な展示会のため、ヨーロッパ圏外からも多数来訪者があります。
日本や韓国から来たお客さんにはそれぞれの言葉で、それ以外の国の人は英語で、ドイツ語圏から来たお客さんにはドイツ語で。
そして同じ会社の人間としてブースに立っている人員も、本社の人はドイツ語ですが、支社の人や販売代理店の人たちとは英語の場合も多いです。
と言うわけで一度に3、4ヶ国語を扱わなければいけなくて、
例えば普段ドイツ語で会話している人に加えてもう一人会話に加わった人がドイツ語ができなければ英語になるので、
それぞれの人に対して会話する言語を固定するタイプの私は即時切り替えがあまり得意ではなく、頭がクルクル回ります。フル回転です。
そんな中、日本人のお客さんが来たのでアテンドしながら製品の説明をしていました。
大体それぞれのブースには営業担当だけでなく技術者もいるので、詳しい説明は彼らにお願いするのですが、
私が「〇〇してもらっていい?」と言う際に
"Kannst du xxxx xxxx?"(〇〇を〇〇できる?)と言うふうに聞いて、そこに
”bitte”(お願い)を入れ忘れていました。
正しくは"Kannst du bitte xxx xxx?"と言うのですが。
それに対して「Bitteって言うよね、普通は」とチクリ言われてしまいました。
すぐに愛嬌でビッテと言ったら機嫌を直してくれましたが。
人間関係、本当にそういう些細なところが重要です。
「お願い聞いてもらっていい?」
「どうぞご親切にお願いします」
みたいな言い回しがたくさんあります。
そこで、私はそれから毎度口を開くたびに自分の言い回しが丁寧で好感度が高いかどうかモニタリングしながら言葉を選んでいるのですが。
そうすると、ネイティブの人は本当にすっっっっごい頻繁にBitte(お願い)を言ってるのです。
ありがとうの意のDankeダンケもです。
上司が部下に何か指示する時も
「マユ、少し時間ある?〇〇してもらってもいい?どうぞよろしく。ありがとう」
これくらいちゃんと丁寧です。
聞き慣れているからあんまり意識していませんでしたが、自分はというとどうでしょう?
あまりそう言うへりくだった言い回しをしないでかなり単刀直入です。
英語ネイティブのオーストラリア人やニュージーランド人のメールを注意深く見てみても、すっっっっごい頻繁にpleaseを入れています。
"Please kindly xxxx xxxx?"てな感じで。
それを踏まえて自分の言い回しや、日本人で英語メールを書いている人の文章を見ていると、
あんまりそういった言い方してない。
ともすれば高圧的に映ってしまうのかも。
欧米の人と接して思う礼儀ですが、大体共通項があります。
①文頭に話す相手の名前を言う
「ねえ」や「すみません」に値する呼びかけ文句を使わず
「マユ、〇〇〇〇」
と話しかける相手に、話題を変える度に言う感じです。
②目を見て話す
これができないと不審者です。
特にお酒を持って乾杯する際、グラスが重なる瞬間は相手の目を見ます。
③別れの挨拶をしっかりする
しばらく会わなくなる時、ふいっと消えないでちゃんと握手やハグなどをしてお別れします。
これをしないと大問題になることも。
④招待、送迎、食事を奢ってもらうなどの場合にきちんと感謝の意を示す
乗り合わせで運転してもらっている人の車から降りる時など、「運転してくれてありがとう」「食事をご馳走してくれてありがとう」など、わかりやすくはっきり伝えます。
これもあやふやな態度だと嫌われます。
⑤予定が合うか合わないか、行きたいか行きたくないかははっきり言う
これは日本ではあまりはっきり言わないことでもありますが、微妙にニコニコ話に乗ってた割には待ち合わせの時間になって来なかったりはぐらかそうとすると本格的に不審者です。
わかっているつもりでも、間柄が慣れてくると言葉数が足りなくなったりします。
どんなに近い関係でも、ジョークを言い合ったりする時とは違って、
お願いしたり感謝したり、そう言う節目節目は対応する言葉を伝えないと人間関係が崩れてしまいます。
正しく「親しき仲にも礼儀あり」ですね。
私も一層気をつけてみたいです。
特に人に甘えるのが下手なので、上記の”お願い”言い回しを駆使して甘え上手になってみようかと思います。
どの国の言葉でも、「お願い」って言われて嫌な気持ちはしないはず!