エログロ儀式や閉鎖的な村って大嫌いなのに惹かれる謎
第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉受賞作。滝川さり著。
好きな表紙! 「孵」って漢字が既に隠微なドロドロ~とした空気感。いいぞいいぞ。
結婚の挨拶のため、婚約者・乙瑠の故郷を訪れた佑二。そこは生まれ変わりの伝説がある村だった。やがて乙瑠は村で里帰り出産をすることになったが、子供は生まれ変わりを司る神として村に囚われてしまい!?
↑あらすじに書かれていない謎の美女・山羊原の登場から面白くなったので、一気読みできた。山羊原のシタイシリーズなら揃えたい…。賢く強い女はやっぱりイイ!
その反面、主役である夫の佑二がThe無能な公務員。ところどころ「俺が絶対守る」と言うので応援できなかった…。死亡フラグみたいな台詞を堂々と吐く奴が嫌いで…。モブなら全然ありだけど。主役には役不足。
「俺が守る」発言に、私の中のリトルひろゆき(2ちゃん設立者)が「守れるソースは?」「具体的に貴女に何ができるんですか?」「それは貴方の主観ですよね?」と暴れた。
好きな男に「俺が守る」と言われても「はぁ? 何を上から目線で自分に酔ってんじゃああああ」とキレる可愛くない女で辛い!
ということで、夫婦の愛に共感できなかったので、作品としてはあまりハマれず。
参考文献に「津山三十人殺し 日本犯罪史上空前の惨劇」と記載されていた。でしょうね!
冒頭から「津山事件」としか思えなかったもの。「お孵り」を手にする読者は「津山事件」も好きなハズだから良いと思うんだけど。
まんま「津山事件」じゃなくて、参考程度にオリジナルなエピソードを書いていたら【読者賞】じゃなく【大賞】に輝けていた気がする。
おどろおどろしい雰囲気や紛い物の神は、大好物だけど、それ故に、なんか読んだことあるな~感は否めなかった。
でもこれからも「津山事件」を思わせるホラー小説は読んでしまうだろうな。もはや癖なのかな。
村八分や儀式がなくても、田舎の夜は真っ暗で怖い。コロナ禍が終わったらホラー小説を持ってド田舎に旅行したいな。東京で読むより楽しめそう。
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