Ture Dure 44 : PLAYFUL LEADERSがつくる場について
PLAYFUL LEADERS のことをご存じだろうか。私の友人たちが主宰しているプログラムである。
こちらの宣伝をするのにかこつけてせっかくなので私なりの教育観・学習観を大いに披露しようと思う。
教育や学習と聞くと、多くの人には次のような前提がある。すなわち、「人はある知識やスキルや態度が不足している。だから教育や学習でその不足を補う必要がある。」という前提である。
もちろんこれは間違いではない。私たちの暮らす社会は変化し続けていくので、過去に身につけた知識やスキルはアップデートしていく必要もある。そして知らないことやできないことは生涯かけても学びきれるものではないほど大量にあり続ける。
しかし、この前提は容易に「あなたは足りない、今のままではダメだ、もっとがんばらなくてはいけない、そのままではヤバイよ、どうするの?」という生存の不安をあおる方法を導く。これは一握りのエリートをフィルタリングしたい時には便利だが、一方で大量の無気力な人を生むリスクがある。これをフィルタリングの教育/学習と呼ぶことにしてみよう。
よって、異なるパターンの教育や学習の方法論が必要となる。前置きが長くなったが、フィルタリングの教育/学習とは異なる教育や学習のあり方を示してくれるものの1つの方法論、それが プレイフル・ラーニング という概念である。
私なりにプレイフル・ラーニングを定義すれば、「喜びのエネルギーを生成し、受け渡し合う場に埋め込まれること」である。あれ、教えていないではないか!学んでいないではないか!という声が聞こえてきそうな定義をぶち上げました。
いいえ、分かってもらえへんかもしれへんけど、これが教育やし学習です。分かってもらえるかわからないけれど、先の定義を因数分解しながらなんとか説明を試みます。
まず、教育や学習には「他者」がいるといいです。自分一人だと難しいけど、誰かと一緒にとりくんだらなんかできちゃった、わかっちゃったみたいに学びはアクシデント的に起きるからです。その仕組みは、他者は常に思ってたことと違ったことをするという予測誤差があるからです。「うお、そんなことするのか/言うのか!」ということが他者との関係では常に起きる。そのズレのつながりが思わぬ発見や成長へ連れていってくれます。
次に、他者と一緒に取り組める「活動」があるといいです。活動は問いなりマテリアルなり概念なりが自分と他者とをつなげてくれる場になります。どうしたら○○が作れるだろうか?△△ってどんな意味があるんだろうか?これを使って何かできないか?そうしたテーマが活動をつくりあげて、他者とよりグルーヴィングに知恵を出しあうフィールドができあがります。
そして、活動はそれ自体が喜びあるものであるとなおよいです。何かのためにある目的的な活動をしてもよいのですが、その活動に取り組む原因がその活動それ自体であった方が成長に終わりが来ません。その活動に巻き込まれているうちに、あれよあれよという間にいつの間にか成長してしまっている。こうした喜びはいつも事後的に学びをもたらします。
こうした他者と活動と喜びが私たちをフィルタリングの教育/学習とは異なる「喜びのエネルギーを生成し、受け渡し合う場に埋め込まれる」教育や学習、すなわちプレイフル・ラーニングへと誘ってくれるわけです。
ちなみにプレイフル・ラーニングによって何が結果的に学べるのかは事前には分かりません。ですが、フィルタリングの教育/学習では与えることのできない力を与えることができます。その力がどこへ向かっていくかは分かりません。ですがその力があるかぎり、学習は絶えません。半永久的に学び続けることでしょう。
ちなみにこのプレイフル・ラーニングには歴史的系譜があると思います。20世紀初頭に新教育運動が興り、あらゆる教育実践が、他者や活動や喜びを基軸にした時期がありました。その日本版が大正自由教育であったわけですが、新教育運動ではダンスや演劇、音楽、詩やペインティングなどあらゆる芸術活動と教育活動との間に重要な接地面を見いだしていました。それは子どもたちに力を手渡し、社会・文化・歴史・感情を育む教育実践でした。
新教育運動から半世紀ほど前にこうした力の思想としてのプラグマティズムの基礎を作り、ニーチェにも影響を与えたのがラルフ・ウォルドー・エマーソンでした。彼もまた、教育や学びとして「内なる光」を手渡すことを重視した思想家でした。
手渡された力がまた誰かに巡っていく、この力溢れる活動はそれ自体がすでにつねに教育的である。そのように私は経験的に知っています。どんなに社会が、歴史が私たちに辛い経験を押し付けてきたとしても、一度手渡された力までは奪えない。この力に基づく学びまでは何者も止められない。
そんなプレイフル・ラーニングをつくる人たちを広げるプログラムを友人がしています。ぜひ、この光を受け取ってください。
オンラインイベントとかあるみたいです。
↓↓↓
\オンラインイベントはこちら/
\PLAYFUL LEADERS 0.2期の概要はこちら/
2025年3月から新しい学びがスタートします!現在早割中です、詳しくは以下のページまで